投稿者「Gengoroh Tagame」のアーカイブ

『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』刊行記念イベント、明日から予約受付開始です

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 先日ここでお知らせした、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』発売記念・原画展&トークショー&フィルム上映イベントですが、有料&定員制のトークショーとフィルム上映の予約が、明日11:00から受付開始します。
 タイム・スケジュール等、イベントの詳細、および予約はポット出版の該当ページからどうぞ。
 会場およびプログラムの詳細については、アップリンク・ファクトリーの該当ページもご参照ください。
 トークショーに関しては、前回お知らせした通りです。

 ただ、フィルム上映は、当初は日本のものを一本と、アメリカのゲイ・ポルノ映画も一本上映したいと思っていたのですが、やはり洋モノは、局部描写等セクシャルな描写に関して難しい問題があり、残念ながら断念せざるをえませんでした。
 できればこの機会に、私が個人的に敬愛している、アメリカ・ゲイ・ポルノ映画の伝説的カルト監督、Joe Gageの作品を、どれか一本紹介したかったんですけどね。個人的には、初期三部作の中の一本で、アメリカン・ニュー・シネマ系のロードムービー的な魅力もある、”El Paso Wrecking Corp” (1977) を候補として考えていました。
 モザイクを入れての上映という案もあったのですが、Joe Gageの作品は、とにかく「性行為をいかにエロティックにフィルムに定着させるか」に徹しているので、修正を入れてしまうと、ナニガナンダカワカンナイ部分が殆どになってしまうことと、同時に作品的な真価が全く伝わらなくなってしまうだろうということで、涙をのんであきらめた次第です。リスクも大きいしね。
 エロティック・アート関係に係わっていると、とにかくこの性器の露出やら性行為の直接描写といった、日本の法律の壁にブチ当たります。いいかげん、ウンザリ。
 しかし、そのかわりといってはなんですが、上映する日本製ゲイ・ポルノ映画(二本に増えました)に関しては、なかなか面白い充実したラインナップになりました。

 まずは小手調べ、『巨根伝説・美しき謎』(1983)監督:中村幻児。
 俗に「薔薇族映画」の呼称で知られる、上野や梅田の専門映画館で上映されているゲイ・ピンク映画の、黎明期に制作された力作かつ怪作です。
 三島由紀夫の自決事件や「楯の会」をパロディにした内容なんですが、黎明期ということもあってスタッフにゲイが一人もいないのか、「ノンケさんが考えた勘違いゲイ描写」が、全編に渡って炸裂。バック掘られながらオネエ言葉で熱演する大杉蓮さんとか、紙吹雪舞い散る中で集団切腹ごっこする褌男たちとか、見どころ(ツッコミどころとも言うが)いっぱい! ……とはいえ、ロッテルダム国際映画祭正式招聘作品でもあるんですけど(笑)。
 ゲイでもヘテロでも楽しめますが、キワモノ好きの方には特にオススメしたい逸品。目くじらたてずに、ツッコミ入れながら明るく楽しく鑑賞しましょう。

 もう一本は真打ち、『愛の処刑』(1983)監督:野上正義。
 これも「薔薇族映画」の一本ですが、こっちは実際に伊藤文學先生のお名前も制作クレジットに入っています。
 内容は、もう知る人ぞ知る……って感じですが、ゲイ雑誌誕生前夜、同好の士に向けて出されていた同性愛者向け会員誌に発表された、某文豪の匿名による作と伝わる、同性愛と切腹を描いた、日本のゲイ史上に残る伝説的地下文学の完全映画化。内容的には、取り組んだ原作が巨大過ぎるがゆえに、頑張っている部分もあり、力及ばずの部分もあり、といった感じですが、往年の日本映画を彷彿とさせる雰囲気自体は、決して悪くないです。
 諸般の事情から、めったに見る機会がない幻の映画なので、ヘテロもゲイも関係なく、とにかく「この映画を見る」ということ自体が貴重な体験になると思います。また、日本のゲイ文化史を俯瞰するにあたって、日本でもかつては即物的なゲイAVだけではなく、こういったフィルムが制作されていたこともあったのだという、そんな時代的な意義も体感できると思います。

 あ、もちろん前座の『Desert Dungeon』(2006)監督:田亀源五郎もよろしく(笑)。
 一人の作家が趣味にあかせて、こんなバカなものをマジメに作ってるんだ……ってなことで。
 ご予約&ご参加、お待ちしております。

