10月11月発売の『銀の華【復刻版】』上中下巻、版元サイトで予約スタート

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『男女郎苦界草紙 銀の華【復刻版】』上中下巻(2012年10月3日11月上旬刊行予定)、版元のポット出版のサイトで先行予約受け付け開始しました。
 先着30名様まで著者直筆サイン入り(三巻セットでご購入でも、一巻のみのご購入でも「1名様」とカウント)。サイン本は定員に達したため終了しました。通常予約は引き続き受付中。

 詳細&ご予約は以下のページで。
ポット出版へ直接のご予約いただくと先着30名様まで田亀源五郎直筆サイン入り!!─『銀の華【復刻版】』上、中、下巻(著●田亀源五郎)の予約を開始しました
 版元直接通販は一般書店への配本より早く発送(予定)され、アマゾンのように在庫切れで待たされることもなく、全巻同時購入の方は特典小冊子も同時発送となりますので、早く&確実にという方にはオススメです。
【追記】
 先着サイン本は終了しましたが、全巻購入特典の小冊子を10月31日11月いっぱいまでにお申し込みいただいた方には、その小冊子にサインを入れてお届けいたします。
 詳細はこちら

「そもそも『銀の華』ってどんなマンガなの?」という方。
 スライドショー形式の内容見本を用意しました。こちら

【参考/旧版と復刻版の違い等について】
◎ページ構成
 基本的に、旧版と復刻版は同じように分冊されています。よって仮に「旧版の上中巻は持っているが下巻を買いそびれていたた」という場合、単純に《話の続きを読む》という点では、旧版中巻の続きがそのまま復刻版下巻となりますのでご安心ください。
◎内容の異同
 旧版収録の原稿は《カラー口絵》や《扉絵コレクション》を含めて、基本的に全て復刻版にも収録されています。
 例外的に、旧版のカバーを外した本体表紙に載っていた《アイデアスケッチ》は、復刻版本体には未収録となりますが、全三巻お買い上げの方への特典小冊子に、その他のスケッチ等と一緒に収録されます。
◎復刻版で増えるコンテンツ
 復刻版の本体裏表紙には、旧版には未収録のカラーイラストが載っています。上中下巻それぞれ1点ずつの、計3点。1点は雑誌に既発表のもの、もう1点は雑誌に既発表のものに加筆訂正を加えたもの、最後の1点は描きおろしの新作です。
 更に復刻版には、旧版のあとがきに加えて、復刻版用あとがきが追加収録されます。
◎修正方法の変更
 基本的にマンガ本文は、オリジナルが輪郭線のみ&白抜き処理なので、特に修正方法は変わっていません。
 ただし、本編の一部(銀次郎の悪夢のシーンなど)、および扉絵、カラー口絵などは、旧版の黒マジックによる全面ジグザグ処理から、ポット出版から既刊の拙マンガ単行本同様の、図像の一部のみを白棒で隠す処理へと変わっています。
◎全巻購入特典小冊子の中身
 上中下全巻購入いただいた方には、特典小冊子『銀の華/単行本未収録図画集』のプレゼントがあります。
 内容はアイデア・スケッチ、関連イラスト、休載広告などで、特に最初期のアイデア・スケッチは、雑誌でもウェブでも完全に未発表のものです。
◎全巻購入特典小冊子の入手法
 ポット出版から直接、全三巻同時ご購入いただいた方には、本と一緒に発送される予定です。
 町の書店やアマゾン等のネット書店でご購入いただいた方には、封入物を3枚揃えてポット出版に送ると、引き換えに小冊子が送られる予定です。詳しくはこちら

“Agneepath”

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“Agneepath” (2012) Karan Malhotra
(インド盤DVDで鑑賞、後にBlu-rayで再購入→amazon.com

 無実の罪で父親を殺された男の復讐を描いた、2012年公開のインド/ヒンディ映画。タイトルの意味は「炎の道」。
 主演はリティック・ローシャン。本国では今年の1月に公開され、オープニング記録を塗り替える大ヒットを飛ばしたそうな。
 1990年の同名映画(アミタブ・バッチャン主演)のリメイクだそうです。
 
