5月下半期に家で見た映画(from Twitter)

 先日上半期分をやったので、今回は下半期分。5月16日〜31日までの分。

Blu-ray_ElephantMan
『エレファント・マン』〜イギリス盤Blu-ray
 これまた公開時に劇場で見て以来だから、30年ぶりくらい。長らく再見してなかったのは訳があって、これみてコワイキモチワルイオッカナイと思ってしまった自分に自己嫌悪があったのと、自分の中の(当時は)認めたくない部分をえぐり出されてしまった感じがして、それがトラウマだったから。
 要するに、見せ物に群がる醜悪な人間像をイヤ〜ンと感じながら、でもこの映画を見に来た自分も彼らと相通じる部分がある…なんて思って、ハイティーンの頃の自分はけっこう落ち込んでしまったのですよ。でも今は、自分は聖人君子ではないと既に知っているから、再見しても大丈夫だった。
 今回鑑賞したStudio Canal Collectionのブルーレイ(英盤)は、日本語字幕も入っていてメニューも日本語化されてるし、リージョンもフリーだし、フィルムの粒状感を残しながら高精細な画質も文句なし!
 とゆーわけで、同時購入した「去年マリエンバードで」と「カタリーナ・ブルームの失われた名誉」も、見るのが楽しみなり。^^
 これに味をしめて、次はブニュエル「昼顔」とヴィスコンティ「夏の嵐」とロージィ「恋」を、ポンドが安いうちに注文だッ!…と思ったのに、この3つには日本語字幕が付いてないみたいで、ガッカリ。 (´・ω・`)

厳戒武装指令 [DVD]
『厳戒武装指令』〜国内盤DVD

 …こーゆーどれがどれだかワカンナクなる戦争映画の邦題って何とかして欲しいw
 で、印象は「変な映画!w」いちおう、チェチェン紛争に赴き友人と一緒に捕虜になってしまった若いロシア兵が主人公なんですが、次から次へと色んなエピソードが出てきて「お、これから面白くなるかな?」と思ったところ、どれもこれもショボ〜ンと収束して…の繰り返しとゆー内容。
 まあ、こんなにとっちらかった映画も珍しいw ある意味、現在のロシアの混乱が、そのまま作劇に出ているような…と言ったら褒めすぎかw おそらく様々な点景を配して「今わが国はこういう状況にあるのだ」とゆー感じにしたかったんだと思うけど、肝心の技量も感覚もB級以下なので、何ともはや…
 そんなこんなで、見ていて「…へっ?」てな感じの連続なので、ヘンな映画好きの方はどうぞ。もはや出来が良い悪いとゆーレベルを超越した、ストーリーのとっちらかり具合が見物です。透けチクビで馬に跨る美少女のイメージショットとか、クライマックスの三文青春ドラマとか、ホントビックリよw
 因みにDVDは、ドンキとかで500円で売ってます。^^
 この手の500円戦争映画では、セルゲイ・ボンダルチュクの「バトル・フォー・スターリングラード(祖国のために)」、ニコライ・レペデフの佳品「東部戦線1944」、ダニエル・クレイグやキリアン・マーフィが塹壕を舞台に繰り広げる密室劇「ザ・トレンチ」なんかが、掘り出し物なのでオススメ。
 チェチェン紛争関係のロシア映画でマジメにオススメなのは、セルゲイ・ボドロフの「コーカサスの虜」とアレクセイ・バラバーノフの「チェチェン・ウォー」、あと前につぶやいたアレクサンドル・ソクーロフの「チェチェンへ アレクサンドラの旅」かな。

カティンの森 [DVD]
『カティンの森』〜国内盤DVD

 この題材でアンジェイ・ワイダだから、それなりに身構えていていたつもりだけど…うわぁ、それでもまだ甘かった…。色々感じるものは多々あるんだけど、とにかくラスト10分ほど、胃がキリキリするようなクライマックスに茫然自失、それまでの全てが吹き飛んでしまった感じ…。
 それまでにも、動的と静的のカメラワークの対比の見事さとか、抑制された語りすぎない語り口とか、最小限にして効果的なペンデレツキの音楽とか、いわゆる映画的な素晴らしさはいっぱいあるんだけど、終幕、映画から現実に、唐突に放り出されてしまうので、それが一番こたえる。
 ビックリしたことが一つ。昨夜見たヘンテコ映画「厳戒武装指令」に出てたヒロインの父親役の人が、今夜の「カティンの森」でもチョイ役だけどヒロインを助けるソ連将校というけっこう印象的な役で出ていた。偶然なんだけど、映画の内容も出来も天と地ほど違うだけに、何ともミョーな感じ。
 アンジェイ・ワイダは「パン・タデウシュ物語」の日本盤DVDが出ないかと、ずっと期待してるんだけど、望み薄なのかなぁ…。劇場公開もされてるし、VHSは出てるのに…。
 「カティンの森」予告編、何か情緒的なヒューマン感動作みたいになムードだけど、トンデモナイっす…。 (´・ω・`) http://youtu.be/tzZG5KjlA8s

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0 [Blu-ray]
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0』〜アメリカ盤Blu-ray

 既存の完成品に手を入れて今様にするというのは、なかなか難しいものがありますね…。キャラクターが3DCGになっているカットは、オリジナルの方が良かったと思うけど、ラストカットなんかは2.0の方が効果的…なんて感じで、正直あんまりニュートラルな気持ちでは楽しめなかった。
 まあ、どっちを先に見ているかで、それぞれ印象も変わってくるんだろうし、あんまりアレコレ考えないで、バージョン違いを楽しむつもりで気軽に見た方が良かったのかも。だから、得たモノもあれば喪われたモノもあり。
 原作マンガだと、ラストで素子が入ったのが実は男の義体だったというトコで、性別の無効化まで示唆されてたのが面白かったけど、映画だとそれがなくて残念だった代わりに、人形使いの見た目と声のギャップが、そこを補ってるように感じられて良かったんだけどな〜…(注・人形使いの声優が男性から女性に変わったことについてのつぶやき)

玉割り人ゆき [DVD]
『玉割り人ゆき』〜日本盤DVD

 まぁ判る人にはお判りでしょうが、ええ、ええ、川谷拓三のチ×切りシーン(あ、×ン切られシーンか)目当てですとも!w 折檻されて傷だらけの拓ボン、越中が良く似合っててステキ。後半の乞食ルックも良く似合っていてステキ。あ〜…ステキ。
 映画自体もしっとり叙情的で面白かった。でもピンクシーンになって女優さんがアンアン喘ぎだすと窓を閉め、終わると開けて、またアンアン始めるから締めて…と、鑑賞しながら立ったり座ったり、かなり忙しかったw
 政治がロマンやセンチメンタルの色を帯びているというのは、自分には全くない感覚なので、ちょっと不思議な感じがする。少し羨ましい気も…。

