軍人ヌード

 メールヌード、大好きです。
 軍人とかも、フェチアイテムです。
 とゆーわけで、現役軍人の集団ヌードとかいったら、もうヨダレじゅるじゅるのはずなんですが……。
 これはちょっと……(笑)。

“The Celtic Viol” Jordi Savall

The Celtic Viol “The Celtic Viol” Jordi Savall

 スペインの古楽系音楽家、ジョルディ・サヴァールが、古楽器ヴィオル(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ジャケ写のヤツ)でケルト音楽を演奏したもの。
 アンサンブルは、サヴァールのヴィオルと、アンドリュー・ローレンス=キングという人のアイリッシュ・ハープとプサルテリウム(やはり古楽器で、ハンマーダルシマーやサントゥール系の打弦楽器らしいです)のみという、シンプルなもの。
 アカデミックな人の演奏だけあって、素朴さは残しつつもフォークロリックな荒さはなくて、とても洗練されていて典雅な味わい。全体の感触は、やはり古楽のそれっぽい感じですが、そこにトラッド的な郷愁感が加味されていて、聴いていてかなりウットリ。
 トラッド好きには、お行儀の良さがいささか物足りなく感じられるかも知れませんが、古楽風のアプローチによるトラッドという意味でで、例えば、ジョン・レンボーンの”The Lady and the Unicorn”なんかがお好きな方は、ぜひお試しあれ。
 古楽やトラッド云々を抜きにしても、アコースティックで落ち着いたインストゥルメンタルとしても実に美麗で、しかも内省的な雰囲気もあるので、ECMとかが好きな方にもオススメ。
 カタルーニャの修道院で録音されたという、楽器の音色の良さも特筆もので、繊細な響きの美しさや、そのリアルさには、思わず息をのみます。

 因みに、同じ曲をベテランのトラッド/フォークバンド、The Dublinersが演ると、こんな感じになります。

The Best of the Original Dubliners The Best of the Original Dubliners
価格:¥ 1,437(税込)
発売日:2004-04-13

DVDのスリム化とか

 前にCDをソフトケースに入れ替えてスリム化する話を書きましたが、今回はそのDVD版。
 DVD用のソフトケースも何種類か市販されていますが、幾つか試した結果、私が現在使用しているのは、これ。

コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 1枚収容 20枚 黒 EDC-DME1-20D コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 1枚収容 20枚 黒 EDC-DME1-20D
価格:¥ 1,628(税込)
発売日:2008-09-01

 これに入れ替えると、どんな感じになるのかというと、例えばDVDが5枚あると、ケースの厚みがこれだけ減ります。
dvdsoft_height
 入れ替え方法は、ごく簡単。
 DVDからジャケットとディスクを取り出して、ペッタンコのソフトケースに入れ替えるだけ。以前は、ジャケットがちょっと入れにくかったんですけど、それも改良されて、現在販売されているバージョンでは、慣れればものの数十秒で移し替えられます。ケースの分解の手間がない分、CDより楽。
dvdsoft_single
 ディスクは、ケースに一体化した不織布のポケットに。
 左側は、チャプターシートなどを入れるポケット。
 ブックレットでも、極端に厚いものでもなければ、問題なく収納可能。写真のDVDは違いますけど、紀伊國屋書店のクリティカル・エディションの解説書が入るくらいだから、殆どのDVDだったらOKでしょう(笑)。
 二枚組用もあります。

コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 2枚収容 10枚 黒 EDC-DME2-10D コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 2枚収容 10枚 黒 EDC-DME2-10D
価格:¥ 1,344(税込)
発売日:2008-09-01

 構造は、こんな感じで、ディスク用ポケットがもう一つ増えます。
dvdsoft_double
 私の場合、現在はDVDのソフトケースは、このコクヨ MEDIA PASSシリーズに一本化しているので、買うときはお得な50枚パックにしています。

コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 1枚収容 50枚 黒 EDC-DME1-50D コクヨS&T CD/DVD用ソフトケース MEDIA PASS トールサイズ 1枚収容 50枚 黒 EDC-DME1-50D
価格:¥ 3,675(税込)
発売日:2008-09-01

 一枚当たりの単価が割安になるのはもちろん、CDのときと同様に空の外箱が、こんな感じに、収納ケースとしても使えるんですな。
dvdsoft_box
 これ、便利だから別売して欲しい(笑)。
 ケースがペラペラになると、嵩は減るんですが横積みにしておくわけにもいかないので、私はテキトーな空き箱とかに、まとめて立てて収納するようにしています。
 現在、よく使っているのが、この、100円ショップで売っている、カラーボックス用のDVD収納ケース。
dvdsoft_100case
 蓋が、申し訳程度のペラペラなものなのは残念だけど、高さがピッタリなのが好都合。

 さて、このMEDIA PASSには、ファイリング型もあります。

コクヨS&T CD/DVD用ファイル MEDIA PASS トールサイズ 黒 EDF-DME10D コクヨS&T CD/DVD用ファイル MEDIA PASS トールサイズ 黒 EDF-DME10D
価格:¥ 1,155(税込)
発売日:2008-09-01

 同様のソフトケースに耳がついたものを、リングバインダー式でファイリングしていく構造。
 商品写真だと判りませんが、書籍の外箱みたいな透明なケースも付いているので、ホコリよけは万全。ただ、リング部分があるせいで、ケースの奥行きは、DVDのトールケースよりもかなり増えてしまいます。
 いちおう10枚まで収納可能ということで、ファイルには始めから5枚のケースが付属しており、あとは別売のリフィルで買い足していくという形になるんですが、私が重宝しているのは、このファイル式にはCD用もあって、DVD用とCD用では、リングの穴の位置が一緒だということ。

コクヨS&T CD/DVD用ファイル MEDIA PASS リフィル 1枚収容 EDF-CMP1-5 コクヨS&T CD/DVD用ファイル MEDIA PASS リフィル 1枚収容 EDF-CMP1-5
価格:¥ 473(税込)
発売日:2008-09-01

 これがどう重宝かというと、昔買ったジュエルケースのDVDと、現在のトールケースのDVDを、同じファイルで収納できるんですな。
 こんな感じ。
dvdsoft_filedvdsoft_file2
 というわけで、こういった、ある程度まとまったシリーズもので、購入のタイミングによってケースの大きさがバラバラになっちゃっていたヤツを、まとめて一つのファイルで管理できるので、これはかなり有り難い。
 ファイル式だと、こんなのもあります。

ELECOM DVDファイル CCD-DVDF12BK ELECOM DVDファイル CCD-DVDF12BK
価格:¥ 780(税込)
発売日:2005-10-12

 私も使ったことがあり、これもなかなか佳良なんですが、ページ(ソフトケース)がファイル形式ではなく固定式なので、後から順番を入れ替えたりとか、他のファイルに移動したいとかいったときには、ちょいと融通がきかないのが難点でした。

スクリーントーンとかWordPressとか

 訳あって、久々にスクリーントーンなんぞを使いました。
 マンガの仕上げをデジタルに切り替えて以来なので、切ったり貼ったり削ったりするのは、およそ10年ぶりということになるんですが……ひ〜、こんな面倒くさいシロモノだったっけ、トーンって(笑)。
 まあ、もともと私はトーンテクがある方ではなかったし、マンガ制作作業の全行程の中でも、一番キライなのがトーン貼りってな感じだったんですが、10年もブランクがあると、もともと得意でもなかった技術が、更に衰えていてビックリです。このスピードのノロさでは、アシスタントも勤まりそうにない。
 って、正直アシスタントってやったことないんで、実際はどんなものなのか、良く知らないんですけど(笑)。

