最近試してみた画材とか

 最近、新たに試してみて、なかなか使い心地のよろしかった画材の話なんぞを。

hakubyo
 *呉竹(くれたけ)/スーパー清書用墨滴(ぼくてき)
 筆と水墨による白描用に購入。本当は開明墨汁を買いに行ったんだけど、近所の文具屋に置いてなくて、代わりにこれを買ってきました。呉竹だったら品質的にも信頼できると思って。
 小皿にとって、水で薄めて使用。紙は普通のコピー用紙。墨がおろしたてということもあるのか、とにかく伸びが良い。用紙の吸い込みとも相性が良いのか、実に気持ちよくスイスイ運筆できる感じ。まだ一枚描いただけだけど、これから愛用品になりそうな予感がします。
 作例は『外道の家・下巻』表紙イラストの一部分。これをパソコンに取り込んで、Painterで彩色しました。

rakugaki
*三菱鉛筆/uni COLOR(ユニカラー)カラー芯
 シャープペンシル用カラー芯。色は六色あるけれど、私は下絵のアタリ用に使ってみようと思ったので、水色系のミントブルーを購入。家にあった、ステッドラーの製図用シャープペンシルに入れて使ってみました。
 色鉛筆なのに消しゴムで消せる、が謳い文句。ワックスが配合されていないので、描き心地も色鉛筆っぽいツルツル感がないし、筆圧軽めでもしっかり色がのるので、使用感が極めて普通の鉛筆芯に近い。以前、別の色芯(消しゴムで消せないヤツ)を、マンガの下絵用にと思って使ってみたときは、どうにも描き心地が好きになれなくて、数回使っただけでお蔵入りしちゃってたんですけど、今度のは充分使えそう。ざっくり描きたいときは0.7mm、細かく描きたいときは0.5mmと、用途別の使い分けも可能。
 作例のラクガキの、アタリをとっている水色の線が、これを使っています。

*Too/マンガペン
 別の画材を買いに新宿のToolsに行ったとき見つけた、万年筆タイプのマンガ用ペン。ジャンル的には、タチカワの新ペン先なんかと同じタイプ。
 タチカワのものと比べると、インクの出やノビが良く、線は太目。極細と中字の二種類ありますが、極細は付けペンで例えるとカブラペンって感じ。描き心地は、とてもなめらか。素早く走らせると、ヌキもけっこうキレイに出来ます。ペン先のフォルムが、タチカワのものより厚みが薄く角度がシャープなのも、私には使いやすくて合っている感じ。もう一方の中字の方は、線が若干ボタッとした感じで、もうちょっとミリペンっぽい感じになります。
 作例のラクガキの主線は、ほぼこの極細一本で描いています。

*パイロット/HI-TEC-C(ハイテックC) 0.25mm
 ゲルインキ・ボールペン。このシリーズの0.3mmと0.4mmは、既にマンガで良く使っているんですけれど、0.25mmは使ったことがないので買ってみました。
 確かに、0.3mmより細めの線が引けます。でも、描き心地自体は変わらぬなめらかさ。最近、マンガの背景はほとんど0.3mmで描き、細かなタッチのみスクールペンや丸ペンで追加、ってなパターンだったんですが、この0.25mmなら、そーいった細かなタッチを入れるのにも使えそう。
 作例のラクガキでは、顔やボディーに入れたタッチ、枷に落ちた影の斜線、あと汗を描くのに使っています。

*パイロット/小筆軟筆 耐水性顔料インキ
 毛筆ではない、フェルトペンタイプの筆ペン。私は書き文字に使うくらいで、正直あんまり使っていないタイプの画材(ってか文房具か)なんですが……。
 使ってみてビックリ。この手のタイプの筆ペンとしては、驚くほどキレイにヌキができる。筆先が柔軟でインクの出も良く、トメやハライもバッチリ。線の太さも筆圧で自由自在。顔料性なので黒の濃さも充分。ここまでイケてるとは、パイロット小筆軟筆恐るべし。
 作例のラクガキでは、髪とヒゲ全てと、あと首枷もこれで描いています。木目のあたりがいい感じ。