Blu-ray_Saawariya
『Saawariya』〜米盤Blu-ray
 期待通りの超高画質で、映像の美麗さにますますウットリ。DVDで欠けていた歌の歌詞の字幕も、ブルーレイではちゃんと入っていた。
 しかしこの字幕、英仏独西あたりはもちろん、ギリシャ語やアイスランド語やブルガリア語などヨーロッパ各言語に加え、中国語や朝鮮語やタイ語やトルコ語やアラビア語まで収録されているのに、しかもソニー・ピクチャー・エンタテイメント製なのに、何で日本語はないんだよッ! ヽ(`Д´)ノ

キッスで殺せ [DVD]
『キッスで殺せ!』〜日本盤DVD

 ビックリした〜!フィルム・ノワールだっつーから、てっきり技巧的でロマンティシズムのある世界なのかと思ってたら、ドライでパワフルな演出と破綻すれすれのギリギリ感で、有無をいわさず映画に引きずられていく感じ。荒削りなところも、また良きかな。

ロシアン・ブラザー [DVD]
『ロシアン・ブラザー』〜日本盤DVD

 社会主義崩壊後のロシア社会の混迷を背景に、兵役を終えた純朴な青年が、ペテルブルグ裏社会の抗争に巻き込まれて殺し屋に…ってな感じで、ストーリーだけ抜き出すとハードな感じがするけど、実際は細やかな人間模様とオフビートなユーモアが散りばめられた、実に「面白い」映画。
 殺し屋としての腕は抜群ながら無邪気で純真、なのに屈折もしていなく男根主義的でもなく、少年の爽やかさすら漂わせる、天然ボケすれすれの主人公キャラの魅力と、それを演じるセルゲイ・ボドロフ・Jrの魅力が絶品!つくづく早逝が惜しまれる。未ソフト化の続編があるらしい。見てみたいなぁ。

Blu-ray_Dostana
『Dostana』〜アメリカ盤Blu-ray
 前半見終わった。ボリウッド映画は長いので、半分ずつ。 ^^;
 同性愛が非合法のインドで2008年に作られた「ゲイ映画(?)」。ぶっちゃけ主人公達はゲイではなく、米国のマイアミで住居やビザのためにゲイカップルのふりをする男2人組とゆー「チャックとラリー おかしな偽装結婚!?」タイプの話ですが、ゲイの観客もきちんと意識した作り。
 まだ後半を見ていないので何とも言えませんが、同性愛差別が根深いインドで、ゲイを扱った映画をコマーシャルベースで作るという、背景事情などを鑑みると、前半を見る限りでは、その頑張りは称賛に値するのではないかと。明日見る予定の後半が楽しみ。
 後半見終わった。
 意外なことに、ゲイ関係のネタは昨日の前半部分で終了して、後半はそこから発展した「男と女の友情」というテーマに。ボリウッドらしい盛り沢山さと、いささかの強引さを含みつつ、全体的にはウェルメイドな味わいで、しっかり楽しめる内容になってます。
 さて、主に前半に見所が集中している「制約がある中でのゲイを扱った映画」としては、まず、ゲイであること自体(行動とか素振りとか)で笑いをとろうとはせず、あくまでも、ゲイ・カップルを偽装したために起きるアクシデントをコメディにしているのが気持ち良い。
 この点に関してはかなり良く考えられており、例えば「ノンケの主人公が咄嗟に自分たちの出会いとロマンスをでっちあげた回想シーン」では、いかにもなオーバーアクトのオカマ演技を見せつつ、ストーリー中で本当にゲイである登場人物の演技は、より自然な抑えたオネエ演技という具合。
 また、前述したゲイを偽装したことによるトラブルによって、例えば主人公の母親がそれに悩んで、しかし結局は受け入れるとか、逆に息子がゲイであることを母親に隠し続けていた苦悩を、第三者が想像して母親に語るとかいった具合に、現実の問題をサラリと、しかもユーモアたっぷりに含めている。
 こういったことは、インドのようなホモフォビアの強い社会において、ゲイに対して夢を、ヘテロに対しては啓蒙を、という制作者の姿勢が見られるようで気持ち良い。そしてクライマックスにもう一つ、大きな仕掛けが用意されている。
 詳細は省くが主人公たちは、最終的には皆の前で、男同士でキスをすることになる。おそらくインドではタブーでありショッキングなことなのだろうが、この映画ではそれがハッピーエンドへ向けた喝采と共に行われる。制約の中、同性間のキスを祝福ムードで描けたこと自体が、称賛に値するだろう。
 他にもゲイの観客に向けたサービスとしては、カップルの片方をモデル出身のハンク男優にして、しかもしょっちゅう脱がせてマッチョなセミヌードを披露させるとか、マイアミという地で繰り広げられるオシャレで楽しそうな同棲生活を見せるとかいった点も挙げられるだろう。
 というわけで「Dostana」は、ゲイ映画ではないけれど、インド映画でタブーとされていたゲイという要素を作中に盛り込み、ゲイの観客もしっかり視野に入れつつ、同時に一般向けの娯楽作としても着地できているという、なかなか見所の多い映画でした。ボリウッド好きのゲイ(いるのか?)は必見。
「Dostana」から、息子がゲイだというのでパニクる母親の姿を、ユーモアたっぷりに描いたミュージカル・シーン。歌詞は「ママの坊やがヘンになっちゃった/息子は花嫁の輿に乗るの/何てこと!?」てな感じ。 http://youtu.be/nTcwRjlWx9M
 因みにこの後、ママは息子の同性愛を受け入れるんですが、結果、古式ゆかしきインド風の花嫁を迎え入れる儀式で息子のボーイフレンドを招き入れ、しかもそれが、身分違いの恋で勘当された息子と親の和解を描いた国民的大ヒット映画「家族の四季」のパロディーという、ボリウッド好きには爆笑展開にw

まぼろしの市街戦 [DVD]
『まぼろしの市街戦』〜国内盤DVD

 戦争で住民が逃げ出してカラッポになった街で、残された精神病院の患者たちと、街にやってきた若い兵士が繰り広げる、カーニバルのようにカラフルな寓意劇。…なるほど、こりゃカルトだわ。エミール・クストリッツァの映画のご先祖様を見た気分。
 期待していた映画が、いざ見たら期待以上の内容だったときって、ホント嬉しいな〜。シュールな絵面にステキな衣装、ちょいと切なくて風刺の効いた内容、いやぁ素晴らしかった。愛しのアラン・ベイツ様も、まだお若いけど、最後の最後でしっかりかましてくれたしw