『トリスタンとイゾルデ』

『トリスタンとイゾルデ』(2006)ケヴィン・レイノルズ
“Tristan + Isolde” (2006) Kevin Reynolds
 ワーグナーの楽劇で有名な、中世伝承文学の映画化。ロミオとジュリエットの原型的な悲恋物語ですが、構造的には、アーサー王伝説におけるラーンスロットとグィネヴィアに近いのかな。
 リドリー・スコットがプロデュースとのことで、内容の硬派さや絵的な見応えに、ちょっと期待していたんですが、それらはどちらも見応えありでした。
 絵的な面に関しては、構図の美しさが一見の価値あり。物語の前半、アイルランド王妃の葬送のシーンで、雄大ながらもいかにも荒涼とした風景の中、ちっぽけに蠢く人間たちという、素晴らしいスケール感の対比には思わず瞠目。
 同様に、入り江に浮かぶ船団のシーンなど、ドラマの主役である「人」や「モノ」を極力小さく、しかもセンターを外して配置して、あくまでも「風景」という世界の中の一部として見せる構図の数々が、実に見事で素晴らしい。同じ監督の『ロビン・フッド』のときには、こういった感覚に感心した記憶はないので、これは撮影のアルトゥール・ラインハルトという人のセンスなんだろうか。
 他にも、戦死者を船に乗せて火葬で送るシーンとか、婚礼の場に向かうイゾルデを乗せた船のシーンとか、絵的に「こう見せたい」というのがはっきり伺われる画面が多々あり、映画の「絵を楽しむ」という面では、かなり満足度は大の作品でした。
 ただ、全体的に彩度を極端に落とした画面設計は、重苦しい悲劇の予感としても、寒々とした感覚の惹起という点でも、それなりに面白い効果はあるものの、全てがそれで一本調子なので、ちょいと途中で飽きがくる感もあり。これは、もうちょっと内容の変化に応じてのメリハリが欲しかった。一律に彩度を落としているだけで、低い彩度の中での色彩設計までは気が回っていない感じ。
 内容的には、神話伝説的な要素は極力排除して、リアリズム志向で歴史物的に再構成した、という感じでしょうか。
 ただ、奇妙なことに『トリスタンとイゾルデ』と謳っているわりには、肝心要の恋愛要素がひどくおざなりで、それより各国間の政治的な駆け引きや戦闘シーンといった部分に重きが置かれている。規模は小さいけど迫力はタップリな、えらく気合いの入った戦闘シーンに比べて、主人公二人の恋模様の描写の、何とも気が抜けていーかげんなことよ。正直「……これ、別にトリスタンとイゾルデじゃなくってもいいじゃん」とか、思ってしまいました(笑)。
 演出も、風景や情景や戦闘といった「絵」を見せることに注力するのみで、人物の内面を描くという点がおそろしく不足している。登場人物たちの行動原理は、神話伝説的なシンプルで力強いものではなく、より近代よりの人間的なものであるにも関わらず、そういった内面描写が不足しているのが、何ともちぐはぐで落ち着きが悪い。よって、愛する者への裏切りや、裏切ったものへの赦しとかいった、心情的な部分でのドラマも、頭では理解できるんだけど感情には訴えてこないので、見ていてエモーションが揺さぶられることもない。
 特に、主役二人の内面描写の乏しさは致命的で、しかも外見上の魅力も乏しく、ラブシーン関係もおよそ褒められた出来ではないせいもあって(ラブシーンで「美しい」とか「ロマンチック」と感じさせるような絵が微塵もないってのは、恋愛が鍵となるドラマでは、ちょっとどうかと思うぞ)、悲恋の二人に感情移入するとか同情するとかではなく、逆に「……うっとおしい連中!」とまで思ってしまった(笑)。
 これはドラマの構成にも問題があって、こういった運命的な悲恋ものの場合、恋人たちの意志とは関係なく、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれていくからこそ、結果として訪れる悲劇に重みが増すのだが、この映画の場合、主人公たちが「自分たちの意志で選択できたはず」の状況が多すぎる。よって、彼らから受ける印象も、「過酷な運命を辿らざるをえなかった悲劇の恋人たち」よりも、「身勝手に周囲を振り回すバカップル」に近いのだ。
 以下、ちょっとネタバレを含みますので、お嫌な方は次の段は飛ばしてね。
 こうなると、前述したリアリズム志向の再構成という点とも関係するのだが、原典で二人を宿命の恋に走らせる「媚薬」の存在を、映画では完全に排除していまったのが裏目にでてしまう。このことによって、恋人たちの結びつきは、あくまでも二人の意志に異存することになるからである。
 ならばせめてこのカップルに、若気の至り的な同情をさそうような、初々しい魅力があれば救われるのだが、前述したようにそういった要素もない。
 そんな二人の愛について、最後にもっともらしく「二人の愛は国を滅ぼすことはなかった」なんて語られても、つい「そりゃ、結果として『滅ぼすには至らなかった』だけであって、別に『二人の愛が国を救った』わけでもないんだから、他の人からしてみりゃ、やっぱ迷惑なバカップルだったじゃん」とかツッコミたくなるし、そんな愛が至上のものとは到底思えない、ってのが正直な印象。
 ただ、愛の偉大さが、二人の恋愛ではなく、それによって裏切られたにも関わらず、最終的に赦すことができた、マーク王の愛について語られているのだとしたら、それなら納得ですけど。このマーク王、ホントいい人だわ(笑)。
 役者陣は、トリスタン役のジェームズ・フランコとイゾルデ役のソフィア・マイルズは、タイトル・ロールであるにも関わらず、前述したように残念ながら魅力がゼロ。特にソフィア・マイルズの魅力のなさは痛く、この人『アンダーワールド』のときは、脇役だったけど、今回よりもずっとキレイに撮られてたし、魅力もあったから、何だか気の毒な気がします。
 ロミオとジュリエットの伝統に倣って、こーゆー内容の話の場合は、ヒロインは初々しい溌剌とした魅力を最重要視した人選の方が良かった気はします。かつてジュリエットを演じた、スーザン・シェントールやオリビア・ハッセーのように、見ているだけでこっちも幸せになって、おもわず応援したくなるようなヒロインだったら、この内容でもバカップルにはならずに持ちこたえられるから。
 ともあれ、主演二人に関しては、全体的な魅力不足と内面描写の乏しさゆえに、演技力云々とは関係なく、全く感情移入できなかったのが辛かった。
 マーク王役のルーファス・シーウェルは、役柄的にも演技的にも、最も魅力的で見応えもありました。ただ、ちょっと外見が若々しすぎる気も。あと、この人は目の色のせいなんでしょうか、どうしても非人間的で感情が乏しそうだったり、歪んだ内面を持っていそうな印象を受けるので、今回は役柄としては、基本的にあまり合っていないという気も。逆に、『ダークシティ』の主役や、テレビ映画『トロイ・ザ・ウォーズ』のアガメムノン役とか、『レジェンド・オブ・ゾロ』の悪役とかは、けっこうハマってて好きだったんですけどね。
 その他の脇役については、更に内面描写が不足してキャラも立っていないので、外見以外には余り印象に残らず。アイルランド王役の、デヴィッド・パトリック・オハラって人は、ちょっとタイプでした(笑)。でもまあ、私の場合、こーゆー出で立ちでこーゆー髭面だったら、どんな男でもプラス30点増しくらいにはなるんですけどね(笑)。
 そんなこんなで、ちょいとバランスは悪いけれども、基本的には地味で真面目に作った歴史映画という味わいなので、西洋史劇が好きな方だったら、お楽しみどころもタップリです。
 前述した構図等の画面の見応えに加え、セットや美術やコスチューム等も、歴史的な重厚さを感じさせる出来映えで、かなり上質。それ系が好きな方だったら、そういう満足度は高いでしょう。
 アクション系も、前述の迫力のある戦闘シーン以外にも、姫を勝ち取る競技大会のシーンが、全体をまるでボクシングの試合のように見せたり、石の札で対戦相手を決めていくとか、細かなディテールがいろいろ凝っていて面白いので、古代戦闘好きの方に加えて、ファンタジー等の設定マニアの方にもオススメかも。
 逆に、古典ロマンスを期待しちゃうと、ちょっと裏切られちゃうかもしれません。『トリスタン・イズー物語』好きやワーグナー好きの人は、別物と割り切って見た方が吉。特に、ワーグナーの楽劇は好きだけど、史劇には興味がないというクラッシック好きの方は、この映画にはワグネリズム的な要素は皆無なので要注意。
 あ、あと、アン・ダッドリーによるスコアも、個人的にはけっこう気に入りました。派手にエピック風に盛り上げるのではなく、情感を押さえて静かに流れつつ、ところどころでトラッド風(そういえば、楽曲提供のクレジットには、アフロ・ケルト・サウンド・システムの名前もありました)や古楽風の要素も入ったりして、なかなかいい感じでした。
『トリスタンとイゾルデ/オリジナル・サウンドトラック』 (amazon.co.jp)

画集”STRIPPED”に参加

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 ゲイ・アーティストの画集やメールヌード写真集を数多く出していて、ゲイ向けのワールド・トラベル・ガイド"Spartacus"の版元としても有名な、ドイツのゲイ向け出版社Bruno Gmunderが、創立二十五周年企画として、世界のゲイ・アーティストたちの作品を集めた"STRIPPED – The Illustrated Male"という画集を出版しました。
 今年の春頃だったか、私のフランス語版"Gunji"を見た同画集の編集者の方から、メールでオファーをいただきまして、面白そうな企画だったので、作品を五点提供という形で参加しました。