 まあ、こういうのは相性もあるので、私にとって使いやすいものが、イコール他の方にとってもそうだとは限りませんが、機会があったら一度お試しになる価値はあるかと。
 そういう意味で、オススメいろいろでした。

気になる新作映画予告編

 個人的に気になっている新作映画の予告編を、いくつか貼っ付けてみます。
“1612”

 17世紀のロシアとポーランドの戦いを描いたロシア映画。どうやら、ロシア大動乱期の末期を飾る、モスクワ解放を描いたものらしいです。
 ご贔屓のポーランド人男優、ミハウ・ジェブロフスキーが出演しているんで見つけた映画なんですが、美術や衣装は美しいし、甲冑や戦闘はカッコイイし、スケール感や迫力も申し分なし。オマケに責め場もあるっぽい? う〜、見たい〜!
 日本ではまず公開されないだろうし、バジェットも掛かっていそうなのでビデオスルーも難しそうではありますが、検索したらアメリカの配給会社と契約云々というニュースが出てきたので、そのうち米盤DVDが出ないかと期待しております。ロシア盤DVDは見つけたんだけど、残念ながら字幕なしだった…。
“Taras Bulba”

 ゴーゴリの『隊長ブーリバ』の、ロシア版新作テレビ映画らしいです。
 1962年制作のユル・ブリンナーが出ていたハリウッド版が面白かったので、このロシア版も是非見てみたい。上記の”1612″と比べると、美術やスケール感など全般的に見劣りはしますけど、それでもやっぱり、コサック騎兵の大群が疾走しているのを見ると、そのカッコよさには血が騒ぎます。ハリウッド版でも一番興奮したシーンは、馬で駆けるユル・ブリンナーの元に、騎馬軍団が続々終結してくるところでした。
 テレビ映画なら、ひょっとしたらビデオスルーで出てくれるかなぁ…。
“The Fall”

 ジェニファー・ロペス主演の『ザ・セル』を撮った、ターセム監督の新作。
 ヴィジュアル・インパクトだけが勝負みたいな映画だった『ザ・セル』同様、この新作も、予告編だけでも目の御馳走、美麗画像テンコモリ。普通の日常的なシーンの演出は、決して上手いとは思えない監督だけど、特殊なシーンの美しさは、それだけでもオツリがくる満足感なので、今回もやっぱり期待しちゃいます。予告編に使われている、ベートーベンの七番も好きだし。
 これは、前の二つに比べると、公開の可能性あり?
“In the Name of the King: A Dungeon Siege Tale”

 ファンタジー映画で、出演がジェイソン・ステイサム、レイ・リオッタ、ロン・パールマン…ってのを見たときは、「おおっ!?」とコーフンしたんですけど、監督がウーヴェ・ボルだと知って…ガックリ(笑)。
 ま、内容には期待しないで、レンタル屋さんに並ぶのを待つことにします(笑)。

仏版単行本”GUNJI”と”ARENA”、タコシェさんに入荷

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 中野タコシェさんに、フランスH&O社から発売された私の仏語版マンガ単行本、"GUNJI"と"ARENA"が入荷しました。タコシェさんのショップブログで、「コンプリートを目指したい源五郎マニアのために、フランスで出版された、短編集2タイトルを入れてみました」とコメントがあるように、コレクターズ・アイテムって感じでしょうか(笑)。
 因みに、"GUNJI"には「軍次シリーズ(全編)」「ずっと好きだと言えなくて」「マゾ」「TRAP(全編)」、"ARENA"には「闘技場〜アリーナ(全編)」「Hairly Oracle」「非國民」「メス豚の天国」「天守に棲む鬼」「大江山綺譚」の、それぞれフランス語訳バージョンが収録されています。「闘技場〜アリーナ」の前半部分を除いては、手書きの擬音も全て画像から除去して、フランス語に差し替えた完全版。(何で「闘技場〜アリーナ」の前半だけ、日本語の書き文字が残っているかというと、マンガの仕上げをデジタル化したての頃は、擬音を別レイヤーにしていなかったので、それを外すと絵まで白く抜けちゃうからなんです)
 というわけで、コレクターズ・アイテムという感じではありますが、入手が難しい本ではあるので、欲しいという方がいらしゃいましたら、この機会にぜひお求めくださいませ。
 あ、フランス語を勉強なさっている方とかにも、エロっちいセリフはフランス語で何て言うかとか、そっち系のサブテキストとしてオススメですよ(笑)。