蜘蛛女 [DVD]
『蜘蛛女』〜国内盤DVD

 悪徳警官だけど小物のゲイリー・オールドマンが、ファム・ファタールに出会って自滅していく様子を、シャープだけどムードもたっぷりの演出で描いた、今様フィルム・ノワール。…いやぁ、ツボった。どーして私はこう、しょーもない男の話とか、男が尾羽打ち枯らしていく話が好きなんだろう。
 オープニングとエンディングが絶品。特にエンディング、切なさにマーク・アイシャムの音楽が追い打ちをかけて、ちょっと泣きそうになった… 。・゚(゚⊃ω⊂゚)゚・。 このテのムードがあるクライム映画は大好きなので、最近だと「ソルトン・シー」なんかがお気に入り。
 監督のピーター・メダックは、どにかく傑作「チェンジリング」(最近のじゃなくて昔のオカルト映画ね)を、何とかソフト化してくれ〜!…ってワシしょっちゅう言ってるな、コレw
 マーク・アイシャムの映画音楽では、何と言っても「モダーンズ」が大好き。特にこの「聞かせてよ愛の言葉を」のカバーは絶品。もう、泣ける泣ける。 http://youtu.be/A95f74Kvsq8

副王家の一族 [DVD]
『副王家の一族』〜国内盤DVD

 19世紀半ば、イタリア統一に向かう激動の時代を背景に、シチリアの名門貴族の父子の確執や利権を巡る争いを描いたドロドロ劇。なんか山崎豊子のイタリア版みたいな印象。衣装や美術が重厚で絢爛豪華…なのにDVDとしては画質がイマイチなのが残念。
 キャラクターが掘り下げ不足だとか、厭世的なテーマなので共感しづらいとかカタルシスに欠けるとか、いろいろと不満点はあるけれど、贅沢を言わなければ、ストーリー自体の起伏は充分だし、エモーショナルに盛り上がるシーンもあるので、史劇好きなら充分に楽しめるかと。

ポー川のひかり [DVD]
『ポー川のひかり』〜国内盤DVD

 イタリアの大学図書館で、貴重な古書の数々が太い釘で床や机に打ち付けられるという事件が発生。犯人の若い哲学教授は人里を離れ、河畔の廃墟に住み着く。彼はその風貌から、近隣のホームレスたちから「キリストさん」と呼ばれて慕われるようになるが、そこに開発による立ち退き要求が…といった内容。
 現代の文明や人間社会に対する疑問といったテーマが、重かったりシビアになりすぎたりせず、詩情豊かなスケッチのようにサラリと描かれるのがすごく魅力的。ただ、ヨーロッパにおける「文明と人間社会」なので、それがキリスト教と密接に結びついてくるあたりは、ちょっと観る人を選ぶかも。
 個人的には、寓意性と人情話が同居したような話法が、とても魅力的だった。監督は「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ。劇中とエンドクレジットで使われる「忘れな草(私を忘れないで)」のメロディが、作品のテーマをスッと押していて、その優しいさりげなさが心に沁みる。
 実際の映画の印象より、予告編がアグレッシブに感じられるけど、それだけ「欧米的にはかなり涜神的なテーマ」だってことなんでしょうね。 http://youtu.be/_DrhuLuYxDo

Blu-ray_FolsomPrison
『Folsom Prison』〜アメリカ盤Blu-ray
 買っちまったよ、初ゲイポ×ノBlu-ray…が届いたなう。
 ひゃ〜っっっ!!!ディテールが!毛の一本一本が!液体や粘膜のシズル感がっっっ!!!! …うむむむ、意外なソフトでハイビジョンの実力を思い知ってしまった…ヤバいわ、これw

dvd_DobunezumiSakusen
『どぶ鼠作戦』〜国内盤DVD

 やっぱりこの一連の中では最初の「独立部連隊」が一番好きという感想に変わりはないけど、でもたっぷり楽しませていただきました。相変わらず良く立ったキャラに加え、今回はちょっとずらしたキャスティングが効果的。チョイ役で大御所お馴染み色々と顔を出してくれるのも楽しい。
 藤田進が良かったな〜。水野久美と田崎潤はチョイ役すぎてビックリw 中谷一郎、今回は髭がなかったのは残念。正直、ガキの頃から見ていた風車の弥七をイイと思ったことはないんだけど、この頃の髭付きの中谷一郎って、なんかスゴく好きなんだよねw
 あら、部連隊とミスタイプしてたw(注・正しくは『独立愚連隊』)「西へ」も「どぶ鼠」も面白かったけど、やっぱ最初の無印の方が好き。あんま見たことないんだけど谷口千吉も好きなので、「やま犬作戦」も見てみたい…
 あ、「やま猫作戦」だったw

 以上、2010年5月に家で見た映画でした〜。

CDのジュエルケースを簡単に分解する方法

 遠隔地の友人とCDのソフトケース化についてやりとりしていて、CDのジュエルケースの分解はコツを掴めば簡単なんだよと、iSight使ったムービーをYouTubeにアップして説明しました。
 で、このブログのアクセス解析を見ると、CDスリムケース関係の検索キーワードでいらっしゃる方が、けっこう定期的にいらっしゃるようなので、何かお役にたつかもと思い貼っておきます(笑)。スリムケース自体に関しては、この記事とこの記事をどうぞ。

 サラリーマン時代にマルチメディア・コンテンツ関係の仕事をしていたときに、ポリドールの偉い人に教えて貰ったやり方です(笑)。
 手順を文章で書くと、
1)ブックレット側のケースを外す
2)CDをインレイ側のケースから外す
3)インレイ側ケースの外側の角をつまむ
4)つまんだ角と対角線側を指ではさみ、ちょっとひねるような感じに外す
……ってなトコでしょうか(笑)。

5月上半期に家で見た映画(from Twitter)

 ふと思い立って、Twitterで呟いていたことの中から、その日に見た映画の感想だけを抜き出してまとめてみました。とりあえず、5月1日〜15日の分。
 ……でも、やってみると、けっこうメンドクサイな、これ(笑)。

スーパーマン ディレクターズカット版 [Blu-ray]
『スーパーマン(ディレクターズ・カット版)』〜国内盤Blu-ray

 公開時に見た後は、ソフト購入はせず、テレビのエアチェック(ベータだ!)を数回見たくらいだから、20年ぶり以上だろうか。よってディレクターズ・カット版を見るのは、もちろん初めて。
 うん、やっぱスーパーマンはシンプルで明快に限る!色のくすんだジャージ生地のコスチュームで、精神年齢の低い恋愛劇で悩んでちゃイカンのだ…と、改めて思ったりして。職人芸に支えられた堂々たる娯楽大作で、32年の風雪に立派に耐えている。ノスタルジーも混じって、ところどころでウルウル。

Blu-ray_QueenOfLang
『Queens of Langkasuka』〜台湾盤Blu-ray
 17世紀末、ランカスカ王国(現マレーシア、ランカウイ島)の覇権と、勝敗の鍵を握る海に沈んだオランダ製の巨大な大砲を巡って、様々な勢力と人々の思惑が入り乱れる一大伝奇ロマン。監督は「ナンナーク」のノンスィ・ニミプット。いろいろ思うところはあるけれど、力作には間違いなし。
 設定よし、世界観よし、キャラクターよし。話も面白いし、繰り出されるアイデアの数々も良い。ただし、描かれる「憎しみや戦争は破壊の連鎖しか生まない」というテーマや、それに則したビターな結末は、実にリアルではあるんだけど、カタルシスにはほど遠いので、後味も厭世的な気分に。
 そういった予定調和を排したシビアな視点と、アクション・スペクタクル映画的な要素が、いささか相反してしまっている感はあり。あと、基本的に群像劇なのだが、ちょっと2時間ではそれが描き切れていない感も。ただし、見応えは大いにあります。
 個人的には、戦争を描きながら敵味方という視点を排し、善悪の問題は常に個人単位での問いかけとして描かれ、キャラクターも善玉や悪玉といった様式では描かれないといった、世界観の深さは素晴らしいと思います。
【追記】日本盤DVD出ました!

ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD] ランカスカ海戦 ~パイレーツ・ウォー [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2011-10-07

クォ・ヴァディス [Blu-ray]
『クオ・ヴァディス(51年版)』〜国内盤Blu-ray

 相棒と「長いからインターミッションまで見て、残りは明日にしようね」と言っていたのに、インターミッションがなかったもんだから、うっかり全編通しで見ちまったいw ニュー・デジタル・トランスファーと謳っているものの、レストアではないらしく、色のズレとかがそのままの部分も多少あり。
 IMDbを見ると、「クォ・ヴァディス」の映像化って、9バージョンもあるのね。この51年版とJ・カヴァレロヴィチ監督の2001年版しか見たことないから、他のも見てみたいな。因みに、2001年版は個人的にオススメ作品。

NO RULES ノー・ルール [DVD]
『ノー・ルール』〜国内盤DVD

 失職した元警察官が、別居中の妻と息子のために、違法格闘賭博が行われている刑務所に、囚人になって潜入捜査する…って話。どっかで見たような要素のオンパレードではあるけれど、RHIエンターテイメント製らしく手堅くまとまっていて、そこそこ楽しめます。
 主人公はトーマス・ジェーン似のマッチョ君。フツーにフィットネス雑誌のカバーをとかを飾っていそうなハンク系ビーフケーキで、なかなかイケてる。ただ、基本タンクトップで脱ぎ場がないのは残念。せっかく水責めや電気拷問されるシーンもあるのに、シャツくらい脱がせて欲しいもんだ。
 メインの地下格闘賭博シーンは、アクションを見せるというよりは、暴力性を見せることにフォーカスを合わせているので、ベア・ナックルだけでなく、鉄パイプやらバールやらで殴り合うあたりが佳良。前述の基本タンクトップも、血糊の効果を高めるためと思えば、まあ納得か。
 まあム所ものなんで、イケてる男はイッパイ出てきます。個人的には、サド看守がタイプ。ただまあ全般的に、演出が良くあるタイプの、手持ちカメラの揺れる画面をチカチカと切り替える系で、いーかげんこーゆーのは、それが出てくるだけでイラっとするくらい食傷気味w

Mr Leather (Unrated) (Unrated) (Full) [DVD] [Import]
『Mr Leather』〜アメリカ盤DVD

 ミスター・レザーLA 2003のコンテスト模様を通じて、レザーカルチャーについて触れたドキュメンタリー。
 もともとがフェティッシュな所産であるものなのに、登場するレザー・コミュニティの人々が、自分たちのコミュニティがソーシャルなものに対して果たす役割まで、それぞれきちんと考えているあたりは、流石アメリカといった感じ。
 わりと「この人たち、何でこんなことしてるの?」的な、一般視線からの質問等もあるんだけど、それをサラリと流したり、ドシンと構えて受け止めてみせる様子には、かなりカッコイイし、ちょっと感動もする。
 とはいえ、コスチューム・フェチのコンテスタントが自分のコレクションを披露している際に、「スタートレックのユニフォームはないの?」とか質問するのは、ちょいとビッチだと思うがw
 小ネタでは、ミスター・シスター・レザーの受賞者のバイカーキャップに、ティアラが付いているのに大ウケしてしまいましたw

ミッドナイト・エクスプレス [Blu-ray]
『ミッドナイト・エクスプレス』〜国内盤Blu-ray

 考えてみると、私は中学生のときに見たこの映画で、初めて「裸の男同士がキスをする」シーンを見たような気がする。それに加えて「裸の男が拷問される」とか「男が男に強姦されかかる」なんてシーンもあるもんだから、もう、ものごっつうショーゲキ的であったことよ。
 ただ、この映画ではまだキスどまりだったので、その寸止め感にも悶々としたもんです。後で原作(主人公の自伝)を読んで、実はホントはいくとこまでいっていたのだと知って、「だったらちゃんとそこまで描いてくれよ〜」なんて恨めしく思ったりしたなぁ。
 うろ覚えではあるけれど、実際に彼が性交渉を持った相手は、確か黒人男性だったような。78年当時では、男性同士の性交渉と異人種間の性交渉というダブルの要素で、そのままの映画化は難しかったのかも。今だったら、そのまま事実通りに映像化されるのかなぁ。
 しかし改めて再見してみると、私が主に自分の長編作品で、主人公を徹底的に追い詰めるのは、この「ミッドナイト・エクスプレス」の影響も大きいのかも知れない…なんてことを、ふと思った。少なくとも、指針の一つにはなっていそうだ。
 さて、今回はブルーレイで見たのだが、やはり画質の良さに感激。光と影の演出を多用しているがゆえに、なおさらシャドウ部の階調やディテールが、潰れずに再現されているのがありがたい。逆光のロングでも、表情のニュアンスが見えるもんなぁ、ビックリ。
 そういえば、まだホームビデオですら夢だった時分に、この映画が名画座で掛かると、再見したくて何度か見に行ったものだけど、その中の一回で、同時上映が「タクシー・ドライバー」だったことがあり、2本続けて見たらヘビーさにグッタリ疲れてしまった、なんてこともあったっけw
 というわけで、好き嫌いは別にしても(実際、当時でも批判はあった)、見て損はない1本ですから、お若い方で未見でしたら一度お試しあれ。
 因みに中学の同級生たちは「男が恋人のパイオツをガラス越しに舐めながら、センズリかくシーンがある!」ってな感じでコーフンして盛り上がっていた記憶がw 私はコーフンするよりも「デカい乳輪!」の方が鮮烈だったけどw
 今回再見しても「やっぱ乳輪デカいわ〜」って思ったw
 そう言えば今回初めて気がついたんだけど、このガラス越しの面会シーンで、主人公は恋人(アメリカ人)に、最初トルコ語で話しかけ、それが途中から英語になるんだけど、最期だけ「シルブプレ」とフランス語になってしまう…ということで、主人公の精神状態が限界にあることを表現してるのね。
 特に、この最後の「シルブプレ」は、このちょっと前、狂人から「シガール、シガール、シルブプレ」と仏語で葉巻をせびられるシーンと呼応しているので、それだけ主人公の精神状態が正常と狂気のギリギリの狭間にあることを良く表している。上手いな〜、って感心。