 主人公・ヴィジャイ少年の父親はマンドワ島で教師をしており、未だ封建的なその地の人々の意識を近代的に変えようと試みていた。しかし古くからの藩主は、彼の人望を快く思っていない。そんな折り、藩主の息子で幼い頃から怪異な容貌でいじめられていたカンチャが島に帰ってくる。
 カンチャは製塩を営んでいる村人たちの土地を巻き上げてコカインの生産を始めようとするが、ヴィジャイの父親がそれを阻止する。結果、彼はカンチャによって少女強姦の濡れ衣を着せられ、村人たちにリンチされた挙げ句、カンチャの手でバンヤン樹に吊され、息子の目の前で殺される。
 ヴィジャイ少年は身重の母親と共に、島を逃れてムンバイへと行くが、臨月の母親がスラムの路上で倒れてしまう。しかし彼女はスラムの娼婦たちの手助けによって無事路上で出産、ヴィジャイには妹ができ、一家はそのまま、自分たちを助けてくれた娼婦のところに身を寄せる。
 そんな折り、ヴィジャイはムンバイ市中で父の敵カンチャの姿を目撃する。後をつけた彼は、コカインの売り込みにきたカンチャが、ムンバイの裏世界を支配し少女の人身売買を営むギャング、ラーラによって、手もなく追い返されてしまうのを目撃する。
 しばらく後、スラムの路上でラーラが裏切り者を処刑するという事件が起こる。ヴィジャイは目撃者として警察に呼ばれるが、集められた容疑者の中にラーラがいるにも関わらず「犯人はこの中にはいない」と嘘をつく。そしてその嘘に激昂した警察官と争いになり、その警官を射殺してしまう。
 こうしてヴィジャイ少年は、復讐のためにはまず力を手に入れることが必要だと、ラーラの元に身を寄せるが、母親はそんな息子を許さず、母子は絶縁関係となる。
 それから15年、青年になったヴィジャイは、今やラーラの右腕として、ムンバイの裏社会に大きな力を持つようになっていた。
 そんなヴィジャイに、彼の幼なじみで、妹が生まれる際に最初に助けてくれた少女でもあるカーリは想いを寄せている。しかし復讐に生きるヴィジャイは、彼女の気持ちを受け入れることができず、彼女もまた、仕方なくそんな状態を受け入れている。
 ヴィジャイと母親の関係は、未だ絶縁状態のままであり、15歳になった妹は兄の存在すら知らない。しかしヴィジャイは妹の誕生日が来るたびに、密かにプレゼントを贈っており、カーリ始めスラムの仲間たちも、そんなヴィジャイの想いを良く理解してくれている。
 一方で父の敵カンチャは、ムンバイの警察と裏で手を結び、密かにコカインの販売網を作りつつあり、ラーラの実の息子もコカイン中毒になっていた。それを知ったラーラは、息子に与える予定だったシマをヴィジャイに与える。息子はそれに反発するが、ラーラはヴィジャイは所詮捨て駒だと息子を諭す。
 そんな中ヴィジャイは、その状況を逆手にとり、カンチャに近づくルートを作るために、狂言の暗殺劇を仕組んでラーラと息子を罠にはめ、自分を完全に信用するように仕向ける。そして二人が罠にはまったところで、まず息子の方を、同じく罠にはめたカンチャの手下共々排除する。
 息子の悲報を聞いたラーラも倒れ、ムンバイの裏社会を手中に収めたヴィジャイは、マンドワ島に乗り込みカンチャと対峙する。しかしその最中、回復したラーラがヴィジャイの裏切りを知り、彼の妹を捕まえて売り飛ばそうとする。
 ヴィジャイは妹を救うために、急ぎムンバイに戻るのだが……といった内容。