『エド・ウッドの牢獄の罠』

Jailbait
『エド・ウッドの牢獄の罠』(1954)エドワード・D・ウッド・Jr(エド・ウッド)
“Jail Bait” (1954) Edward D. Wood Jr. (a.k.a. Ed Wood)
 スティーヴ・リーヴス出演作の日本盤DVDがついに出た〜ッ! ……と思ったら、よりによって “Jail Bait” かよ……(泣)。orz
 ま、これはいちおうリーヴスがテレビや舞台でキャリアを積んだ後、スクリーン・デビューをしてから二作目で、セリフもあれば演技もしてるんですが、正直なところ「スティーヴ・リーヴスのファンの私」にとっては、リーヴスのフィルモグラフィーの中では、もっとも「どーでもいい映画」なんだよなぁ、コレ(笑)。
 でも、「トラッシュ映画好きの私」としては、お楽しみどころがいろいろとありました(笑)。
 映画の序盤は、良くできた親に反発する気弱なダメ息子が、悪い仲間の誘いと、拳銃の魔力で道を踏み外して、ついには人を殺してしまい……という、ある種の社会派(?)的な要素もある犯罪映画風味なんですが、そこはまあ、最低映画監督として名高い、あのエド・ウッドの撮った映画ですから、そうそう一筋縄ではいきません。詳しい内容はネタバレになっちゃうので書きませんが、途中から誰が主人公か判らなくなっちゃうし、ジャンルも、クライム・サスペンスなんだか、ミステリーなんだか、ホラーなんだか判らなくなってくる。
 まあ、エド・ウッドの作品の中では、特に話題にされない作品なので、破綻具合とか破壊力は控えめですけど、それでもやっぱり、マジメに考えると空しくなるような破綻しまくりのストーリーとか、オツムが足りないとしか思えない行動をとる登場人物たちとか、伏線かと思いきや何の意味もないエピソードだったとか、「ありえね〜!」と叫びたくなるような展開とかは、見ていて思わず目が点になっちゃいます(笑)。
 ほとんどのシーンが、俳優がセットに棒立ちになって喋っているだけなのも、カーチェイスとか銃撃とか、たま〜に動きのあるシーンが入っても、全てがユッルユルなのも、全編を通して流れる、シーンに全く合っていない、ギターのトレモロによるミョ〜にうら寂しい音楽と相まって、まったりダウナー気分を醸し出してくれます(笑)。
 そう思って見れば、全体の雰囲気とか、ものすご〜く良く言えば、デヴィッド・リンチみたいな感じのような気もしてくるし、基本のアイデアも、手塚治虫の短編とかにありそうだし……って、やっぱ違うか(笑)。
 で、スティーヴ・リーヴスは、犯人を追う刑事の役。……とはいえ、この映画の場合、誰が何の犯人なんだよって感じですし、更に言えば警察も、おめーら捜査らしい捜査もしてねーだろって感じなんですけどね(笑)。
 とりあえずファンとしては、背広姿で現代劇の演技が見られるってだけで、貴重といえば貴重。何せ彼の18本の出演映画のうち、現代劇はこれと “Athena” だけで、あとはぜ〜んぶコスプレものだから。
 ただ見所も、その「貴重だ」ってことだけで、他はな〜んもなし(笑)。現代劇を演っても、決して下手ではないことが判りますが、かといって、これといった見せ場があるわけでもなし。まあ、上半身裸を見せるサービスカットが、あることはありますが、これもほんの一瞬だしなぁ。
 とゆーわけで、トラッシュ映画好きならともかく、単にリーヴス目当ての場合は……う〜ん、マニアかコレクターでもない限り、やっぱりオススメはしかねるなぁ(笑)。
 まあ私の場合、米盤DVDを注文するほどのもんでもね〜かな〜、と、スルーしてたヤツだったし、トラッシュ系はトラッシュ系で好きなので、国内盤が980円という安価で出たのは嬉しい限り。ホクホクと喜んで購入いたしました。
 あと、こういうPDものとかの廉価DVDって、安価な反面、画質の当たり外れが激しいくて、例えば去年出た、やはり往年のマッスル男優ミッキー・ハージティ主演の拷問映画『美人モデル 惨殺の古城 (The Bloody Pit of Horror)』なんかは、Something Weird Videoから出ている米盤DVDと比べると、かなり残念な画質だったけど、それに比べるとこの『牢獄の罠』は、そこそこ佳良と言える画質だったので、ホッとしました(笑)。
『エド・ウッドの牢獄の罠』(amazon.co.jp)