 で、昨日、謹呈本が到着。何だかえらく重い小包でビックリしたんですが、開けてみたら納得でした。
 版型は、A5より少し横長といった感じでさほど大きくはないんですが、束がムチャクチャ分厚い。定規で測ったら(笑)3センチ5ミリくらいありました。表紙は角背のハードカバーで、マットPP貼りのカバー付き。本文用紙もしっかりしたツヤ紙で、全ページフルカラー。
 すンげー頑丈でしっかりとした本で、これが何冊も入ってたんだから、そりゃ重いわけだわ。荷物を受け取ってくれた相棒は(因みに私はまだ寝てたのだ)、おかげで腰を痛めそうになりました(笑)。

 ページ数は400ページ近くあり、総勢五十人以上のアーティストの作品が、一作家あたり四〜八点くらいずつ収録されています。因みに、どんな作品を何点提供するかは、基本的に作家が自由に決めることができました。ただ、点数に上限はありましたし、内容的なセンサーコードも皆無ではなかったですけどね。
 流石に五十人以上もいると、初めて見る作家も少なくありません。作家名に併記されている出身国も、やはりアメリカが多いとはいえ、それでもイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、オーストリア、カナダ、オーストラリア……と種々様々。
 物故している作家やヴィンテージものは含まれていないので、印象はさながら、世界の現役ゲイ・アーティスト目録といった感じ。じっさい、イラストレーターズ・ファイルなどと同様、巻末にはそれぞれの作家の連絡先も記載されています。
 また、これだけ色んな国の作家さんたちが一堂に会しているのを見ると、「うんうん、やっぱ絵に国境はないよね〜」と、何とも楽しい気分になります。ビバ、絵描き!
 ただ、残念だったのは、日本およびアジアの作家が、私一人だったこと。アジア系作家にまで拡げれば、中国系や日系らしき名前もあるんだけど、ちょっと淋しい。
 作風は、ほんと様々。古典的でリアルな油絵あり、ニュー・ペインティング風あり、カートゥーン系あり、アメコミ風あり、日本のマンガやアニメの影響が伺われるHENTAI系もあり。私は、どうせなら目立ってやろうと、浮世絵風とかマンガの一ページとか、他の国の作家さんと作風がかぶらないような作品で参加。上手くいったような気もするけれど、ちょっと浮いているような気も(笑)。

 具体的な収録作家は、知人だと、メールを貰ったのをきっかけに知り合ったPlayerや、以前私が紹介してジーメンに作品が載ったこともあるLoganなど。Loganとは掲載ページがお隣同志だったので、何だか知らない人ばっかのパーティー会場で、友人にばったり会ってホッとしたみたいな気分に(笑)。
 他には、西洋絵画の伝統的リアリズムの系譜を受け継いでいる作家だと、Douglas Simonson、Beau、Steve Walker、Ross Watsonなんかが有名どころでしょうか。
 コミックス系では、Patrick Fillionは本も沢山出している人気作家。
 ボンデージ系のIra C. Smithの作品は、80年代のDrummer誌やシスコのセックス・クラブのポスターなんかで見て好きだったので、久々に見られたの嬉しい。
 嬉しいといえば、私が個人的に大ファンで、かつてはFury 161というペンネームでも活躍していた、中国系フランス人のMarc Ming Chan。この人の硬質な鉛筆ドローイングは、スーパーリアル的に描き込んだものも、ざっとラフに描いたものも、どっちも本当にセクシーで素晴らしい。以前はサイトもあったんだけど、どうやら閉じちゃったらしく残念に思っていたので、嬉しい再会。
 今回初めて知った作家だと、アメコミ調とリアリズムの混淆で描かれるファンタジックなマッチョ・ガイがかっこいいSean Platter、アメコミとウィリアム・ブレイクのミックスみたいな画風が面白いBrad Rader、暴力的なムードを漂わせるスキンズを描くSepp of Vienna、これまたアメコミ調でかっこいいマッチョを描くJJ Kirby、色鉛筆でボリス・バレジョーのゲイ・アダルト版みたいな絵を描くCraig Hamilton、フォービズムみたいなタッチで気持ちのいいポートレイトを描くTom Jones、古典的技法のリアル系の油絵でちょっとラフでダーティーな香りのする男たちを描くJames Huctwithなんかが、新たなお気に入りになりました。
 作家ではないんですが、フラップでメッセージを書いているのが、Tom of Finland Foundationのプレジデントで、エロティック・アート・コンテストの主催(このコンテストには、以前に日本からも不破久友さんやKenyaさんといった方が応募して、それぞれ賞を貰っています)もしているDurk Dehnerでした。Tom of Finlandのパートナーだった人で、私は、TomのアトリエでもあったLAのご自宅にお邪魔したり、NYのレザーパーティでご一緒したことがあるので、何とも懐かしい気持に。

 まあ、そんなこんなで、ゲイ・アート好きなら買って損はない、納得のヴォリュームの高品質画集。
 版元のBruno Gmunderの本は、以前は東京の洋書屋で良く見掛けたので(何で以前かというと、ここんところ洋書はネットで買ってばっかりで、本屋巡りをあんまりしなくなっちゃったのだ)、この"STRIPPED"も上手くすると日本の店頭にも入ってくるかも。
 以前だったらこういった本は、amazon.co.jpでも買えたんですが、既に.comでも.co.ukでも.deでも.frでも.caでも既に取り扱っているのに、何故か.co.jpでだけ扱われていない。何かルールが変わっちゃったんですかね? チンポの絵がいっぱい載ってるから? まったく、この文化的後進国め!

 ISBNは3-86187-871-2、お値段は$29.95(amazon.comだと、34% OFFで$19.77)。
 機会があったら、ぜひお手にとって見て欲しい逸品です。
“Stripped: The Illustrated Male” (amazon.com)

『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』刊行記念イベント、開催決定

『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』の刊行を記念して、11月23日(木曜・祝日)に渋谷にあるアップリンク・ファクトリーさんで、イベントが開催されることになりました。
 イベントの内容は、原画展、トークショー、フィルム上映の三部になります。

 原画展はもちろん、『日本のゲイ・エロティック・アート vol.2』に収録された、長谷川サダオ、林月光(石原豪人)、木村べん、児夢(GYM)、遠山実、倉本彪の、貴重で美麗な原画を展示。印刷物では味わえない、生の迫力を味わえる、またとないチャンスです。入場無料。

 トークショーは、日本の現代美術を代表するアーティストである村上隆さんと、わたくし田亀源五郎の取り合わせでお送りいたします。どんなお話が飛び出しますか、私自身も今から楽しみです。……ちょっと緊張もしてますが(笑)。入場料は1000円。

 フィルム上映は、日本のゲイ・ポルノ映画の黎明期である80年代の作品から一本、アメリカのゲイ・ポルノ映画の黄金期である70年代の作品から一本、そして、ゲイ・エロティック・アーティストのプライベート・フィルムということで、私自身の映像作品の、計三本をデジタル上映します。
 日米ゲイ・ポルノ映画は、まだ選考段階で上映作の最終決定はしていませんが、昨今のゲイAVとは、ひと味もふた味も違うヴィンテージ・ポルノ映画になるはずです。どうぞお楽しみに。……あ、でもお願いだから、会場でハッテンはしないでね(笑)。
 私の作品は、趣味で制作してウェブ上で公開している3DCGアニメーションの"Desert Dungeon"です。既に公開終了しているパートはもちろん、未公開新作部分も含めたロング・バージョン。でっかいスクリーンで見られるのは、ひょっとして最初で最後のチャンスかも(笑)。
 入場料は一本につき400円。