 マッチョな孤高のヒーロー(リティック・ローシャン)のハードな復讐劇に、わだかまりによる肉親との分断という泣き要素、美しいヒロイン(プリヤンカ・チョープラー)との切ない恋模様、派手なアクション、そして歌と踊り……という、「これぞインド映画!」って感じの濃厚な一品。
 エピソードのディテールが不足気味など、作劇は昔ながらのインド映画らしい荒っぽいところがありますが、演出は今風の洗練された味わいで見所が盛り沢山。エモーション描写は、もうコテコテの濃ゆ〜いタイプですが、オーバー過ぎて笑っちゃうということもなく、そういった匙加減は上々。
 という感じで、インド映画的の伝統的な要素に背を向けるでなく、それらをしっかり押さえつつも、そこに今の感覚もプラスしたといった感じの、かなり見応えのある一本でした。
 そういった意味では、前に感想を書いた快作”Dabangg“と同じタイプですが、シリアス劇ということもあって、この”Agneepath”の方が伝統寄りで、そんなクドさもまた魅力的です。
 リティック・ローシャンは、マッチョさが更に増したという感じですが、アクション的な見せ場は意外と少なく、どちらかというと内面の煩悶描写に見せ場が多し。演技力の高さも手伝って、いわゆる超人的な強いヒーローではない生身の感じが良く出ていて、血と汗と涙にまみれた芝居も文句なしに熱い。またまたファンが増えそうな感じのカッコ良さです。
 敵役のサンジャイ・ダットが、また実に良く、子供の頃から「キモ〜い!」と虐められてきたというキャラなんですが、これが本当にキモくて憎々しい。ヒーローと悪役、この双方がしっかり立っている(しかもどっちも濃い!)のは、全体の成功の大きな一因では。
 この二人が対決するクライマックスは、ちょいと溜めすぎというか引っ張りすぎの感もあったんですが、そうやって引っ張っている間にリティックのシャツがビリビリ破れていき、逞しい上半身が剥き出しになる……なんて効果になっていたりもして、ちょい納得したり(笑)。
 ヒロインのプリヤンカ・チョープラーも、幸薄い系の役所なんですが、なにしろ美人だし、加えてそこかしこで、陽性でコケティッシュな魅力も振りまいているので、尚更その薄幸ぶりも引き立つといった塩梅で、これまた好配役。
 ラーラ役のリシ・カプールも、存在感といい演技といい文句なしの良さ。また、主人公の仲間でヒジュラ集団が出てくるんですが、これが安直なお笑い担当とかではなく、しっかり熱い見せ場に絡んできたりするのも、個人的に好印象。
 歌と踊りは、ロマンティック系はあまり印象に残らないんですが、後半にでてくるガネーシャ祭りと暗殺劇が交錯するそれは、これぞインド映画の醍醐味というか、インド映画でしか味わえないスペクタキュラーな見所となっており、ここだけでも一見の価値は充分以上にあり。

 そんなこんなで、とってもとっても「インド映画!」という感じで、インド映画的な良さはテンコ盛りで、かつ今風の作品らしく、極端な破綻や作りの乱暴さはない……といった出来なので、インド映画好きだったら文句なしに楽しめる一本だと思います。
「今」のインド映画を見たい方で、同時にこってり濃厚味が好きな方には、特にオススメしたい一本。
 予告編。

 とにかく圧倒される、ガネーシャ祭りのシークエンス。

“Euro Bear” 92号に作品掲載

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 ドイツを拠点にヨーロッパ全体で展開しているベア系ゲイ雑誌”Euro Bear”(ユーロ・ベアー)の92号に作品掲載されました。
 誌名にベアーと名は付いているものの、実際に届いた本を見ると、ベア系の条件である「デカい」というのがスルーされている印象で、ヒゲと体毛があれば体型はこだわらずといった感じ。登場するモデルのタイプなんかを見ていると、”Honcho”(まだあるのかしら)とか”Drummer”(これはもうなくなっちゃいました)に近い感じ。

 汎ヨーロッパ展開ということもあって、基本的にテキストはドイツ語と英語が併記。
 内容は、グラビア、ビデオ紹介、パーティ等のレポート、あとはコラム、アーティスト紹介、マンガ……といった感じ。
 マンガは、確かWebでフリー公開されていた(見覚えがあるので)ヘラクレスがオモチャにされるフルカラー・コミックスを、雑誌用にレイアウトを再編集したものっぽいです。やはりセリフ等が独文英文併記。