書籍『世界のサブカルチャー』

Subculture_2 アート、写真、FLASHアニメーション、リトルプレス、ショップ、ギャラリー……などなど、洋の東西を問わぬ様々なアンダーグラウンド・カルチャーが、330ページ以上に渡ってフルカラーで紹介されているカタログ本です。監修・屋根裏、著・屋根裏/どどいつ文庫 伊藤/ばるぼら/タコシェ/野中モモ/タブロイド/福井康人/みち、発行・株式会社翔泳社、定価・3200円+税。
 私なんかは、やはり画家とかに一番興味を惹かれるわけですが、このテのものは好きだし、さほど疎い方でもないとは思っていた私でも、見たことも聴いたこともないユニークなアーティストがどっちゃり載ってます。掲載図版が小さいのは残念だけど、サイトを持っている作家に関してはアドレスが記載されているので、ガイドブック的に楽しく使えそう。また、掲載されている作品のタイトルや制作年、使用マテリアルなどが、巻末リストとしてしっかり記載されていたり、人物名などの充実したインデックスを備えていたりするあたりも、極めて良心的だし嬉しい作り。
 で、まあ私もその一員として紹介していただいているんですが、ゲイ・アート関係では他にも、日本では児雷也画伯や稲垣征次先生、海外では、私が知っているところで、アメリカのアイラ・C・スミス、マイケル・カーワン、ロブ・クラーク、フランスのザビエル・ジクウェルなんかが取り上げられています。他にもスペインとか、珍しいところではペルーやインドのゲイ・アーティストなんてのも。
 そんなこんなで、なかなか面白い混沌とした本なので、よろしかったらどうぞ。
世界のサブカルチャー (amazon.co.jp)

ちょっと宣伝、読み切りマンガ(青年系)描きました

Gigolo 2月21日発売の「バディ」4月号に、読み切りマンガ(16ページ)描きました。タイトルは「ジゴロ」。
 内容は凌辱系……かな? 基本は、媚薬でブッ飛んでアヘ顔、みたいのを描きたかったんですが、それプラス、ガットパンチングとかチョーキングとかいった、ちょっとだけマニアックなネタも仕込んであります。
 ああ、あとローライズのボトムを描きたかったってのもあるんですけど、これは描きなれていないせいもあって、バランスをとるのがちょっと難しかった。……とはいえ、これは5ページ目で、もう脱がされちゃいますけどね(笑)。
 そんなこんなで、よろしかったらお読みくださいませ。
バディ4月号 (amazon.co.jp)
 さて、来月号のバディさんのマンガは、一回お休みさせていただきます。そのかわり、来月末には『外道の家』の下巻が発売されますので、そちらの方をどうぞよろしく。

『ペルセポリス』

『ペルセポリス』(2007)マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー
“Persepolis” (2007) Marjane Satrapi, Vincent Paronnaud

 フランス在住のイラン人女性が描いた自伝マンガを、自らが監督してアニメーション映画にした作品。
 いや、お見事!
 ユーモアを交えたモノガタリの語り口の面白さ、映像表現としての美しさや力強さ、作品の持つ普遍性や社会的な意義、と、三拍子揃った充実した見応えの作品でした。