 さて、スクリーントーンというと、圧着するための道具も色々あって、専用のヘラとかもあるんですけど、私の経験上では、一番便利かつ効果的(キレイに圧着するための時間も手間もかからない)な道具は、Zippoのオイルライターのお尻です。これが、角に程よい丸みがあって、持ちやすく力も入れやすく、しかも幅広なので一度で押さえられる面積も広い。
 こんな感じで持って擦ります。
zippo
 アナログ仕上げでスモーカーの方は、ぜひ一度お試しあれ。いや、スモーカーじゃなくても、トーン使うひとだったら、そのためだけにZippoのオイルライター買ってもいいんじゃないか、ってなくらい、個人的には使いやすいと思っています(笑)。
 あ、ただし、使っていくうちに、ライターのお尻がハゲチョロケになります(笑)。

 それとは別件で、ここ数日、本家サイトのサーバにWordPressをインストールして、ちょこまかいじっております。
 Twitter全盛時代に、いまさらブログソフトをいじり始めるなんて、我ながら周回遅れの気がしなくもないんですが、ここんところ本家サイトの情報告知系のページ更新が、いちいちHTMLを手打ちして作らなきゃいけないのが面倒くさくて、ついつい放置気味だったもんで、そこだけ手軽に更新できるブログ式に切り替えたかったもので。
 ぶっちゃけ私は、PHPだのMySQLだのと言われても、何じゃソレってな感じでサッパリなんですが、ネット上のマニュアルと首っ引きでやってみると、けっこう何とかなるもんですな。データベース構築のところで、一瞬ちょっと躓いたくらいで、後はわりとあっさり出来ました。
 これだったら、前に新設したスケッチブログも、既成のブログサービスを借りるんじゃなくて、サイト内に自分で作っちゃえば良かったかも。
 一回インストールしてしまえば、テンプレートも豊富にあるし、日本語版もあるし(とはいえ、私が作りたかったのは英語表示ページだったので、日本語版だと、ブログ上の表示が自動的に日本語に翻訳されてしまうのを、英語表示に戻す方法がちょっと判らなかったので、試行錯誤の結果、現在は英語版を使っております)、あとは普通のブログサービスを利用するのと大差ないですな。
 これでフリーだとは、何ともありがたい限り。

デジコミ用、Photoshopで作るスポットライト風効果

 前回の記事の新作マンガ『スタンディング・オベーション』の背景には、下図のような画面効果が良く出てきます。
spot_00_sample
 スポットライトをクロスフィルタ越しに見たような効果で、以前『闘技場〜アリーナ』を描いたときに作ったものの流用なんですが、良い機会なので作り方のTips解説なんぞを。

 まず、新規ファイルを作成します。解像度200dpi、モードはグレースケールで、天地左右5センチ四方の正方形の画像を作ります。
spot_01_menu_newfile
 解像度が200dpiと低いのは、ライトの光の筋を適度な太さにするため。後述するフィルターで作る効果との兼ね合いで、あまり高解像度の画像で作ると、筋が細かくなりすぎるので、まずは低解像度で作成して、それを最後に解像度を上げる方法をとります。
 サイズは適当でいいですけど、必ず正方形にすること。
 上記の設定で作った新規ファイルが、これ。
spot_02_img_newfile
 ……って、わざわざキャプチャ画像を出すほどのもんじゃなかったか(笑)。

 新規レイヤーを作成して、その中心に黒で正円を描きます。
spot_03_layer_BR
 楕円選択ツールを、shiftを押しながらドラッグして、正円の選択範囲を作り、それを黒で塗りつぶすのが良いでしょう。円の大きさは、直径が正方形の一辺の1/4〜1/5くらいを目安に。

 黒の正円を、画面の中心に配置します。
spot_04_img_BR
 これは正確に中心に置かなければいけないので、いったん「command + A」で画面全体を選択してから、「レイヤー>レイヤーを選択範囲に整列>垂直方向中央」と、同「水平方向中央」を使うといいでしょう。

 黒丸のレイヤーをコピーします。
spot_05_layer_copyBR
 コピーしたレイヤーはいったん非表示にして、元のレイヤーを背景と結合します。
spot_06_layer_invisibleBR