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 私の作品は、アーティスト・ピックアップみたいな感じで、簡単なバイオグラフィーと共に作品が数点、4ページ掲載されています。
 この話、元々はスペインのアーティスト、クリス・ロペスから「自分は以前の号に掲載されたのだが、同誌は引き続き掲載アーティストを捜しているので、君を紹介したいんだがどうだ」云々というというメールをくれたのがきっかけ。
 で、私が「OK、お願い」と返事して、あとは直接エディター氏とやりとり。
 因みにその課程で、この”Euro Bear”誌ともう一つ、発行元が同じBDSM系のフェティッシュ誌にも、やはり似たような感じで掲載が決まり、PDFチェックとかも済ませたんですが、そっちは既に出ているはずなのにも関わらず、催促しても見本誌を送って来ない……やれやれ。

 話を”Euro Bear”に戻すと、この号にはもう一人、フランスのアーティスト、ジム・ジム・ベアーの作品も掲載されています。この人ともFacebookではフレンドなんですけど、彼もやはりクリス・ロペスの紹介みたい。
 ネットやSNSのおかげで、こういった横のつながりが増えたのは楽しいです。

ちょっと宣伝、『エンドレス・ゲーム』第7話(後編)です

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 21日発売の雑誌「バディ」10月号に、『エンドレス・ゲーム』第7話(後編)が掲載です。
 先月お伝えしたように、今月も8ページ。
 そして残念なことに、来月は元の16ページに戻る予定だったんですが、編集部の都合でまた8ページということになってしまいました。
 16ページに戻るのは、再来月から。
 長編マンガを一ヶ月に8ページずつの月刊連載なんて、余程のイレギュラーな事態でもない限り、読者さんにとっては物足りないだろうと思うし、描く側としても極めて不本意ではあります。ぶっちゃけ16ページでも、月刊ペースで話を進めながら連載するには、一話あたりの枚数が足らないくらいなので。
 とはいえ、私の力では何ともしがたいことなので、何卒ご了承ください。

Badi (バディ) 2012年 10月号 [雑誌] Badi (バディ) 2012年 10月号 [雑誌]
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2012-08-21

お待たせしました、『銀の華』全3巻、10月11月上旬に復刊です

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 長らく絶版状態だった『男女郎苦界草紙 銀の華』の単行本が、10月11月上旬にポット出版さんから復刊されます。旧版と同じく上中下巻の全三巻。
 詳細情報はまた後日のアップとなりますが、とりあえず予告編を作りましたのでご覧ください。こちら
 今までに復刊のご要望も多かったのですが、何より私自身にとっても、当時の自分が全身全霊を傾けた、とても愛着のある長編であるだけに、長らくの絶版状態が悲しく、こうして復刊の運びになったのは嬉しい限りであります。
 基本的に内容は旧版と同じですが(旧版の口絵や扉絵コレクションも収録)、一部の修正が薄くなるのと(本編は元から白抜きなので基本的に殆ど変わりませんが、扉絵等の修正方法が現行のポット出版刊の単行本と同じスタイルに変わる予定)、全巻購入特典の小冊子プレゼントなども予定しております。
 その他、具体的な情報については、いましばらくお待ちください。

“The Lost Future (ロスト・フューチャー)”

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“The Lost Future” (2010) Mikael Salomon
(イギリス盤DVDで鑑賞→amazon.co.uk

 2010年製作の南ア/独/米テレビ映画。人類の文明が崩壊し穴居人に退行している未来世界で、若者たちの冒険を描くSci-fiアクション・アドベンチャー。
 重要なサブキャラでショーン・ビーン出演。

 毛皮を着て骨の武器を手に狩りをする人々の村に、感染するとモンスター化してしまう疫病が襲いかかる。村人たちは対処法を相談するが、既に人類は絶滅の危機に瀕していて他に逃げ場もなかった。
 やがて村は、モンスターの集団に襲われる。村長の息子で勇敢だが思慮の欠ける青年と、その恋人の美しい娘、そして行方不明の父親を持つ親の代から変人扱いされている青年の三人が、辛うじて襲撃から逃れ、残りの村人たちは洞窟内に立てこもる。
 逃れた三人は森の中で、双眼鏡を持った不思議な中年男に出会う。その中年男は疫病に侵されない体質で、それは《黄色い粉》の効き目だという。
 3人は彼の導きで《黄色い粉》を手に入れるために旅立つのだが、そうしている間にも洞窟に立てこもった村人たちと、そして彼ら自身の身体も、徐々に疫病に蝕まれていき……といった内容。