 より詳しい情報は、ポット出版のサイトでどうぞ。
 トークショー及びフィルム上映は、先着順で各回定員70名になりますが、11/1から同サイトで予約の受付もスタートするそうです。

 で、昨日はポット出版さんとアップリンクさんを交えて、上映するフィルムの選考会をしてきました。入手が間に合わなかったものもあり、まだ完全決定には至りませんでしたが、大まかなアウトラインと候補は絞ることができて、一安心。
 今回は残念ながら上映を見送ることにしたフィルムの中にも、佳品あり珍作ありの充実したラインナップでした。まさか、日本のゲイ・ポルノ映画で、パゾリーニのパロディ(それも、すご〜くマニアックな内容)にお目にかかるとは……(笑)。
 そんなこんなで面白かったんですが、とはいえさすがに、ゲイ・ポルノ映画を続けて何本も見たら、流石に疲れました(笑)。しかも、男女入り交じってゲイ・ポルノ映画鑑賞って……何だか貴重な体験をしてしまったような気もしますが、でも、イベント当日はそれが70人規模になるんですね。楽しみ(笑)。

 かくの如き斬新な(?)イベントですので、性別もセクシュアリティも関係なく、皆様、どうぞふるってご参加ください。
 もちろん私も、当日は一日中会場に詰める予定です。特にサイン会等の時間は設けませんが、ご希望の方は、私本人かスタッフに、お気軽にお声をお掛けくださいませ。

及川健二『ゲイ@パリ』予約受け付け開始

 10月25日、ジャーナリストの及川健二さんの著作『ゲイ@パリ 現代フランス同性愛事情』(長崎出版/\2,310)が発売されます。現在、オンライン書店bk1で、予約受け付け中。
 以前にもここで書いたことがありますが、じっさい発売される本がどんな内容になったかといいますと、及川さんからメールで目次の一覧をいただいたので、ちょっと長くなりますが、以下にコピペします。
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第1部 フランスの同性愛、最新事情ルポルタージュ
序章
1 ゲイのパリ市長が誕生した日
2 テレビ番組でのカミング・アウト
3 斬新な改革。国民からの高い支持
第1章 フランス人は同性愛者をどう思っているのか
1 五六%のフランス人が同性愛者の路上キスを容認
2 同性愛者は変人か
3 九一%が同性愛者への暴力に怒り
4 フランス人はゲイ・フレンドリーか
5 『Ttu』調査から見えてくるフランス人の「同性愛」観
6 フランス人の五七%が同性婚に賛成
7 同性愛者の九五%が「いずれ同性婚は合法化される」と答えた
8 フランスはカトリック教徒の国か(一)
9 フランスはカトリック教徒の国か(二)
10 八〇%が中学校にコンドームを置くことに賛成
第2章 パートナーシップ制度パクス(PACS)
1 同性愛と強制収容所
2 ミッテラン政権下における同性愛の前進
3 フランスの裁判制度
4 エイズがすべてを変えた
5 同性カップルも利用できるパクス(連帯民事契約)とは何か
6 事実婚(内縁)と結婚の中間にある緩い形での準結婚制度
第3章 焼き殺されかけたゲイ
1 凄惨な写真
2 催眠ガスをかけられ暴行される
3 「汚いホモは死ねばいいんだ」
4 容疑者の逮捕
5 容疑者不起訴。警察への不信
6 ヴァネスト国民議会議員の発言
7 「同性愛はあきらかに人類の生存に対する脅威だ」
8 「同性愛は異性愛より劣等」発言が有罪
第4章 フランス初の同性婚
1 ドキュメント同性婚 三日前〜当日
2 同性愛者と保守派が市庁舎外で激突。民族派・ドヴィリエ欧州議会議員の襲撃
3 「これは歴史的な瞬間だ」ついに結婚式が挙行
4 市長は停職一カ月。社会党重鎮も批判
第5章 ノエル=マメール市長はなぜ同性婚を執り行ったのか
1 「同性婚について話したことのない家庭はない」
2 「政治家は同性愛者の問題に逃げの姿勢でいる」
3 ノエル=マメール氏インタビュー
4 「フランスにおける同性愛者の状況は最良とはいいがたい」
5 ホモ嫌いとの闘い
6 遺伝子組換トウモロコシをジョゼ=ボベと引っこ抜いた理由
7 暴動の原因は差別、サルコジ内相「社会のクズ」発言は危険
第6章 フランスの政治家と同性愛
1 ミッテランの秘蔵っ子
2 ジャック=ラング元文化相はアイドル政治家
3 同性カップルの結婚を公然と支持した最初の政治家
4 『差別的な発言の取締りに関する法律』とジョスパン元首相の敵意
5 シラク大統領がゲイ雑誌『Ttu』に登場
6 シラク氏曰く、「私はパクスの象徴的な貢献を認識しています」
7 フランスでもっともセクシーな女性政治家
8 同性婚賛成に転向した次期大統領候補・ロワイヤルさん
第7章 フランスとHIV・エイズ
1 フランスのHIV新規感染者は七〇〇〇人
2 フランス最大のHIV啓蒙・市民団体『AIDES』とは何か
3 フェラチオでHIVに感染するか
4 HIVと闘う政治家
5 ロメロさんの勇気ある行動
第8章 フランスのトランスジェンダー
1 トランスジェンダーによるデモ
2 女の子ふたりがトップレスになった
3 エコロジスト・性労働者・医師・ブラジル移民・パリ区議
4 様々な人種のトランスジェンダーが働く事務所
第9章 カミーユ=カブラル区議インタビュー
1 横浜エイズ会議、日本のトランス=マコさん
2 初めて選挙にでたときの話、ゲイのドラノエ・パリ市長
3 トランスジェンダー・性労働者が抱える問題
4 性労働者はプロとして認められるべきだ
第10章 一般企業が出展する欧州ゲイ・サロン
1 『欧州ゲイ・サロン二〇〇四』レポート
2 フランスには四〇〇万人近くの同性愛者がいる
3 『欧州ゲイ・サロン 二〇〇五』レポート
第11章 あれこれ雑記『フランス同性愛』
1 パリのゲイ・プライド(la Marche des Fierts)
2 ペニスを模したおもしろHIV啓蒙カード
3 日本のゲイ術は人気
4 田亀源五郎の天才的な作品
5 サルコジ内相側近が同性カップルの親権・養子縁組を支持
6 マッカーシズムで「同性愛」は国賊扱いされた
7 あるレズビアンとの対話
8 映画『愛についてのキンゼイ・レポート』で描かれるレズビアン
9 ボカシとモザイクとエロ
10 パリのゲイ・タウン、マレ地区
第2部 フランスの政治家にインタビュー
パトリック=ブローシュ国民議会議員&パリ市議(社会党) パクス(PACS)法をつくった超ゲイ・フレンドリーな政治家
1 ミッテラン政権、ジョスパン内閣での前進
2 パクスはこうして誕生した
3 同性婚、同性カップルの親権・養子縁組、女性カップルの人工授精に賛成する理由
4 「ホモ嫌い」、ベーグル市での同性婚、ヴァネスト議員の放言、HIV感染拡大
5 与党・国民運動連合(UMP)は同性愛者に貢献しているか
6 同性愛者がスケープゴートにされないか
アレクサンドル=カレル・『同性愛と社会主義』代表 社会主義は同性愛者の人権を守る
1 『同性愛と社会主義』
2 シラク大統領は同性愛者を裏切った。
3 社会党が同性愛者の権利向上に貢献した
4 同性カップルの養子縁組に賛成する理由
5 地方では同性愛差別が根強い
6 映画『ブロークバック・マウンテン』
7 社会主義と同性愛は水と油だと思ってきた
ヤン=ヴェーリングフランス緑の党・全国書記(党首) 緑の党は超ゲイ・フレンドリーな政党
1 直線的経済から循環型経済へ
2 郊外暴動・原発・遺伝子組み換え作物
3 緑の党がゲイ・パレードに参加する理由
4 同性愛について国民運動連合と社会党を採点する
5 緑の党が与党になったら提案するゲイ政策
リチャード=サンチェス・フランス共産党『自由・民主・反差別委員会』責任者 人類解放のために同性愛者の権利が守られるべきだ
1 同性愛者は許し難い差別の犠牲者だ
2 共産党がゲイ・パレードに参加する理由
3 共産党は同性婚・同性カップルの養子縁組に賛成する
4 HIV拡大には予防の原則が必要
5 フランス国民運動連合・社会党・緑の党を採点する
6 映画『ぼくを葬る』はすばらしい
ステファン=ダセ・『ゲイ・リブ』代表 保守の立場から同性愛者の権利を守る
1 ゲイ・リブは国民運動連合(UMP)と友好関係にある
2 国民運動連合は大きな進歩を実現させた
3 保守の立場から同性カップルの養子縁組・同性婚に賛成する
4 社会党はゲイを被害者化している
5 保守政治家が同性愛者から嫌われる理由
6 ゲイ・リブがゲイ・パレードをボイコットした理由
7 幸せなゲイの話があってもいい
クリストフ=ジラール・パリ市助役 パリ市長のブレーンは日本通の同性愛者
1 自分自身に嘘をつきたくないから、カミング・アウトした
2 赤毛のダニー、ベーグル市の同性婚、嫌がらせの手紙
3 ホモ嫌い、パリ市長のカミング・アウト、ゲイ・プライド
4 「結婚しない権利」を持ちたい、だから同性婚に賛成する
5 緑の党は最もゲイ・フレンドリーな政党だ
ブルノー=ゴルニッシュ欧州議会議員&『国民戦線』全国代理 極右ナンバー2が喝!「ゲイ・パレードは認められない」
1 極右ナンバー2が語るイラク戦争・アメリカ
2 「イラク内での自爆攻撃はレジスタンスだ」
3 「ゲイ・パレードは認められない」
インタビューを終えて
あとがき
—————————————–
 どうです、読み応えありそうでしょ?
 私についても、ちょっと書いてくださったそうで、いやいや、ありがたい限りであります。
 及川さん御自身はノンケですけど、こういった事柄について硬派な立場たら真摯に取り組んでおられる方なので、ぜひ応援よろしくお願いします。
及川さんのBlogの関連ページ
オンライン書店bk1の予約受け付けページ