 背景に「フィルタ<表現手法<風」をかけます。
spot_07_menu_WR1
 種類は「標準」、方向は「右から」。
 すると、こんな感じになります。
spot_08_img_WR1
「command + F」で、同じ設定のフィルタをもう一度かけます。
 すると、こんな感じになります。
spot_09_img_WR2
 同じ「風」フィルタを、今度は方向を「左から」にしてかけます。
spot_10_menu_WL1
 こうなります。
spot_11_img_WR1
「command + F」で、もう一度かけます。
spot_12_img_WR2

 次に「フィルタ>ぼかし>ぼかし(移動)」で、角度を0、距離を75ピクセルで、黒丸に移動ぼかしをかけます。
spot_13_menu_BLd
 距離はお好みで構いませんが、中心部があまり薄くならないように、黒が残る感じにします。
 こうなります。
spot_14_img_BLd

 ぼかした黒丸のある背景をコピーして、レイヤーにします。
spot_15_layer_copyBL1
 コピーしたレイヤーを、「編集>自由変形(command + T)」を使って、横に引き延ばします。
spot_16_menu_TR
 このとき、黒丸の中心がズレるとまずいので、必ず「option」キーを押しながら、変形の中心が画像の中心になるようにして、左右どちらかのハンドルをドラッグします。
 こうなります。
spot_17_img_TR
 この左右のボケ足の伸び具合が、そのままスポットライトの光軌の長さになります。

 このレイヤーをコピーして、合成モードを「乗算」にします。
spot_18_layer_copyBL2multi
 コピーしたレイヤーを、「編集>変形>90°回転」します。
spot_19_menu_R90
 時計回りでも、半時計回りでも、どちらでも可。
 すると、こんな感じの黒十字になります。
spot_20_img_R90

 最初に作って非表示にしておいた黒丸のコピーレイヤーを、表示状態にします。
spot_21_layer_BRvisible
 その黒丸レイヤーを、「自由変形」を使って、黒十字の交叉点からちょっとはみ出るくらいの大きさに拡大します。
spot_22_menu_TRBR
 このときも、拡大の中心がズレないように「option」と、正円のプロポーションが崩れないように「shift」を押しながら、コーナーハンドルをドラッグすること。
 こうなります。
spot_23_img_TRBR

 拡大した黒丸のエッジを、「フィルタ>ぼかし>ぼかし(ガウス)」を使ってぼかします。
spot_24_menu_BLBR
 ここでは半径9ピクセルでぼかしをかけてますが、数値はお好みで。このボケ具合で、スポットライト中心部のクッキリさが変わります。
 こうなります。
spot_25_img_BLBR
 これができたら、もう画像を統合してしまいましょう。

 統合したら、「イメージ>画像の回転>角度入力」で、45°回転させます。
spot_26_menu_R45
 これまた、時計回りでも反時計回りでも、どちらでも可。
 こうなります。
spot_27_img_R45
 切り抜きツールで不必要な余白を削除し、「command + I」でネガポジ反転させれば、出来上がり。
spot_28_img_nega

 この画像を、最終的に使用する解像度に変更(私の場合は600dpiか1200dpi)して使います。
 その際、「縦横比を固定」と「画像の再サンプル」にチェックが入っていて、手法が「バイキュービック法」になっているかどうか確認すること。

 では、実際の使い方も見てみましょう。
 グラデーションを付けた別画像の上に、スポットライトの画像を、自由変形を使いながら、好きな場所・好きな大きさで配置します。
spot_29_img_use
 スポットライトのレイヤーの合成モードを「スクリーン」にします。
spot_30_layer_use
 すると、こんな感じになるわけです。
spot_31_img_useresult
 もちろん、角度なんか付けてみてもOK。
spot_32_sample2

 ただし、光軌の角度が一つ一つバラバラだと不自然に見えます。こういった光軌は、クロスフィルタなどのレンズフィルタによって生じるものなので、一つのカメラから見える全てのライトの光軌は、全て同じ角度になっていることが原則なので。
 というわけで、角度を付ける場合は、最初のライトに角度を付けておき、それをコピーして使うのが良いと思います。