宇宙大戦争 [DVD]
『宇宙大戦争』〜国内盤DVD

 いしかわ先生は正しかった。安西郷子、エキゾチックな美女だけど、もみあげ太ッ!
 というわけで、これからサントラ盤聴くなう。♪ヾ(。・ω・。)ノ゙

風と共に去りぬ [Blu-ray]
『風と共に去りぬ』〜国内盤Blu-ray

「美麗画質で見たい!」という相棒のリクエストで鑑賞。結果、笑っちゃうくらいに画質がいい。クラシック映画が全部この画質になればいいのに。
 内容を良く覚えているのに、それでもやっぱり引き込まれてしまう、つくづく力強い映画だなぁ。
 ただ、自分が年を重ねるにつれて、黒人奴隷制度の上に成り立っていた白人社会の繁栄とその文化を、黄金時代の理想郷のように懐かしむという視点や、明示はされないものの、KKKをヒロイズム的に捕らえているような部分に、見えない不気味さを感じるようになってきた、というのも正直なところ。
 まあ、こういった「その時代における視点の限界」といった要素には、この「風と共に去りぬ」に限らず、クラシック映画ではちょくちょく遭遇するので、いちいち気にしていたらきりがないってな感じではあるんですが。

シーウルフ [DVD]
「シーウルフ」〜国内盤DVD

 ジャック・ロンドン「海の狼」のドイツ製テレビ映画2008年版。ストーリー面白い、画面の雰囲気上々、海のシーンは迫力もあり…なのだが、ドラマ部分の演出がイマイチで、全体的にはエピソードの数々がつらつら流れるだけという、平坦な印象になってしまっているのが残念。
 剣呑な人間関係の緊迫感とか、地獄のような遠洋漁業船という閉鎖空間の圧迫感などが、あまり出せてない感じ。それと役者さんが、皆さんいかにも一筋縄ではいかない海の野郎どもといった感じで、かなり良い雰囲気なのだが、ストーリーの要でもあり、作品を支配する実質的主人公であるラーセン船長が…
 演じるトーマス・クレッチマンは、好きなタイプだし「ゴッド・ディーバ」のニコポル役なんて特に好印象だったのだが、いかんせんラーセン船長役としては線が細すぎる。知的な部分はOKなのだが、悪魔的な存在感とか野獣的な生命感には甚だしく欠けるので、ストーリーの核として弱い。
 とはいえ、全体のクオリティとしては、テレビ映画や未公開映画としては、決して低いものではないので、古典アドベンチャー好き、帆船好き、むさ苦しい野郎どものバーバリックな男のドラマ好き…等々だったら、たっぷり楽しめるのではないかと。
 ところでこの「シーウルフ」、2009年にも同じくドイツでTV映画化されているらしい。そっちのラーセン船長役はセバスチャン・コッホ。「ブラックブック」や「善き人のためのソナタ」などで「いやン、セクシーなおじさま!」と思った方なので(笑)、ぜひ09年版も見てみたいもの。
 更にこの「シーウルフ」、71年版のやはりドイツのTVシリーズもあり(どれだけこの話好きなんだドイツ人)、そのときの船長はご贔屓のライムンド・ハームストロフ。私は字幕なしのDVDで見ただけですが、これがなかなか良かったので、機会があればせめて英語字幕ででも見直したいところ。

西部開拓史 [Blu-ray]
『西部開拓史』〜国内盤Blu-ray

 まあぶっちゃけた話、水平方向の拡がりと奥行きを強調したパノラミックな画面で、スペクタキュラーな見せ場を取り混ぜながら大味な話を綴っただけの映画…という気もするけど、画面のレストア技術がスゴいこともあって、画面は呆然とするほど精彩で美麗。
 元々がシネラマ映画なので、テレビのフラットな画面で見ると、消失点が複数あったり、水平が湾曲していたり、構図的にも中心点が複数あったり…と、見ていて何だか騙し絵でも見ているようで、ちょっとクラクラしてきたりもしますw
 特典ディスクに入っている、シネラマを擬似的に再現したスマイルボック版で見た方が、映像的には自然に見られるってのが面白い。
 画面がスゴいってこと以外には、内容的にはあまり特筆するようなものはないんですが、まあとにかく画面のスゴさは、ホント半端なくスゴいですw
 スペクタクル面だと、バッファローの暴走シーンが、そのド迫力に圧倒されつつ、同時に「お〜、ひょっとして『風の谷のナウシカ』の王蟲の暴走とか『もののけ姫』の猪の暴走とかって、これが元ネタ!?」って感じで面白かった。^^
 役者さんは、豪華キャストなんだけど、サービスで顔出すだけといった感じが殆どだし、ジェームズ・スチュワートとヘンリー・フォンダがワイルドな猟師ってのは、ちょっとどうよ…とかあるんだけど、個人的にはセルマ・リッターが良かった。^^
 あと、この映画って基本的に「我らの勇敢な先祖が、拳銃と鉄拳で西部を征服し、偉大な国アメリカを作ったことを讃えよう!」みたいな内容なんで、当然それ相応の不快さはあります。差別的な要素がさほど見られないのは、救いではありますが。
 私、子供の頃は西部劇って嫌いだったんですが、その理由は「ヒゲ・強面・薄汚れ」が三種の神器だった自分にとって、昔の西部劇で「あ、ステキ!」って思う男は、ほぼ100%ドーデモイイ脇役だったから。もう、ツバ付けた次の瞬間には撃たれて死んじゃうんで、それに懲りて見なくなったw

エスター [Blu-ray]
『エスター』〜国内盤Blu-ray

 いや〜面白かった。この監督、以前の「蝋人形の館」が良かったので期待はしてたんだけど、にぎにぎしいエンタメ系ホラーだった「蝋人形…」に対して、この「エスター」はじっくり描いたスリラーものと、方向性はかなり違うんだけど、どっちもなかなかの腕前。こりゃますます今後が楽しみに。
 もうちょっとだけ刈り込んでタイトにすると、もっと良くなりそうな気はするけど、じっくり描くところは腰を落ち着けて、派手な見せ場は容赦なく…と、ツボはしっかり押さえた作劇。いや、上出来、上出来。 ^^

フロム・ヘル [Blu-ray]
『フロム・ヘル』〜国内盤Blu-ray

 相棒の大好き映画ということもあり、もう何度見たことか。そして今回、アマゾンでブルーレイが約半額だったので再購入。暗いトーンと凝った映像美が見所のひとつなだけに、効果は絶大。アンバーとグレイを基調にしつつ、そこに炸裂する鮮やかな血の赤とアブサンの緑という色彩効果に、改めて感心。
 キャラクターの立ちっぷりと役者さんのハマり具合も良く、この映画を見て以来我が家では、ビアンの娼婦を演じたスーザン・リンチが一躍人気者にw 個人的にはグロテスク美という面でも大いに惹かれる映画。切ない後味も好き。
 ただ原作と比較してアレコレ言われてもいるようなので、う〜ん、やっぱ一度ちゃんと読んでおくべきか。