『ヘラクレス・サムソン・ユリシーズ』

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『ヘラクレス・サムソン・ユリシーズ』(1963)ピエトロ・フランチーシ
“Ercole sfida Sansone” (1963) Pietro Francisci

 ピエトロ・フランチーシ(前はフランシスキと表記しましたが、allcinema ONLINEの表記に合わせました)監督による、『ヘラクレス』『ヘラクレスの逆襲』(スティーヴ・リーヴス主演)に続く、三本目のヘラクレス映画、イタリア盤DVD。英題 “Hercules, Samson & Ulysses”。
 ヘラクレス役は、リーヴスからカーク・モリスにバトンタッチ。

 ヘラクレスは、弟分のユリシーズや部下を引き連れて、漁船を襲う海獣退治に出かけるが、嵐にあって遭難してしまう。難破した船が流れ着いたのは、イスラエルのガザ。そこに住むヘブライ人たちは、暴君の圧政に苦しんでおり、勇者サムソンがそれに抵抗して闘っていた。
 ヘラクレス一行は、故郷へ帰る船を入手するために村を離れるが、その途中でライオンに襲われてしまう。ヘラクレスがライオンを倒して事なきをえるが、それを見た地元民の一人が、ヘラクレスをサムソンと勘違いしてしまい、一行の身柄を暴君に引き渡してしまう。一方、ヘラクレスたちが村を出てから後、暴君の使者がサムソンを探すために村にやってくる。そして、村人たちがサムソンを匿っていたことを知り、皆殺しにして火を放つ。
 暴君の王宮に連れて行かれたヘラクレスは、彼がサムソンであるという誤解は解けるものの、美姫デリラの入れ知恵によって、ユリシーズたち仲間を人質にとられ、サムソンを捕らえるよう強要される……ってな内容の、ギリシャ神話 meets 旧約聖書なオハナシです。

 まず冒頭から、漁船を襲う海獣が、アザラシ(トドかな?)の頭のアップとアシカが泳ぐロングをカットバックしただけで、しかも決して漁船と同時にフレームインしないっつー、あまりの絵面の安さに「ど、どーしちゃったの、フランチーシ監督!?」と、思いっきり映画の先行きが不安になります。
 引き続き、ギリシャの王宮やヘラクレスの邸宅のシーンになると、今度はまあそこそこスケール感も豪華さもあるので、ちょっと一安心しますが、しかしかつての『ヘラクレス』『ヘラクレスの逆襲』のような、デリシャス・ゴージャスでリッチな味わいには程遠い。
 キャストのランクが全体的に下がっているように、予算の関係もあるんでしょうが、もう一つ、今回の撮影はマリオ・バーヴァじゃないということも、かなり痛手となっている感じ。旧作と似た絵面が多いせいもあって、どうも全体的に旧作の縮小再生産といった感じが免れられない。特に、『ヘラクレス』や『ヘラクレスの逆襲』でも出てきた「例の泉」(かたやアマゾンの、かたやオンファーレの宮殿にあった、ちょっとした段差で小さな滝のようになっている「あの泉」です)のほとりのシーンなんて、「う〜ん、同じ監督でも、役者と撮影の差で、こんなにも違うものか……」と思ってしまったくらい、およそ魅力のないシーンになってしまっている。それにしてもこの泉、ソード&サンダル映画では本当にしょっちゅう出てきて、もう何回見せられたことか……(笑)。