 以上、お粗末様でした。

ちょっと宣伝、イモ野郎責めマンガ描きました

standingovations
 本日発売の「バディ」3月号に、若手イモ系ガチムチ責めマンガ描きました。
 タイトルは『スタンディング・オベーション』。読み切りです。
 前に下描きをちびっとアップしたヤツなんですが、内容は、羞恥と苦痛がメインの、ストレートなSMモノ。
 サポーター、金的責め、肛虐、尿道責め、公開拷問……なんてキーワードにグッと来る方は、マストかも。
 しかしまあ、この作品には泣かされましたね。いや、内容がどうのとか作画がどうのとかじゃなくて、このマンガの締め切り直前に、例のマシン・トラブルがあったもんで(笑)。
 というわけで、よろしかったら是非お読みくださいませ。

Badi ( バディ ) 2010年 03月号 [雑誌] Badi ( バディ ) 2010年 03月号 [雑誌]
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2010-01-21

最近のBGM

 ここんところは、「民謡要素の入ったクラシック」を、良く聴いております。
 まずは、ロシアもの。

Glazunov: Complete Orchestral Works Vol 4 / Krimets, Moscow アレクサンドル・グラズノフ「交響詩 ステンカ・ラージン、他」
クリメッツ/モスクワ交響楽団

 グラズノフは「四季」しか聴いたことなかったので購入。
 お目当ての「ステンカ・ラージン」は、てっきり同題の民謡を元にしているのかと思っていたら、いざ聴いてみたらそうじゃなくて、同じロシア民謡でも「ヴォルガの舟歌」が元でした。
 で、あのメロディが重厚にオーケストラで鳴り響くと、もうカッコイイのなんのって! もう一つのメロウでロマンティックな主題との対比も良いし、幕切れの盛り上がりもスゴい。いやぁ、すっかり気に入っちゃった(笑)。
 同時収録曲も、「スラヴの祝日」は民族味タップリで実に好み。「祝典の行列」「マズルカ」の優美さ、「幻想曲 暗闇から光明へ」のドラマティックさ、「ロシアの主題による行進曲」の清々しさ、いずれもなかなか。
 次は、アメリカ。

Roy Harris: Symphony No. 3; Symphony No. 4 'Folk Song Symphony' ロイ・ハリス「交響曲第四番 民謡交響曲、他」
オールソップ/コロラド交響楽団

 初めて聴く作曲家。近代アメリカで「民謡交響曲」というタイトルに惹かれて購入。
 交響曲と銘打ちながら八部構成だったりするので、どちかっつーと組曲っぽい味わい。「駅馬車」や「ジョニーが凱旋する時」といった、耳に馴染みのあるアメリカ民謡による主題が、オーケストラとコーラスで展開していきます。
 良く聴くと、けっこう複雑なことをやっているんですが、元となる民謡の味わいである、素朴な美しさは良く活かしているのが好感度大。ただ、繊細なオーケストレーションは魅力的なんですが、いささか品が良すぎる感じはあり、アーロン・コープランドのテンションとか、ウィリアム・グラント・スティルの情熱とか、そういった押しの魅力には、ちと欠けるのが残念。何となく、どっちつかずという感じで、ちょい退屈してしまう部分もあり。
 同時収録の「交響曲第三番」は、やはりフォークロリックな要素はあるんですが、それよりも現代的な和声の美しさとかの方が印象的。ゆったりとした導入部から、目まぐるしいけど優美な展開に移行していく面白さなどもあって、個人的にはこっちの方が好み。
 最後に、アイルランド。

An Irish Rhapsody: The Music of Bax, Moeran, Stanford, Harty ハミルトン・ハーティ、チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード、アーノルド・バックス、アーネスト・ジョン・モーラン「アイリッシュ・ラプソディ」
トムソン、ハンドリー/アルスター管弦楽団