 モノガタリの内容は、少女から成人した女性に至る一人の人間のいわば個人史なのだが、それを語る視点が、情緒に偏ることなく客観的なものなので、個人を通じて世界のドラマを見るという、多層性を持ったものとなっている。結果としてこの映画は、子供たちの世界を見るというジュブナイル的な楽しみ方もできるし、或いは、ガール・ポップ的なキャラクター・アニメーションや、女性映画や、時代背景や政治状況を知るといった具合に、様々な視点での鑑賞が可能になっている。
 表現面も素晴らしく、例えばメインのスタイルは、いささか素っ気なくぶっきらぼうなデザインのキャラクター(因みに一緒に見た熊は「LUMINEのルミ姉みたい」と言っていたし、私はちょっと「ナニワ金融道みたい」だと思った)が、フラットな画面の中で動き回り、悲喜こもごものドラマをユーモア混じりに演じるという、いわば「ちびまる子ちゃん」的なものなの。何の変哲もないカートゥーン的なスタイルだが、モノガタリの持つ重さや暗さを緩和する効果があるし、これによってリアリズム的なエモーションが抑制されていることよって、前述したような、情緒に偏らない客観的な視点といった印象にも繋がっている。
 また、この基本スタイルを軸に、語られるエピソードに併せて、様々なスタイルが自在に使われるのだが、そのどれもが見応えがある。例えば、昔語りが始まると、それに併せてフォーク・アートがそのまま動き出したかのようなスタイルに代わり、或いはシルエットを大胆に使って社会不安や戦争を表出したり、ギャグ的なメタモルフォーゼが出てきたり……といった具合に、各々が表現したいものに対して、最も効果的な見せ方、演出がなされるのだ。しかも、そのどれもが美しい。実写ではない、アニメーションという媒体ならではの醍醐味が、ふんだんに味わえる。
 そんなこんなで、ものすごく見応えがあり、観賞後は満足感でおなか一杯。

 以下、ちょっと個人的にあれこれ面白かった要素。

 時代背景について。
 自分はこれまで、イランにおけるイスラム革命というのは、国王の専政政治に対してイスラム保守派が起こしたものだとばかり思っていたんだけれど、そんな単純なものではなかったんですね。
 パーレビ(パフラヴィー)王朝自体が、二十世紀に入ってから軍事クーデターによって生まれたものであったことや、パーレビ時代に弾圧されていたコミュニストたちが、反政府勢力として革命に関わりつつも、革命後のイスラム体制下で、再び投獄・処刑されていたことなど、この映画で初めて知りました。
 勉強になりました。

 ゴジラについて。
 みんなが映画館でゴジラ映画を見るシーンがありましたが、私自身も1990年にイランを旅行したとき、イスファハンの映画館で『ゴジラ対ビオランテ』を上映していたのを思い出して、懐かしい気持ちになりました。泊まっていたムサッファルカーネ(イランの安宿)で同室だったイラン人たちが、私が日本人だと知ると、「ビオランテを見たか?」と聞いてきましたっけ(笑)。
 余談ですが、イランを旅する前から、かの地で『おしん』が人気だったとかいうのは聞いていたんですが、じっさいイスファハンのバザールで、ひらがなで「おしん」と書かれている真っ赤なバッグを見たときには、かなりビックリしました(笑)。あと、シラーズだったかケルマーンだったか、宿のフロントのオヤジが、夕方になるとテレビで見る『一休さん』のアニメを楽しみにしていたり、テヘランでズボンを買いに入ったブティックの名前が「TOKYO」だったり、イランにはいろいろ愉快な思い出があります(笑)。

 ジャスミンについて。
 自分がブラジャーをしていないことを残念に思ったのは、生まれて初めてです。う〜、真似してみたかったのに……(笑)。
 なんのことかって? それは映画を見てのお楽しみ(笑)。

 サントラについて。
 映画の主人公はロックやパンクに傾倒しているけれど、サウンドトラックの方はあまりそういった要素はなく、どちらかというと室内楽風味の瀟洒なアヴァン・ポップといった風情がメイン。親しみやすくてかわいいメロディーを、ユーモアを効かせた品のいいアレンジで楽しませてくれます。
 監督の言によると、ワールド・ミュージック風味は省いているとのことですが、私が聴くと、確かに伝統音楽的な要素はないものの、メロディーに懐メロ系のオリエント歌謡風情だったりして、けっこうエキゾ風味に感じられます。
「ペルセポリス」サントラ (amazon.co.jp)
 試聴ができる輸入盤のページにリンクを貼ってみました。
 私の一番のお気に入りは、オリエント歌謡 meets トイポップといった風情の21曲目”Teheran”。かわいくて優美な1曲目 “Persepolis theme”、フランス近代を思わせる3曲目” Tout ce qui est a vous m’appartient”なんかも、かなり好き。全体的に佳品揃いで、アヴァン・ポップ好きなら、サントラの枠を越えてもかなり楽しめる一枚です。
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ちょっと宣伝、読み切りマンガ(和服モノ)描きました

