つれづれ

dm_group_naomichi
 奥津直道さんから、グループ展のご案内をいただきました。

gender series vol.2『男が描く男・女が描く女』
2009.6.8(月)〜6.14(日)
12:00-19:00まで/最終日17:00まで
ジェンダーシリーズの第二回目として「人物」を取り上げてみた。同性が描く同性の像は、異性が捉えるものと微妙な温度差があるように思う。どこに魅力を感じ、どのような世界観を伝えたいのか八人の作品の中から見えてくるものを検証したい。/柴田悦子画廊
出品作家: 阿部清子/奥津直道/勝連義也/木村浩之/伴清一郎/平野俊一/佛淵静子/松谷千夏子
柴田悦子画廊
〒104-0061 東京都中央区銀座1-5-1第3太陽ビル2F
TEL & FAX:03-3563-1660
http://www.shibataetsuko.com/

 私が監修および出品している「伊藤文學コレクション/薔薇族周辺のゲイ・エロティックアート展」と、会期も重なっているし会場も近くなので、来週以降銀座にお出かけする方は、ぜひハシゴしてみてはいかがでしょう?

book_zangeroku
 ポット出版さんからご本をいただきました。

『懺悔録〜我は如何にしてマゾヒストとなりし乎』沼正三
戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の著者・沼正三、ついに逝く─
●沼正三がその死の直前までSM専門誌「S&Mスナイパー」(ワイレア出版、現在は休刊)に書き続けた実体験エッセイ、「ある異常者の体当たり随想録」から選集。
●未完の短編小説「化粧台の秘密」、2006年に受けた生前のインタビューを特別収録!!
出版社による本の紹介ページ

 現在締め切り明けホヤホヤなので、まだ序文とインタビューしか読んでいないんですが、なにはともあれ、この装丁がカッコイイなぁ。
 上の書影では判らないと思いますが、風合いのあるマットな黒の中に、バーコ印刷(だと思う)で入れてあるグロスの黒のワンポイント。カバーを外した本体も、黒の中に黒でデザインされていて、光の当たり方で文字や図柄が浮かびあがってくる。
 ステキ、ステキ。所有しているのが嬉しくなっちゃうタイプのご本でした。
 アマゾンでのお買い求めは、こちらから。

CD_MOROCCO
 音楽は、ここんところモロッコで買ってきたCDばっかり聴いています。
 どこの国の音楽でも、私は懐メロ系というか、古めの録音のものが大好物なので、今回の旅行でも「なんか古いのちょ〜だい!」と言って買ってきました(笑)。
 ただ、帰国してから検索してみたんですが、左上のNass El Ghiwane(ナス・エル・ギワン)以外の情報は、ほぼゼロだったので、詳しいことは何も判りません。
 まず、そのNas El Ghiwaneから。ガイドブックにも書いてありましたが、70年代にこのNass El Ghiwaneが、グナワなどのモロッコの民族音楽を発展させた大衆音楽を発表したことによって、モロッコにバンド・ブームのようなものが起こったそうです。「モロッコのビートルズ」とか「モロッコのローリングストーンズ」なんて異名もとっているとか。
 確かに、伝統音楽をルーツにしつつも、グルーヴィなポップさがあるような。聴きやすい反面、トランス感はあまりなし。
 右上のIzanzarenは、もっとルーツ寄りなのかな。一曲一曲が長いし、聴いていて何となく語り物みたいな感触がある。ゆったりとした長い前奏は叙情的にしっとり聴かせ、それからテンポがアップ。パーカッションと撥弦楽器のアルペジオのリフレインに乗せて、ソロや掛け合いやコーラスで、どこかノスタルジックな感じのするメロディーを聴かせてくれます。
 いやぁ、これは個人的に大当たり。いぶし銀といった感じの柔らかなオヤジ・ヴォーカルの魅力もあって、何とも癒される。ダウナー系のトランス感もあり。
 ちょっと面白かったのは、聴いていて「え? これ、インドかネパールの音楽じゃないの?」とか、「まるで沖縄民謡!」みたいな曲がありました。全体的に、アッパーなグルーヴ感はなし。
 左下のH. Mehdi b. Mubarekは、Izanzarenより更に激シブ。
 ヴォーカル自体は、Izanzarenより張りがあって、唱法も歌い上げる感じなんですが、無伴奏の独唱に、擦弦楽器や撥弦楽器や笛やコーラスによる短くてシンプルなメロディーが、合いの手みたいに入ってくるだけ……と思いきや、一瞬だけ金属質のパーカッションが乱入してきて、ぐわっとテンションが上がった……かと思ったら、次の瞬間にはもう退場、ふたたび渋〜い歌が……ってな塩梅。ダウナーなトランス感が、Izanzarenより更にアップ。
 あと、これまたちょっと面白かったのが、笛が入ってくる曲が、音の質感やメロディーのせいか、何だかバルカン音楽っぽい感じに聞こえました。
 右下のArchach(これがホントにグループ名なのかどうか自信なし)は、Nass El GhiwaneとIzanzarenの中間な感じなので、ひょっとして件のバンドブームで出てきた人たちなのかも。
 ユニゾンのコーラスと撥弦楽器とパーカッションのリフレインに、後半部分的にアドリブっぽいフレーズが絡んでくるとか、ソロの語り物みたいなルーツ寄りっぽいものもあれば、そこにドラムセットが加わってグルーヴ感がアップしている曲もあり。Nass El Ghiwaneよりポップ感はないけれど、まったりとした和み度はアップ。
 という感じで、けっこうどれも気に入って愛聴しています。
 モロッコ音楽って、実は今までハッサン・ハクムーンとかグナワ・ディフュージョンくらいしか聴いたことがなく、さほど「好き!」って感じでもなかったので、今回の旅行ではCDはちょびっとしか買わなかったんですが……しまったな〜、こんなに気に入るんだったら、もっといっぱい買ってくれば良かった(笑)。