 前に「名曲アルバム」で、スタンフォードの「アイルランド狂詩曲」からの抜粋を聴き、印象に残っていたので、ちゃんと聴いてみようと探して見つけたCD。
 スタンフォード、バックス、ハーティ、モーランという、アイルランド人およびアイルランドに傾倒したイギリス人の、四人の作曲家(後者二名は、このCDを買うまでは知りませんでしたが)の作品から、アイルランド民謡などの要素が強い作品を幾つか収録(抜粋も含む)した企画盤……というか、シャンドス・レーベルのサンプラー盤というか。スタンフォード以外は、いずれも初体験の作曲家。
 でまあ、これが実にヨロシイ。一曲目のハーティ「ロンドンデリー・エア」から、早くも郷愁を刺激されて涙腺ウルウル。ハーティは他にも、「アイルランド交響曲」から第二楽章と第三楽章を収録。スタンフォードは「アイルランド狂詩曲四番」と「交響曲第三番 アイリッシュ」から第二楽章。バックスは「妖精の丘に」と「ロスカーサ」。モーランは「山国に」を、それぞれ収録。
 まあ、どれもこれも、いかにもアイルランド民謡的な、郷愁を誘う旋律や雄大な展開に加え、バックスの視覚的なオーケストレーションの巧みさ、スタンフォードのテンコモリのドラマティック感、ハーティやモーランの素朴な美しさ……などなど、お楽しみどころが目白押し。映画音楽好きの方、ぜひお試しあれ。
 これで1000円しないんだから、我ながら入門盤としてはベストなチョイスだったわい、とホクホクです(笑)。

つれづれ

 昨日『ケレル』のことをブログに書いたら、何だか無性に見たくなったので、久々に鑑賞。
 う〜ん、何回見ても、やっぱりヨーワカラン映画だ(笑)。
 ワカラナイのに、でもムチャクチャ好きだってのは、この映画以外にもいろいろあるけれど、これっていったい何なんだろう?
 因みに『ケレル』って、表層的なストーリー自体は、別に難解でも何でもない。何がどーしてどーなった的な類のことは、見ていて全く混乱しないし。でも、何故そうなったかということになると、ここでちょいとヤヤコシクなってきて、更にナレーションやテロップで劇中に挿入されるテキストが、混乱に拍車をかける。
 で、そのうち、常に画面を満たしている夕刻の光までもが、私の理解を阻む黄金色の靄のように感じられて、結局、その映像美とまどろむようなテンポに身を委ねながら、描き出される男性の肉体と暴力と殺人の魅力に、ぼーっと浸っていれば、それでいいのかなぁ……なんて気分になってしまう。
 そう考えると、自分はこの映画を、まるで「詩」を味わうように好きなのかも。
 で、見終わってから数時間以上経った今でも、頭の中で、映画に使われている「♪あ〜ああああ〜」っつー男声コーラスが回っております。
 好きな曲だけど、ここまで回るといいかげん鬱陶しいから、そろそろ消えて欲しいんだけどな(笑)。

 さて、暴力と殺人つながりで、最近それ系で、ちょっと面白いゲイ・エロティック・アーティストと、ファン・メールを貰ったのをきっかけに知り合いになったので、ご紹介します。
 Mavado Charonという、フランス人のアーティスト。
Mavado_Charon
 サイトはこちら
 日本で言ったら「ガロ」系みたいな、かなりアングラ臭のするドローイングを描くアーティストで、図版は彼から貰ったニュー・イヤー・カード。彼には申し訳ないんだけど、このブログにアップするには支障のある部分には修正を入れてあります。
 ただ、これでもこのカードの図版は、彼の作品の中ではぜんぜん大人しいほうで、メインの作風は、何というか、さながら『マッドマックス』の世界に服装倒錯を加味して、それがセクシュアルな悪夢になったような地獄絵図……なんだけど、それが同時にユートピアでもある世界を描く、といった感じでしょうか。
 というわけで、見る人を甚だしく選ぶ作風ではありますが、その作品は極めてパワフルなので、マッチする人にはタマラナイ魅力だと思います。かつてGrease Tankのサイトで見られたような、暴力と死と汚穢とセックスが結びついたタイプの作品に抵抗がない方でしたら、激オススメなのでお試しあれ。
 因みに、サイトにも載っている、Charon自身の創作に対するオピニオン、”Drawing is like wrestling : nobody gets really hurt…”ってのも、私自身のフィロソフィーとも合致していて、気に入っています。