Chigo 発売中のコミック・アンソロ『肉体派 vol.8』(オークラ出版)に、20ページの読み切りマンガ描きました。タイトルは「稚児」です。
 アンソロのお題が「チカン」なので、内容も当然、痴漢モノ(笑)。今回は、ちょっと艶笑譚っぽい話を書いてみたかったのと、あと、ゴリラ顔のキャラと、和服の着衣エロを描きたかったので、そーゆー内容になっております。舞台は明治〜大正時代の東京、鬼畜度はゼロ、ラブいというよりはホノボノくらい、でもエロは多め(笑)。
 掲載誌の『肉体派』さんは、今号からちょっとリニューアルしていて、アンソロのお題が誌名より目立つようになりました。表紙も背表紙も、『チカン漢全攻略』(…と書いて「痴漢完全攻略」って読ませるらしい)という文字が一番目立ったレイアウトになってますので、店頭でお探しの際は、お見落としにご注意を。
amazon.co.jpで購入

ちょっと宣伝「外道の家」中巻、発売です

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 本日、マンガ単行本『外道の家』中巻が発売です。
 上巻と同様に、雑誌コードでの発売となりますので、流通に制限があります。上巻を書店で購入されたという方は、上手くするとまた同じ書店に入荷するかもしれませんが、ネット書店ではおそらく取り扱いは稀少でしょう。通販をお考えの方は、版元バディさんの、バディージェーピィ/ビージェイストアや、あとはRAINBOW SHOPPERSさんとか、BIG GYMさんとかいったゲイショップをご利用ください。ゲイショップに抵抗のある方は、サブカル系書店タコシェさんでも、おそらく近々取り扱っていただけると思います(注/タコシェさんでは、在庫切れになるとカタログから商品が消えてしまいますが、そんなときはまた日を改めて、後日再アクセスしてみてください)。
 さて、この中巻ですが、上巻から引き続いての横溝正史的な血縁ドロドロ劇(昼メロ風とも言います)が、更に怒濤の展開を見せます。出生の秘密とか、監禁とか、死とか、新たな命の誕生とか、もう、エピソードがテンコモリ(笑)。自分で描いておいてなんですが、けっこう「読み始めたら止まらない」系の話になっていると思うので、ぜひお手にとってお楽しみください。
 完結巻となる下巻は、3月末に発売予定。総ページ数772枚、戦後まもなくの田舎の旧家を舞台に、二十一年間に渡って繰り広げられる、異色の大河ドラマ・ゲイ・コミック、ぜひお付き合いください。

ちょっと宣伝、読み切りマンガ(青年系)描きました

Kugutsu 今月21日発売の「バディ」3月号に、読み切りマンガ16ページ描きました。タイトルは「傀儡廻」。「くぐつまわし」と読みます。
 どんな内容かというと、高校教師と生徒の話なんですが……ちょっと変な話です(笑)。編集さんにプロットを出すときに「『魔太郎がくる!!』と『南くんの恋人』を足して二で割ったみたいなヤツ」と説明したんですが……つまりまぁ、そーゆー内容(笑)。
 自分ではエロエロだ……と思ってるんですが、マニアックっちゃあマニアックなネタなので、ちょいと読者を選ぶタイプの作品かもしれません。私の持ってるフェティシズムの一つではあるんですが、今までに描くチャンスがなく、今回が初お披露目。よろしかったら、お読みくださいませ。
バディ3月号 (amazon.co.jp)
 さて、月末の31日には、単行本『外道の家』の中巻が、いよいよ発売なので、そちらの方もヨロシク。