アズールとアスマール [Blu-ray]
『アズールとアスマール』〜国内盤Blu-ray

 何度見ても、この色彩美には陶然。今回は字幕に邪魔されたくなかったので、吹き替えで鑑賞してみた。なかなか良きかな。主言語(オリジナルは仏語、吹き替えだと日本語)とアラビア語の対比なんかは、その違いが良く判る分、吹き替えで見た方が効果的かも。

パフューム ある人殺しの物語 [Blu-ray]
『パフューム ある人殺しの物語』〜国内盤Blu-ray

 我が偏愛映画の一本。世評はともあれ、これは自分にとっては完璧な映画。汚穢にして美麗、エンタメにして芸術、ヘンタイにして崇高、もう何から何までメチャンコ好きだったりする。幸いにして相棒も大好きなので、我が家でのリピート率は実に高し。
 とゆーわけで、改めてブルーレイで買い直したんだけど、もともと映像のシズル感がスゴいだけに威力も倍増。美麗なシーンは、もちろんより美麗なんだけど、それ以上に、不潔感の表現なんかが更にパワーアップしてるもんだから、思わず見ていて「うぉっぷ」となりそうなくらいw
 それにしても、この「パフューム」と昨夜の「アズールとアスマール」と「300」と「パンズ・ラビリンス」と「ブラック・ブック」が日本公開された2007年は、自分にとって何と至福の一年だったことよw

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『The Siam Renaissance』〜香港盤DVD
 タイ映画。バンコクに来たフランス育ちのタイ人女性が、タイムスリップで現在と100年前のバンコクを行ったり来たりする話。当時のタイ(つまりシャム)は英仏両国の植民地化の危機にさらされており、愛国心に燃える若者たちを見て娘さんは…とゆー展開に、タイム・パラドックスなんかも絡んだり。
 イメージカットを多用した演出が、叙事というよりロマンティック方向に偏っているので、歴史の節目の緊迫感とか、伏線の収束とかパラドックスの解決とかいったロジカルな部分は、正直さほど見応えはない。ただ、叙情的で感傷的なパートは、けっこう盛り上げてくれる。
 映像面では、さほどの予算ではなさそうだけど、100年前のバンコクの風景の古写真に、色が付いて人々が動き始めたりとか、パラドックスの結果、現代のバンコクに巨大なエッフェル塔が聳え立ってしまうとか、わりと面白いイメージが幾つかあった。

ちょっと宣伝、「田舎医者(後編)」です

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 先月休載してしまったマンガ『田舎医者(後編)』、明日5月21日発売の雑誌「バディ」7月号に、無事掲載です。間を空けてしまって申し訳ない。
 祭の日、いよいよ明らかになる村の秘密。マジメそうな外見とは裏腹に、どんどんインラン度が増していく萱野先生の運命はいかに…?
 というわけで、ゴツメガネキャラのセックス・アドベンチャーも、これにて無事完結です。
 今回は、話数と共に内容が予想外の方向へズレていき、でも完結後に再読すると、ある種の予定調和に収束しているというのを狙ってみました。全体の雰囲気も陽性にして、自分でも描くのがけっこう楽しかったんですが、皆様お楽しみいただけましたでしょうか?

 さて、今後の「バディ」ですが、来月号は一話完結の読み切り。その次の号(9月号)から、また3〜5話程度の短期連載になる予定です。
 どちらもどんな話が飛び出すか、どうぞお楽しみに!

Badi (バディ) 2010年 07月号 [雑誌] Badi (バディ) 2010年 07月号 [雑誌]
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2010-05-21

イベント、無事終了しました

 油断していたら日が明けてしまいましたが、日曜日のイベント、無事終了しました。
 主催側に伺ったところ、大してパブを打つ前の段階から予約が集まり、何と宣伝用フライヤーが刷り上がったときには、既に予約でほぼ満席になってしまっていたそうで(笑)。
 というわけで、もし「行きたかったけど予約間に合わなかった〜」という方がいらっしゃいましたら、どうも申し訳ありませんでした。
 さて、イベントの方は、ゲスト一人ずつ+ホストという組み合わせのトークを、大越孝太郎先生、私、町田ひらく先生という順番で、一人あたり30分くらい(?)で一巡して、その合間に東方力丸さんのマンガ朗読(紙芝居のようなもの、と思っていただければ)を挟みつつ、最後に三人一緒に鼎談、という形でした。
 マンガ朗読は、大越先生のが『猟奇刑事マルサイ』から「恍惚の女医」、町田先生のが『たんぽぽのまつり』から「#9(…だったと思います、間違っていたらゴメンナサイ)本日確認したら、朗読作品は「たんぽぽの卵 #9」で、『たんぽぽのまつり』は収録単行本名でした……私のが『男女郎苦界草紙 銀の華』から冒頭部分、という内容でした。
 東方さんの朗読はシアトリカルで、私の『銀の華』に関しては、音の入っていないモブシーンでも、それっぽいガヤを入れてくださったり、全体的に男っぽい感じの声音だったのが、何だか嬉しかったです(笑)。
 町田先生のときに、バックスクリーンの投影画像にミスがあって、画像の天地がひっくり返ってしまっていたりしたのは、ちょっと残念でした。
 トークの方は、大越先生も町田先生も、流石に個性的で内容の濃いマンガを描かれているだけあって、お話しに一本「ドン!」とした芯が通っていて、実に聞き応えがありました。ポリシーというかフィロソフィというか、そんなものをしっかり持っておられるのだな、と。拝聴している私も、改めて我が身を振り返り、背筋がシャンと伸びるような、そんな心持ちに。
 で、質問コーナーでは私も調子に乗って、町田先生にネーム(セリフ)構成のコツなんかを、お聞きしてしまったり(笑)。いや、個人的に町田先生の作品の「余白」に、ずっと心惹かれておりましたもので……。
 大越先生のお話しでは、『猟奇刑事マルサイ』を巡るあれこれが、個人的にいろいろと考えさせられるものがありました。第三者である私がオープンにして良い内容なのかどうか、ちょっとその判断が難しいので、ここで詳細には触れませんが、何はともあれ本というものは、いつか買おうと思っているうちに、諸般の理由でいつの間にか市場から消えてしまい、気がついたときにはもう入手できなくなっている……なんてことが幾らでも起こりうるものなんですな。
 おそらくこういったリスクは、市場が狭かったり内容が先鋭的であったりする、マニアックでコアなものほど高いので、皆様、欲しいと思ったときが買い時ですよ、私の単行本も含めて(笑)。
 私も改めて、「『天国に結ぶ戀』と『マルサイ』の単行本、買っておいて良かった〜!」と思いました。
 事前の打ち合わせや出番の合間には、三人でアレコレ雑談をしていたんですが、「ひょとしてこういう話こそ、トークショーでやった方がいいんじゃない?」なんて言い合っていたくらい、イロイロと面白い話も出ていたので、これはお聞かせできなかったのが残念(笑)。
 で、ワタクシ、「せっかくの機会だから両先生の本を持参して、サインをお願いしようかな〜」なんて、事前には考えていたんですけど、当日そのことをコロっと忘れてしまい……てゆーのも、例によってめったに使わない携帯電話の発掘と充電で頭がパニックっちゃいまして、他のことがスッ飛んでしまい、更に打ち合わせの待ち合わせ場所まで間違えてしまったくらい、あたふたしてしまいまして……カバンに本を入れ忘れ(泣)。
 でも、諦めきれなかったので、急遽カバンに入っていたメモ帳(……がわりの折りたたんだコピー用紙)を出して、失礼を承知でサインお願いしちゃいました。
 それが、こちらとこちら。
 このまま保存しようか、それとも両先生の本の見返しに貼り付けちゃおうか、現在思案中(笑)。
 そんなこんなで、個人的には思いっきり楽しめちゃったイベントだったんですが、ご来場くださった皆様にも、ご同様にお楽しみいただけていたら良いんですけど。
「サインを…」と話しかけてくださった方、差し入れをくださった方、などなど、皆様どうもありがとうございました!