 なんかすっごく懐かしい感じのSFでした。
 ホント「……バローズ?」(もちろんウィリアムじゃなくてエドガー・ライスの方ね)って感じで、個人的にこ〜ゆ〜のは大好物。あと私は原始人萌え属性があるので、そこいらへんのツボにもヒット。
 映像的にも、そこそこ佳良。
 最初の森の中のシーンとかは、少し安っちいかなと思ったんですが、それ以降は絵面の安さで白けるということもなく、廃墟となった森の中の教会とか、後に出てくる廃墟となって林立する高層ビル街とか、なかなか頑張っていて、雰囲気もあっていい感じ。
 演出も手練れた感じで、ちょうどいい塩梅にあれこれイベントを挟みながらテンポ良く進んでいき、ダレたり白けたりさせずにコンパクトに纏めている職人芸系。ちょっとしたディテールを使って、成長ドラマとか嫉妬めいた反発などを描き、程よく膨らませているキャラ描写も佳良。
 ストーリー自体は、まあ実にクラシックな感じで特に新味はないんですが、手堅い演出やクリシェを活かしたキャラの立て方なんかのおかげで、そんなお約束展開のアレコレもまた楽し。
 あと、ショーン・ビーンの歯がすっげぇ汚いんですが(笑)、そういった具合に、ディテールへの気配りもちゃんとあるあたりも、きちんと作品を作ろうという姿勢を感じました。

 まぁ、《黄色い粉》のリアリティとかは、ちょっとアレな気もするんですが(笑)、細かいことを気にしなければ、クラシックな異世界冒険SFが好きな人なら、まずは手堅く楽しめる出来かと。別に飛び抜けて良いとか、特筆すべきものがあるわけではないんですけど、個人的には大好きです、こーゆーの。
 そのうち日本でも、DVDスルーで出そうな予感。

【追記】日本盤DVDめでたく発売。

ロスト・フューチャー [DVD] ロスト・フューチャー [DVD]
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:2013-01-09

『プリンセス・オブ・ペルシャ エステル記』

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『プリンセス・オブ・ペルシャ エステル記』(2006)マイケル・O・サイベル
“One Night with the King” (2006) Michael O. Sajbel
(日本盤DVDで鑑賞→amazon.co.jp

 2006年製作のアメリカ映画。タイトル通り旧約聖書のエステル記を題材に、そこにアレンジを加えて《ヒストリカル・ロマンス+宮中陰謀劇》に仕上げた、なかなか楽しめる娯楽エピック史劇。
 主人公のエステル役にティファニー・デュポン、お相手のクセルクセス1世役はルーク・ゴス。共演にジョン・リス=デイヴィス、ジョン・ノーブル、他にもオマー・シャリフや、ほとんどカメオみたいな感じですけどピーター・オトゥールまで出てきます。

 紀元前5世紀頃、ペルシャ王アハシュエロス(クセルクセス1世)は臣下の企みにより王妃を追放してしまう。そして領内から美しい娘を集め、その中から新しい妃を選ぶことになるが、その中にバビロン捕囚の後も同国内に留まっていたユダヤ人の娘ハダサがいた。
 叔父のアドバイスにより、名前をバビロニア風のエステルと改めたハダサは、アハシュエロス王と出会い互いに恋に落ちる。やがてエステルは晴れて王妃に選ばれるが、宮廷内では密かに王の地位を狙う重臣や、ユダヤ人に恨みを持ち根絶しようと企む者たちによる陰謀が渦巻いていた。
 また最初は愛し合い信頼し合っていた王とエステルも、ふとした行き違いからその仲が冷えてしまう。そんな中、ついにユダヤ人のジェノサイド計画が動き始め、エステルは自分の生死を賭けた重大な選択を迫られるのだが……といった内容。