 演出自体のテンポやテイストは、テキパキと進む話、クラシカルで時に優雅さすら感じられる雰囲気、程良いノンビリ加減を醸し出すユーモア描写など、以前のフランチーシ作品とあまり変わりません。ただ、そういったテイストが「既に時代に合わなくなってしまっている」ようなギクシャク感があり、例えて言うと、ヒッチコックの『トパーズ』や『引き裂かれたカーテン』のように、どこか居心地の悪さを感じさせるのも正直なところ。
 特に、村人たちが虐殺されるシーンの、掌を土壁に釘付けにすると鮮血が滴るカットや、逃げまどう子供達を弓矢で射殺すカットといった、過去のフランチーシ作品ではおよそ見られなかった残酷趣味は、かなりビックリしてしまいました。またもや “The Pirates of the Seven Seas”『闘将スパルタカス』同様に、史劇からマカロニ・ウェスタンへという、時代の変化を感じさせます。
 とはいえ、それでも凡百の安手のソード&サンダル映画よりは、演出的にも絵作り的にもワンランク上の格は感じさせますし、物語的にも、ヘラクレスとサムソンを共演させるという、元がキワモノ的な発想なわりにはさほど珍妙でもなく、娯楽作として上手く仕上がっています。
 そもそも『ヘラクレス』のラストの神殿崩しのイメージは、おそらくサムソン伝説が元になっているんでしょうし、二人に共通するライオン退治をモノガタリの鍵にもってくるとか、いちおう工夫もされている。ただ、今回もラストに神殿崩しがあるんですが、これが『ヘラクレス』のフルスケールとは違ってミニチュアで、しかも実写との合成もないもんだから、イマイチ盛り上がりに欠けるのが残念。
 ヘラクレスが異国に漂着するっつーと、マーク・フォレスト主演の南米のマヤだかインカだかに辿り着くっつーのもありましたが(因みに、マヤの王子役がジュリアーノ・ジェンマ)、あれなんかと比べればキワモノ臭は薄い方。「ヘラクレス vs ○○」パターンで比較しても、レジ・パークの「ヘラクレス vs 狼男」の映画なんかよりゃ、内容は百倍はマトモだし(笑)。
 話自体は、お約束のテンコモリではありますが、ツボを押さえた話運びとテンポのいい展開で、フツーに楽しく見られるし、観賞後の後味も極めてハッピー。

 で、この「ヘラクレス vs サムソン」というのは、「ドラキュラ vs フランケンシュタインで恐怖も二倍!」なユニバーサル・ホラー映画や、「母が二人で涙も二倍!」の三益愛子映画みたいなノリなわけで、「マッチョ二人で筋肉量倍増!」なところが見せ所なんですが、これに関してはグッド・ジョブ!
 デリラと組んだヘラクレスは、自らを囮にしてサムソンを捕らえにいき、メソポタミア風の遺跡で両雄対決するんですが、このシーン、かな〜り楽しいです(笑)。
 まず、ヘラクレスは、デリラに捕らえられたヘブライ人の捕虜に変装してるんですが、そこにサムソンが現れると、歌舞伎の早変わりよろしく、片手でさっと服を引き抜いて半裸になる。
 で、二人のボディービルダーの取っ組み合いが始まるんですが、なんせ神話的な怪力同志ですから、柱にぶつかっちゃあ柱が倒れ、石壁にぶつかっちゃあ石壁が崩れ……といった具合に、闘うにつれて遺跡がどんどん崩壊していく。鉄棒で闘っていたのに、いつの間にか二人とも鉄棒をUの字に曲げて、相手の身体を挟み合っているシーンなんか、ほとんどギャグだし、もうなんかね、ノリはすっかり『サンダ対ガイラ』で、史劇でも何でもなく、怪獣映画を見ている味わいなのだ(笑)。
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 そして、お約束通りに、二人の英雄は闘いを通じて和解、仲間になるんですが、それを見てデリラ嬢が「ヤバい!」と逃げ出すと、まずサムソンが投げ縄で馬を倒し、落馬したデリラ嬢がスタコラ逃げるところを、今度はヘラクレスが投げ縄でキャッチ。で、サムソンと二人で縄をエンヤコラと引いて、捕まえたデリラ嬢をたぐり寄せる(笑)。
 この後は、もうだいたいお判りですね。二人仲良く、力を合わせて悪人退治です。ここいらへんのノリは『ヘラクレス』でも『ヘラクレスの逆襲』でも見られなかったので、なかなか新鮮。
 ヘラクレス役のカーク・モリスは、マチステ映画には良く出ていた人ですが、今回はフルフェイスのおヒゲさん。髭面のカーク・モリスって、私はこれで初めて見たので、ひょっとしたら貴重かも(笑)。ただ、この人は基本的にベビーフェイス、カワイ子ちゃん系の青年顔なので、正直あんまりヒゲが似合っていない。でも、他のマチステもののソード&サンダル映画で見るときよりは、何となく落ち着きや風格が増している感じはあり、けっこう頑張って演じているなぁ、という気はします。
 対するサムソン役のリチャード・ロイドは、私は全く馴染みがない人で、IMDBのフィルモグラフィを見ても、三本のソード&サンダル映画を含めて、出演作は七本しかありませんでした。顔は、ミンモ・パルマーラやシルベスタ・スタローン系のイタリア顔で、私は正直いって苦手な部類ですが、筋量はけっこうあります。ただ、筋肉自慢なのは判るんだけど、必要のないシーンで、さりげに胸筋をピクピク動かしてみせたりするのが、何ともウザい(笑)。
 デリラ役のリアナ・オルフェイは、スティーヴ・リーヴスの “The Avenger” とか、ゴードン・ミッチェルの “The Giant of Metropolis” などのソード&サンダル映画でお見かけした顔ではありますが、いかんせんデリラというには美貌も貫禄もオーラも不足。そうそう、珍しいところでは「映画はおそろしい DVD BOX」に入っていた『生血を吸う女』にも出てましたね。
 DVDはPAL、非スクィーズのビスタ、レターボックス収録。音声はイタリア語のみ、字幕なし。特典なし、チャプターあり。画質は良好。
 ま、フランチーシ監督なんで、残念ながら責め場とかは皆無ですが、こんな感じで、二人のボディビルダーの筋肉美は、タップリ堪能できます。
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【追記】アメリカ盤DVD-R出ました。画質良好。
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“Il Gladiatore di Roma”

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“Il Gladiatore di Roma” (1962) Mario Costa

 ゴードン・スコット主演のソード&サンダル映画DVD、イタリア盤。英題”Gladiator of Rome”。
 イタリア語での鑑賞だったので、物語の細部は判りませんが、どうやらカラカラ帝時代のローマで、とある裕福な一族が、濡れ衣を着せられるか難癖を付けられるかして、家人は殺され、使用人は奴隷に売り払われてしまう。で、軍役か何かで家を離れていて助かった息子と、彼と愛し合っている使用人の娘、その娘を守る力持ちの使用人という三人を軸に、仇敵を倒して家を再興する……ってな話みたいです。