ビッケとかケレルとか

 最近、『小さなバイキングビッケ』がドイツで実写映画化されて大入りだったという話を聞き、「へ〜、どんな感じだろ?」と思ってYouTubeで探してみたら、難なく予告編が見つかったんですけど、それ見てビックリ。
 ひゃ〜、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品の常連で、彼のボーイフレンドでもあった、ギュンター・カウフマンが出てるじゃないスか!
 いやぁ、『ケレル』の時のノノ役は、実にセクシーで良かったなぁ。ケレル役のブラッド・デイヴィスを、後ろからアナ○○ァックするシーンなんて、ヨダレのシズル感とか生々しくて、下手なゲイAVよりよっぽどエロかったっけ。
 というわけで、手元に、Schirmer Art Books刊の『ケレル』のフィルムブックがあるので、ちょいと該当シーンを3ページほどご紹介。
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 もひとつ、Edition Braus刊の『ケレル』の画集から、ノノを描いたドローイングを1ページ。画家は、ユルゲン・ドレーガー。
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 因みに『ケレル』ってのは、ジャン・ジュネの小説『ブレストの乱暴者』を、ドイツの映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが1982年に映画化したもので、ジュネはゲイ、ファスビンダーもゲイ、小説の内容もゲイということで、しかもファスビンダーはこれが遺作となったため、当時の日本のゲイ雑誌や映画雑誌で紹介はされていたものの、なかなか日本公開されなかったんですな。
 で、私や私の友人のゲイの間では「見たい、見たい、見たい!」という熱が高まり、かといって今みたいにネット経由で何でも手に入る時代じゃないし、でも、少しでもその香りを求めて、関連商品をいろいろと探し回っては買い求めたもんです。
 画像をアップした画集も、そんなときに買ったものの一つ。因みに、ハードカバー限定400部の画家の直筆サイン入りのバージョンで、私の持っているのはエディション・ナンバー374。この画集は、確か非限定のソフトカバーも出ていて、銀座の洋書店イエナで見た記憶があります。
 フィルムブックの方は、当時友だちが買ったものを見せてもらい、自分も欲しいな〜、とずっと思っていたところ、それからずっと後になって、映画も無事に見られてから、確か京都の洋書屋さんで見つけてゲットしたんだったと思います。
 他にも、アナログのサントラLPとか、ポストカードとか、色々買いましたっけ。

 肝心の映画の方はというと、なかなか日本公開されない間に、確かドイツ文化センターだったか大使館だったかで、ビデオ上映があるってんで、前述の友だちと一緒に大喜びで見に行ったのが最初でした。場所は、青山一丁目あたりだったような気がするんだけど、当時の私は、まだ東京の地理に疎かったもんで、ちょっと記憶に自信なし。
 で、この初鑑賞に関しては、念願かなって見られたのはいいけれど、そもそも難解な映画な上に字幕なしだったもんで、正直もうナニガナンダカてんで判らず(笑)。色彩美とホモエロスとアンニュイな雰囲気だけ味わった……ってなところでしょうか。
 それから後、無事に日本公開もされて、これは確か、新宿のシネマスクェア東急だったと思うけど、『ファスビンダーのケレル』という邦題で、ようやく日本語字幕付きで見ることができました。
 この、映画の存在を知ってから、実際に見られるまでの間が、何だかずいぶん開いていたような気がするんですけど、allcinemaで調べたら、たかだか3年しか開いていないんですな。ちょっとビックリ。この歳になって振り返ると、若い頃の二、三年って、今の五、六年くらいの感覚に感じられるのは、何故だろう?