 こういったDVDスルーの聖書モノ映画って、原典や教えに忠実であらんとするが故に、単なる絵解きでしかなかったり、テンポがチンタラしていて信者以外は門前払いみたいなものが少なくないんですが、これは色々アレンジを加えてドラマチックに仕上げてあり、けっこうハラハラドキドキ楽しめました。
 映像的には主にインド(ジョードプル)でロケをしていて、まあ「古代ペルシャ帝国なのに、なんか……ムガール調?」みたいな感じはあるんですが(笑)、実在する宮殿等を使った存在感やスケール感が、全体的にはプラスに働いている印象。反面、それ以外の拡がりを出すCGとかは、ちょっとショボいですが。
 ひょっとして衣装や美術に、ボリウッド映画のスタッフが入っているのか、そういったあたりにインド映画みたいなゴージャスさがあるのも佳良。物語のベースの一つにロマンス劇があるんですが、これまたインド映画的なオーセンティック&ロマンティックな雰囲気があって佳良。
 スペクタクル性としては、特に合戦シーンとかがあるわけではないですが、前述したようなゴージャス感やロマンティック感によって、《ハレ》系のスペクタクル味があるのも、個人的には嬉しいところ。こういった感覚って、わりと昨今のハリウッド系では見られないものなので。
 ストーリーとしては、陰謀渦巻くハラハラ系とヒロインの心情の寄り添うロマンティック系の並行進行。
 勢力分布が複雑だったり説明不足もあったりして、ちょっと判りにくい部分もあるんですが、各々のエピソードを上手くエモーショナルに見せてくれるので、見ていてけっこう盛り上がります。キャラが良く立っているのも佳良。

 まぁ、あんまり期待しすぎるとアレだとは思いますが、聖書史劇系の退屈さとは無縁ですし、あちこち楽しい見所もあるので、史劇好きやヒストリカル・ロマンス好きなら、充分楽しめるのではないかと。
 特に、ヒストリカル・ロマンス好きにはオススメしたい一本。
 予告編。

 挿入歌を使ったクリップ(MAD動画?)。映画の雰囲気は、こっちの方が掴みやすいかも(ただしロマンス劇としてはネタバレありなので注意)。

 ……ね? そこはかとなくインド映画っぽくない?(笑)

新単行本『筋肉奇譚』9月12日発売です

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 アマゾンにデータが出たので告知します。
 新単行本『筋肉奇譚』が、9月12日に発売になります。 オークスコミックスから予価1,200円で、成年コミック指定となります。
 内容は主に「肉体派」掲載の単行本未収録作品で、『鬼祓え』や『MISSING 〜ミッシング〜』、そして異色作『クレタの牝牛』や問題作(笑)『おでんぐつぐつ』など、2009〜2012年にかけて描いた短編、全8作を収録。
 この単行本の出版にあたっては、ちょっと紆余曲折があったんですが、最終的には従来のアクアコミックスではなく、成年コミック指定で出していただけることになり、結果、修正も大きなモザイクではなく、以前の「肉体派」と同様のレベルになる予定です。
 版形も『ウィルトゥース』や『髭と肉体』よりは一回り大きい、A5版(「肉体派」や『田舎医者/ポチ』などと同じサイズ)になります。ただその分、価格が少し高くなり、また部数も少ないので、店頭で見つけにくくなるかも知れません。
 というわけで、発売まで一ヶ月ちょいありますが、どうぞお楽しみに!

筋肉奇譚 (OKS COMIX) 筋肉奇譚 (OKS COMIX)
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2012-09-12

男性下着ブランドAndrew Christianのデザイナー氏から下着をいただきました

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 Andrew Christianというアメリカのセクシー男性下着ブランドがありまして、そこの商品PVがいつも凝っていて、しかもゲイビですかってなくらいにセクシーなので、気に入ったのがあるとちょくちょくツイッターでツイートしていたんですが、その話が同ブランドでデザイナーをしていらっしゃるGodaさんに、お友達経由で伝わり、御礼としてバディ編集部経由で、同社の下着をいくつも贈っていただきました!
 いやぁ、ツイッターでこういうことが起きたのは初めてで、とてもビックリ&嬉しく、まずこの場を借りて御礼を申し上げます。
 ググってみると、Andrew Christianの下着は、日本でもあちこち扱っているショップがあるようなので、セクシー下着好きの皆様、ぜひお買い求めくださいませ。
 普段使いのプレーンなものでも、クロッチ部分が立体縫製になっていて、股間のモッコリがとてもとても強調されたり、或いはグッと扇情的に、バックが丸出しになっていたり、ジョックストラップ(いわゆるケツ割れ)にちょっとオシャレな工夫があったり……と、勝負下着 or プレイ用としても、実にヨロシイかと。