 ゴードン・スコットは怪力の使用人の役。いちおう主役にクレジットされていて出番も多く、奴隷にされて連行されている途中に、溺れている貴族を助けたために、後になって幸いに繋がるといった、まんま『ベン・ハー』みたいなエピソードやら、宿場の娘とのラブ・ストーリーとか、脱走に失敗して殺されかけたところを、剣闘士にスカウトされるとかいった、ドラマティックなエピソードも用意されています。
 ただ、いかんせん役回りが、「無実の罪で陥れられた者の復讐譚」の中で、「陥れられた者その人」ではなく「それを助ける助力者」という、モノガタリの中心軸から外れた存在なので、どうも映画全体の焦点も定まらない印象。
 それと並行して、助かった息子の帰還とか、捕らえられた恋人の救出劇なんかが描かれるんですが、これまたどうも印象が薄い。ひょっとすると、セリフをしっかり理解しながら見れば、また違う印象になるのかも知れませんが。
 あと、ゴードン・スコットは剣闘士にはなるものの、描かれるのは訓練所の光景ばかりで、剣闘士としてアレーナで闘うシーンがまったくない(とゆーか、そもそもアレーナ自体が一回も出てこない)のも、何だか肩すかしをくらった感じ。

 という感じで、映画そのものの出来は、ちょいとイマイチ感が拭いきれないんですが、ゴードン・スコットを愛でるという点のみにおいては、実はけっこういい感じです。
 まず、ありがたいことにヒゲ付きなんですな、スコット君。加えて、ローマものにしては珍しく、徹頭徹尾腰布一枚の上半身裸。服を着ているシーンが一度もないので、肉体美(まあ、スコット君だから、バルクはそれほどないんですが、ナチュラル・マッチョって感じで、個人的にはけっこう好きな体つきです)は最初から最後までタップリ拝めます。元ターザン役者の、本領発揮ってトコでしょうか。……違うか(笑)。
 それとね、責め場が二カ所あって、これがどちらも悪くない。
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 まず、最初に脱走に失敗して、一緒に捕まった主人の恋人共々、石壁に鎖で磔に。このシーン、鞭で引っぱたかれるのは娘だけっつーのは、私としてはかなり物足りなくはあるんですが、両手両脚喉元を太鎖で拘束されて、腋窩も露わな大の字の磔姿そのものがセクシーだってことと、二股になった焼き鏝で目を潰されそうになるってのが、かな〜り嗜虐心をそそられます。私、スコット君の顔が好きなもんですから、こーゆー姿でそーゆー演技をしているのを見るだけで、けっこう満足度大。
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 もう一カ所は、また脱走に失敗して、今度は主人の恋人と宿屋の娘まで一緒に、三人そろって石切場で磔にされて、火あぶりにされそうになるところ。スコット君だけ、セント・アンドリュース・クロス(X字刑架)に後ろ手縛りという、変則的なスタイルなんですが、後ろ手拘束は私の好物でもありますし、今回もまた首元にジャラジャラ巻き付いた鎖が、残酷味があってヨロシイ。まあここは、積んだ薪に火を点けられそうになるってくらいで、責めらしい責めはないんですが、でもまあそれなりに身を捩ったり、悶えたりして目を楽しませてくれます。
 そんなこんなで、「ヒゲの生えたゴードン・スコット好き」な方だったら、けっこうそこだけでも楽しめると思います。
 DVDはPAL、非スクィーズのシネスコ、レターボックス収録。音声はイタリア語のみ、字幕なし。特典等もなく、チャプターがあるだけ。画質は、ちょっとボケた感じはありますが、目に付く傷や退色などはなく、暗部のツブレや明部のトビも気にならず、おおむね良好。
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 アメリカ盤DVDは、前に紹介した “Warriors 50 Movie Pack” に収録されていますが、そっちの方は、トリミング版、フィルムはボケボケの傷だらけで、トビまくりツブレまくりのハイコン状態、色なんてほとんど残ってやしないっつー、とっても悲惨な画質です。マニアだったら、やっぱりこっちのイタリア盤を押さえておきたいところ。

モデリングの練習とか

 ふと思い立って、モデリングの練習を兼ねて、フィギュアの頭を作ってみることにしました。
 六角大王を立ち上げて、対象モードでポリゴンをペタペタ貼っていきます。
 イメージしたのは文楽人形。文楽の人形の首(かしら)って、個人的には何となくセクシーに感じるもので。ただ、ベースはそれにしつつ、あちらこちらは自分の好みにアレンジしていきます。具体的には、顔全体のシルエットをゴツめに四角くしたり、顎を出し気味にしたり、耳の位置を変えたり。
 形が出来たら、ポリゴンを色分けして、とりあえず完成。
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 別アプリでレンダリングするとどうなるか、ちょっと見てみたくなったので、3DSで書き出してCarraraにインポート。ライティングしてレンダリングしたら、こんな感じに。
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 坊主頭のせいか昔の軍人さんのようで、なかなか凛々しげで気に入りました。これにガチムチのボディを付けてあげたら、けっこうカッコよくなるかも。
 そう思い付いたら、ちょいと試してみたくなったので、再び六角大王を立ち上げます。
 さっき軍人っぽいと感じたので、その印象をベースに、越中褌(昔の軍人さんの下着は、越中と決まっていたのですよ)が似合いそうな、少しお腹周りに肉が付いた、恰幅のいい体型にすることにしました。とはいえ、私はデブ専ではないので、せいぜい堅太りくらいで。
 あと、あくまでも「人形っぽい」感じにしたいので、ディテールはあまり細かくせずに、デフォルメの雰囲気を頭と合わせて作っていきます。まあ、もっとも私には、リアルな人体をモデリングするほどのスキルもないんですが(笑)。
 トルソを作ったところで、再びCarraraにインポート。今回は色分けはせずに、素焼きや常滑焼きで作った塑像みたいにしてみました。
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 これはこれで、何だか面白い雰囲気になったような。
 こんな感じで全身仕上げて、ボーン仕込んでポーズとらせて、『夏祭浪花鑑』みたいな絵を作ったら面白そうだな……とか思いつつ、そこに至る作業の面倒くささを思って、とりあえずはここで中断。
 という感じで、トレーニングを兼ねたお遊びのようなモデリングでしたが、こういうのを作っていると、改めて自分の中の人形愛、ピグマリオニズム的な嗜好を感じますね。