フランク・フラゼッタ逝去

 本日、起きてPCの電源を入れ、Twitterにアクセスしたところ、ショッキングな訃報がTLを駆け巡っていました。
 2010年5月10日、フランク・フラゼッタ逝去。享年82。
 ……これはマジで、ちょっとヘコむ。

 このブログでも、過去の記事でその名前を、何度も引き合いに出してきていることからお判りのように、自分が中学生の頃、雑誌「スターログ」やムック「SFファンタジア」で知って、その重厚な筋肉描写とパワフルな画風に惹かれて以来、ずっと好きな画家だったもので……。
 フラゼッタは、一種ファンタジー・アートの1ジャンルの創始者的な部分があるので(厳密に言うと、圧倒的な個性と存在感のある作品であるとはいえ、その画風のルーツは、フラゼッタの先輩にあたるロイ・クレンケルの作品に見ることができますし、そこから更に前の世代のアレン・セント・ジョンへと遡ることができるので、別に突然変異的に突如出現したというわけではないのだけれど)、以降、その作風は作家の個性から、一つの様式になってしまったという部分があります。
 よって、その後続の中には、単純に描写力とか技術力という面を取り出すと、元祖フラゼッタを凌駕する技能の作家も大勢いるんですが、それでもフラゼッタの作品の持つ圧倒的な力強さは、そういったフォロワーたちを遙かに凌駕する孤高のものであるように、個人的には思っています。
 そこいらへんについては、以前この記事の中盤でちょっと触れていますので、興味がある方はどうぞ。

 ともあれ、私にとっては大いにリスペクトしている現代の巨匠のお一人でした。
 謹んでご冥福をお祈りいたします。

 さて、フラゼッタを知らないとか、知ってるけど画集とかは持っていないという方には、現在市販されている画集で、”ICON”、”LEGACY”、”TESTAMENT”という三冊があるので、そのどれかから始められるのが良いかと思います。
 個人的には、出版順にまず”ICON”からゲットし、次に”LEGACY”、そして”TESTAMENT”という順番が良いかとは思うんですが、残念ながら”ICON”は現在品切れの模様。とはいえ、三冊とも充実した内容で、収録作品の重複もないので、とりあえず目に付いたものから買われても、特に問題はないです。

Icon: A Retrospective by the Grand Master of Fantastic Art Icon: A Retrospective by the Grand Master of Fantastic Art
価格:¥ 2,953(税込)
発売日:2003-10
Legacy: Selected Paintings and Drawings by Frank Frazetta Legacy: Selected Paintings and Drawings by Frank Frazetta
価格:¥ 2,707(税込)
発売日:2008-04-28
Testament: A Celebration of The Life & Art of Frank Frazetta Testament: A Celebration of The Life & Art of Frank Frazetta
価格:¥ 2,953(税込)
発売日:2008-04-28

 既にフラゼッタのファンだよという方には、よりマニア向けの”ROUGH WORKS”もオススメ。
 A5程度の小振りな画集ですが、アイデア・スケッチ、フィギュアのラフ・ドローイング、構図用のサムネイル、ペン入れ途中の原稿、有名な作品のカラー・ラフなど、他の本では見られないものがぎっしり。カラー・ラフを見ると、フラゼッタの油彩画作品の背景で良く見られる、渦巻くような「もやもや」が、決して偶発的なものによる効果ではなく、ラフの段階から計算されているということが判ったりもします。

Rough Work: Concept Art, Doodles, and Sketchbook Drawings (Spectrum Presents) Rough Work: Concept Art, Doodles, and Sketchbook Drawings (Spectrum Presents)
価格:¥ 1,967(税込)
発売日:2007-09-28

 因みにこれらの画集なんですが、私が持っているのは旧判で表紙デザインとかが違うんですよね。
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 欧米では、どうも画集を増刷するという発送がないのか、よくこういった形で表紙もISBNも変えて、でもタイトルとコンテンツだけはそのままの新判を出すようで。
 これ、どういう理由があるんだろう……と、以前からずっと不思議。

“Devdas”のBlu-ray

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 わが偏愛映画の一本、サンジャイ・リーラ・バンサーリ監督の”Devdas” (2002) の、台湾盤Blu-rayを購入したので、そのレポートなんぞを。

 まず画質ですが、残念ながらBlu-rayソフトとしては、決して良いとは言えない内容。
 ただし、この”Devdas”のソフトは、まず正規盤のDVDからして、かなり劣悪な画質でした。私の持っているのは、ボックス入りの限定版なんですが、パッケージのハードケースは豪華だし、美麗カードのオマケなんかも付いているわりには、肝心のソフトそのものの画質がトホホな出来でして。まあ、インド映画のDVDって、こーゆートホホなことって決して少なくはないんですが、その中でも”Devdas”は、最近の映画にしては、ちょっと「う〜ん……」な画質だったんですな。
 そういう事情があるので、このBlu-rayは、一般的に言ったら決して良い画質とは言えないものの、それでも既発のDVDよりはずっとキレイではあります。また色調も、DVDがちょっと暗く沈んでいたのに比べると、Blu-rayの方が明るい。反面、ちょっとハイライトが飛び気味の感はありますけれど。