 ソフトの方は、輸入VHSを買って、ネット時代になってからアメリカ盤DVDを取り寄せて、前にジャン・ジュネの『愛の唄』について書いたときには、まだ未発売だった日本盤DVDも、それから後に無事に発売されたので、もちろん購入しています。
 でも、いま確認したら、もう廃盤になってるのね……。

Dvd_querelle 『ケレル』(1982)ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
“Querelle” (1982) Rainer Werner Fassbinder

 原作本の方は、私が買ったときはハードカバーの単行本だけだったけど、今は文庫で出ているんですな。

ブレストの乱暴者 (河出文庫) ブレストの乱暴者 (河出文庫)
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2002-12

 そんなこんなで、この『ケレル』は個人的な大偏愛映画の一本だったんですが、う〜ん、まさか『小さなバイキングビッケ』で、この映画を思い出すとは、夢にも思わんかった(笑)。
 というわけで、その実写版『ビッケ』の予告編が、こちら。

 で、中盤ちょっと過ぎに出てくる、上半身裸で巨体のヒゲ男(重みで船が傾いちゃったりしてるヤツ)が、現在のギュンター・カウフマン。
 ……太っちゃって、まあ(笑)。

バローズとかハワードとか

 だいぶ前に聞いて以来、楽しみにしている、エドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」の映画化。
 監督がロバート・ロドリゲス、ケリー・コンラン、ジョン・ファヴローと二転三転したり、ようやくアンドリュー・スタントンに決まったけど、実写かアニメーションかが明かではないとか、でもメインのキャスティングが発表されてきたとかで、まだけっこう期待していいものやら、身構えておいた方がいいものやら、ちょっとヨーワカランのですが、そんなときに、YouTubeでショッキングな映像を発見。

 げ、あれだけ待たせておいて、このチープさかよ!? と、一瞬アタマがマッシロになりましたが、よく読んだら、B級バッタもんビデオ映画専門のアサイラム制作の別作品(原作は同じだけど)の予告編だった。
 まあ、そーゆーことだったら、これはこれで楽しみです(笑)。ホモ狙いみたいな短髪のジョン・カーターは、けっこう見られる身体してるし、デジャー・ソリスがトレイシー・ローズだってのも、役柄云々は置いといて、彼女自体は個人的に応援したい出自の女優さんだし。
 というわけで、バローズ云々は忘れて、いまどき珍しい新作ソード&サンダル meets Sci-fiもののB級作品として、今から見る気マンマンに(笑)。とりあえず、腰布マッチョもの好きとしては、日本盤DVDが出たら買っちゃいそう(笑)。
 しかし、これでもし本命の劇場版もショボかったら、泣くぞ。
 いっぽう、ロバート・E・ハワードの「ソロモン・ケイン」シリーズの映画版予告編も。

 このシリーズに関しては、邦訳がないのでよく知らないんですけど、予告編の出来は、さっきのアサイラム版火星よりずっとマトモなので、フツーに期待しちゃいますね。
 ただ、監督のマイケル・J・バセットって、『デス・フロント』はそこそこ面白くて好きだったけど、その次の『処刑島』はウンコみたいな出来だったから……そこいらへんが、ちと不安要素。
 ハワードというと、IMDbによると「コナン」の新作も、マーカス・ニスペル監督で進んでいるそうで、画面のムードとかいう点では、これはいいかも。
 正直私は、ジョン・ミリアス版のカラッとした空気感が、あんまりピンとこなかったんで。軽い娯楽に徹しているという点で、まだリチャード・フライシャー版の方が好き。
 ただ、ニスペルはニスペルで、ムードに流れすぎで演出がタルくなる傾向はあるんですが。
 ラルフ・モーラー主演のTV版は……論外(笑)。サブキャラの、口のきけないスキンでヒゲのマッチョなコはカワイかったけど(笑)。

【追記】どっちも日本盤DVD出ました。
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