FLASHとかアニメーションとか

 FLASHてのは、私にとって「興味はあるんだけど触りそびれている」アプリケーションだったんですが、ひょんなことから「体験版は30日間無制限で使用可」だと知って、これ幸いとダウンロードして使ってみることにしました。
 アニメーション好きな人間の例に漏れず、私も趣味のアニメーションを作ってみたいな〜、なんて想いはありまして。で、動画を一枚一枚描くのは、技術的にも時間的にもハードルが高いけれど、切り絵みたいな手法ならば、比較的短期間で作れるかも知れない。
 また、ウェブ上で見られる各種のFLASHアニメーションには楽しませていただいているし、テレビでやっていた『アークェとガッチンポー』もけっこう好きだったし、そんなこんなでFLASHは、一度いじってみたいアプリケーションだったわけです。
 というわけで、何か一本作ってみたいと考えていたところ、ちょうどその頃、趣味で作った音楽で、自分で聞いていて「何だかコブタがキーキー騒いでるみたいだ」と思った曲があったんで、よし、これにコブタのアニメーションを付けてみようと思い付いた。
 で、出来上がったのがコレ。
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 上のブタさんをクリックすると、別ウィンドウが開いてアニメーションがスタートします。
 ま、内容はブタが走り回ったり飛んだりするだけですけど、画面構成のシンプルさとテンポの良さにはこだわったつもり。自分では、ちょっとオスカー・フィッシンガーの影響があるかもと思ってます(どこが!)。
 MTV風にしたかったので、曲との同期を優先しましたから、CPUのパワーによってはコマ落ちする部分もあるかも知れませんが、そこはご容赦を。因みに私の環境だと、1.42GHzのMac miniでは問題なかったんですが、350MHzのPower Macだと部分的にコマ落ちしちゃいました。
 因みに曲の方は、ハイテンションでミニマル・ミュージック風味のテクノです。

『闘将スパルタカス』

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『闘将スパルタカス』(1963)セルジオ・コルブッチ
“El Hijo De Espartaco” (1963) Sergio Corbucci

 スティーヴ・リーヴス主演のソード&サンダル映画、スペイン盤DVD。伊語原題 “Il Figlio di Spartacus”、英題 “The Slave” a.k.a. “Son of Spartacus”。

 リーヴス演じるローマ軍人ランダスは、隣国の提督のもとに間諜として派遣されるが、船旅の途中で海に落ちてしまう。何とか岸までは泳ぎついたものの、今度はそこで奴隷商人に出くわして、捕らわれて奴隷にされてしまう。ほどなくランダスは、奴隷仲間と共に脱出し、目的地であった提督の館に着くが、そこでは民人が虐げられていた。そしてランダスは、奴隷仲間の一人の導きによって、自分がスパルタカスの遺児であると知り、以来、黒い鎧兜で正体を隠した姿で、民衆のために戦う義賊となる……ってのが、大筋。
 この内容で『闘将スパルタカス』っつー邦題は、一種の詐欺ですな(笑)。

 全体のノリは、史劇やスペクタクルというよりは、西洋チャンバラ映画に近く、「弱きを助け強きを挫く」系の、痛快娯楽作。
 じっさい、正体を隠したランダスが立ち去った後には、壁に「S」の文字が残されている……といった、まんま「怪傑ゾロやん!」みたいなネタも(笑)。ただまあ、ローマ時代ということもあって、中世ものみたいな華麗な剣戟シーンとかはないですけど。
 有名人のご落胤ネタというのも定番ですが、同じソード&サンダル映画だと、マーク・ダモン主演の “Son of Cleopatra” なんかと同系統ですな。そういや、どっちもロケ地がエジプトで、ピラミッドやスフィンクスがデ〜ンと出てくるのも同じだ(笑)。
 監督は、前に紹介した『逆襲!大平原』と同じセルジオ・コルブッチ。画面にはスケール感があり、アクション・シーンのキレも良く、手堅くしっかり見せてくれます。
 音楽がピエロ・ピッチオーニ、仇役がジャック・セルナスってのも、『逆襲!大平原』と同じ。
 更に、またまたジョヴァンニ・チアンフリグリア君もチラッと出てくるんですが、今回の役どころはというと、港でオンナノコを鞭打っているところをリーヴスに止められる……って、これまた『逆襲!大平原』とおんなじなのが可笑しい(笑)。
 全体的には『逆襲!大平原』よりは軽いノリなので、大作感はない反面、娯楽アクション作品としての面白さはタップリ。ただ、惜しむらくはクライマックスが、まず仇敵の提督&ジャック・セルナスと対決して、その後は反逆者としてローマと対峙するという、二段構えになっているせいもあって、カタルシスが分散してしまった感はあり。
 ちょっと面白かったのは、悪役の倒し方が、悪人の集めた黄金を鍋に入れて、それを熱して溶かしたものを顔面に浴びせる……っていう、比較的エグめの方法だったこと。ソード&サンダル映画では、意外とこういう残酷趣味のようなものにはお目にかからないので、これまた “The Pirates of the Seven Seas” のときに書いたのと同じく、史劇映画からマカロニ・ウェスタン映画への過渡期を感じさせる要素でした。

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 今回のリーヴスは、ヒゲがないからちょっと寂しくはありますが、正体を隠した義賊スタイルの時は、なかなかカッコいいです。上半身裸の剣闘士スタイルで、顔は兜で見えないんですが、兜の色が黒いせいもあって、ブラック・レザーやメタルのような、ちょいとハード系のフェティッシュな魅力がある。
 DVDのジャケットになっているステキシーンですが、これは前半でリーヴスが奴隷商人に捕らわれたときの姿。でも、残念ながら映画本編では、上半身裸ではなくチュニック・スタイルなんだよな。首枷のまま鎖に繋がれて連行されたりはしてくれるんですが、肌は出し惜しみしていて、馬に引きずられて服が破けても、乳首も見えない程度の破れかたなので、物足りないのと同時に、なんか「……だまされた」感が(笑)。
 他には、後半で再度捕まって、木の檻に入れられるシーンとかもあります。ここは、檻の横木に両手も括り付けられるので、けっこうそそられはするんですが、太い木格子に邪魔されて身体が良く見えないのが残念。
 この前段でも、地下牢で追いつめられて捉えられるときは、前述した上半身裸の剣闘士スタイルなのに、牢屋に入れられた後は、なんでわざわざマントなんか着せるかなぁ(笑)。裸で鎖に繋いどきゃいいじゃん(笑)。
 あと、クライマックスで磔にされかけたりもしますが、残念ながら未遂。
 そんなこんなで、責め場はそこそこあるんだけど、そこで肉体美を出し惜しみしちゃってるあたりが、かえってすっげ〜残念で欲求不満が溜まります(笑)。
 リーヴス以外では、まず冒頭で奴隷の磔刑がありますが、それよりも中盤に出てくる、奴隷だか反逆者だかを十人くらい堀の中の柱に縛り付けて、そこに水を入れて水責めにするシーンの方が見応えあります。ここはけっこう悪くない。あと、宴席の真ん中に半透明のテントを設えて、そこに人を入れて煙でいぶし殺して余興にする……ってシーンもありますが、アイデアほどには見た目は面白くない。
 DVDはスペイン盤なのでPAL。ビスタ、非スクィーズのレターボックス。リージョン・コードは2。音声はスペイン語とイタリア語。字幕なし。
 画質は、ちょっと経年劣化による色調の変化が気になるし、いささかボケ気味ではあるものの、まあ佳良な部類。少なくとも米版VHSよりは遙かにきれい。ただ、ワイド画面のわりには、左右が切れている感じがするので、一度スタンダードにトリミングされたものを、更に上下を切ったという可能性あり。

【追記】アメリカ盤DVD-R出ました。画質良好。
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