 ソフトの作りは、音声はオリジナル、字幕は中国語二種と英語から選択可能。
 チャプター分けはされていますが、内容に沿ったものというよりは、全体の尺を機械的に割った、いわばオート・チャプター的なもの。インド映画のDVDにつきものの、歌と踊りの部分だけのチャプター画面なんてゆー、親切な機能は付いていません。
 映画の内容ですが、原作はインドの有名な古典悲恋小説(……らしいです。原作小説は邦訳も出ていますが、まだ読んだことがない)の『デーヴダース』で、過去にも何度か映画化されている定番ネタなんだそうです。ちょうど先月も、大阪アジアン映画祭で『デーヴ D』(2009) というインド映画が上映されたようで、未見なんですけど、あらすじに出てくるキャラクター名からして、どうも同じ『デーヴダース』の現代版らしい。
 ただまあ私としては、この”Devdas”は、ストーリー云々とかよりも(もちろんストーリー的にも切なかったりはするんですが)、何よりかにより、その圧倒的な映像美そのものが一番の魅力でして。どこもかしこも、信じられないような贅沢で豪奢の美の固まり! もう、それ見てるだけでボ〜ッと酔えるくらいで(笑)。で、前にここで書いたように、イッパツでこの監督、サンジャイ・リーラ・バンサーリのトリコになっちゃった(笑)。

 とゆーわけで論より証拠、私の一番好きな場面を貼っときましょうかね。これ見てるだけでイケちゃう、至福の6分間。コレオグラフィー、カメラワーク、編集の見事さをご覧あれ。

 しかし台湾盤とかを買うと、毎度のことながら、「中国語は良くワカンナイけど、とりあえず漢字は読める」ギャップが面白いですな。”Devdas”の中国題は『寶萊塢生死戀』ってらしいんですが、なんだか判ったようなワカンナイような(笑)。
 あと、今回は帯部分のコピーが面白くて「印度第一美女 艾許維亞瑞伊」って書いてある。ふ〜ん、アイシュワリア・ラーイって、中国語だとこう書くのか(笑)。

 最期にご参考までに。
 邦訳が出ている原作小説は、こちら。

デーヴダース―魅惑のインド デーヴダース―魅惑のインド
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2006-04

ちょっと宣伝、トークイベントに出ます

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 5月16日(日)に開催されるイベント、「聖ヴァニラ学園 大創立祭 表現のエロスと遺伝子」に、トークショーなどで出演します。
 出演者は私の他に、大越孝太郎さん(マンガ家)、町田ひらくさん(マンガ家)、東方力丸さん(漫読家)など。
 以下、宣伝文より引用。

背徳の地下学園「聖ヴァニラ学園」。創立際には特別講師に三人の劇画家を迎え華々しく開校!
前代未聞の異色カルチャースクール「聖ヴァニラ学園」が、いよいよ五月に開校となる。その第一回目は、ゲイ・エロティック・アートの大家・田亀源五郎氏、リリシズムに溢れたロリータポルノ作品に定評のある町田ひらく氏、猟奇と耽美に満ちた異世界を描き出す漫画家・大越孝太郎氏、それぞれ全く違うフィールドで活躍する三人の漫画家を特別講師として迎え、自身の著作について、そして昨今の漫画界を廻る問題について大いに語っていただく。この非常に稀有な機会に、表現者のエナジーの反応と融合とを肌で直に感じていただきたい。またテキスト朗読には、日本唯一のプロ漫読家・東方力丸氏を招き、お三方の作品朗読を行う。この上ないキャストで華々しく幕を開ける「聖ヴァニラ学園」。その裏には一体どんな秘密と陰謀が隠されているのか…?いよいよ、あなたは歴史の生き証人となる!
予約制
5月16日(日)開校18:00/授業開始18:30~終了21:00(予定)
授業料/3.500円 1ドリンク付 定員30名
会場/銀座ブラックハート

 場所の詳細や予約方法など、詳細はイベントの公式ページをご覧下さい。

今月の『芸術新潮』はマストかも(特集『股間若衆』)

 特集に興味があるときだけ購入している『芸術新潮』ですが、今月号は見逃せない小特集が載っているので、ご紹介します。

芸術新潮 2010年 05月号 [雑誌] 芸術新潮 2010年 05月号 [雑誌]
価格:¥ 1,400(税込)
発売日:2010-04-24

 現在店頭に並んでいる雑誌『芸術新潮』5月号。
 表紙でお判りのように、メインの特集はエドゥアール・マネなんですが、スゴいのは第二特集。
 題して「股間若衆」!
 副題に「日本近代彫刻の男性裸体表現の研究」とあるように、明治以降、日本の作家による西欧的な伝統に基づく写実彫刻において、股間、つまり男性性器はどのように表現(或いは秘匿)されてきたのか、という流れを、豊富な図版と共に論じた内容です。

 特集頭の「曖昧模っ糊り」という章から、ユーモアと皮肉をたっぷり効かせながら、ヌードという「セックス」を含む「芸術表現」に対する日本的な欺瞞を、ものの見事に暴き出してくれていて痛快至極。ここだけでも、表現規制についてアレコレかまびすしい昨今、一読の価値ありです。
 もちろん、メール・ヌード美術全般に興味のある方だったら、その着眼点といい、内容の希少性といい、これはマストだと思うので、激オススメ。

 個人的には、芸術だの隠す隠さないだのといった問題とは無縁の、輸出用に作られた名匠による工芸品としての「生き人形」が、掲載図版の中では最もコンテンポラリー・アート的な印象を受けるのが、何とも興味深かったです。
 つまり、いかなる理由があろうとも、在るべきものを表現しないとか、そこにオブジェ以上の意味を(勝手に)感じて(或いは配慮して)「隠す」という行為には、どうしても「ノイズ」という結果がつきまとってしまい、表現の「純度」を損なうんだな、ということ。そこには、「猥褻を意識するがゆえの猥褻感」が存在してしまう。
 北村西望の『怒濤』なんて、実に日本的なメール・ヌード像としての逸品だと思うんですが、しかし、その奇妙な股間の表現には、どうしてもそういったノイズが感じられてしまう。対して、前述の生き人形には、それがないんですな。
 基本的に、自分が日本人であることには何の不満もないんですけど、こういった明白な事例を見る時ばかりは、「あ〜あ、やっかいな国に生まれちまったなぁ……」と思っちゃう(笑)。

 前述の「アートとしての生き人形」に関して、もう一つ付け加えると、そこには「芸術であらんとしよう」というノイズもない。それゆえにシンプルで純粋であり、だからこそ逆説的に、その「作品」が「芸術的」に感じられる。
 これは、私にとって一つの理想的なありようです。私にとって、それが芸術であるか否かは、制作動機や目的ではなく結果が全てであり、しかもそれは、個の主観による判断に基づくものだ(つまり汎的な芸術というものは存在しえない)、というのが、私自身の考え方なので。
 もし、この特集内で、どれか一点作品を貰えるとしたら(私は良く、展覧会等でもこういった発想で、マイ・フェイバリット・ワンは何かを考えます)、もう問答無用で「農夫全身像/鼠屋伝吉・作」ですね。それから少し離されて、二番目が前出の「怒濤/北村西望」かなぁ……。
 ンなこと考えたって、貰えっこありませんが(笑)。

【2012年4月9日追記】この『股間若衆』、後に掲載された『新股間若衆』や書き下ろし原稿などと共に、目出度く単行本化されました。オススメの一冊。

【追記2】2017年4月には、続編『せいきの大問題:新股間若衆』も出版されました。こちらも是非。