 というわけで自慢かたがた、いただいた下着をご紹介。
 まず、お尻が丸出しになるやつ。
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 商品名が”Almost Naked (ほとんど裸)”というので、袋から出してバックを見たときに「……なるほど」とか思ったんですが、実際は、生地の肌触りがとても良く、ほとんど履いてないみたいな感じということらしいです。ケツ割れと比べるとストラップの食い込みがないとか、臀球のホールドがしっかりしていて心地よいとかいった感想も。

 そして、ブリーフ系と、ローライズ・ボクサーブリーフと、おしゃれケツ割れ。
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 フロント部分を見ると判るように、どれもクロッチ部分が立体縫製になっていて、じっさいに履いてみると、ホント嫌ってほど股間が目立ちます。
 ……なんて言うと「履いた写真をアップしろ!」とか言われるんですが、そんなことをしたら逆に営業妨害になりそうなので(笑)、ここは前述したセクシーPVの数々の中から幾つか貼りますので、それでご確認くださいませ。

LICK by Andrew Christian from Andrew Christian on Vimeo.

A “Brief” Love Affair by Andrew Christian from Andrew Christian on Vimeo.

Andrew Christian Booty Camp from Andrew Christian on Vimeo.

Pink Paradise Pool Party by Andrew Christian: REMIX from Andrew Christian on Vimeo.

 検索したら、アマゾンでも幾つかヒットしました。あんまり過激なのはなかったけど(笑)。

(アンドリュークリスチャン) ANDREW CHRISTIAN アンドリュークリスチャン オールモスト ネイキッド ヒップ ボクサーパンツ ALMOST NAKED HIP BOXER [並行輸入品] (アンドリュークリスチャン) ANDREW CHRISTIAN アンドリュークリスチャン オールモスト ネイキッド ヒップ ボクサーパンツ ALMOST NAKED HIP BOXER [並行輸入品]
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(アンドリュークリスチャン) ANDREW CHRISTIAN アンドリュークリスチャン ショック ジョック ブリーフパンツ SHOCK JOCK BRIEF [並行輸入品] (アンドリュークリスチャン) ANDREW CHRISTIAN アンドリュークリスチャン ショック ジョック ブリーフパンツ SHOCK JOCK BRIEF [並行輸入品]
価格:(税込)
発売日:

“Hamam (Steam: The Turkish Bath)”

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“Hamam” (1997) Ferzan Ozpetek
(アメリカ盤DVDで鑑賞→amazon.com

 1997年製作のイタリア/トルコ/スペイン映画。イタリアで活動するオープンリー・ゲイのトルコ人監督フェルザン・オズペテク(『向かいの窓』『あしたのパスタはアルデンテ』)の処女長編。英題”Steam: The Turkish Bath”。

 トルコのイスタンブールを訪れたイタリア人男性が、次第にその地に魅せられていき、そこに同性愛の要素も絡めて描いた内容。
 ローマ在住のフランチェスコは、今まで会ったこともない伯母が亡くなり、その遺産整理のために一人、伯母が長年暮らしていたイスタンブールへと赴く。
 そこで彼は、伯母がハマム(蒸し風呂、トルコの伝統的な公衆浴場)を買い取っていたことを知り、叔母と一緒に働いていたトルコ人一家に暖かく迎えられる。ハマムは既に長年使われておらず廃墟のようになっており、フランチェスコも始めはそれをさっさと処分してローマへ帰ろうと思っていたのだが、自分を家族のように歓待してくれる件の一家や、イスタンブールの空気、伯母が残した手紙などから、次第にその地に惹かれていく。
 やがてフランチェスコは、ハマムを買いたがっている人間が、その旧市街一帯を取り壊して、近代的な都市開発をしようとしていることを知り、売るのをやめて改修することにする。こうしてイスタンブール滞在が長引くにつれ、彼は件の一家の中でも、特にハンサムな息子メフメットと親交を深めていく。
 そんな中、フランチェスコの妻マルタが、ローマからイスタンブールにやってくる。彼女もまた、件のトルコ人一家に歓迎されるが、実はフランチェスコとの夫婦仲は既に冷え切っており、彼女は彼に離婚を切り出すつもりだった。
 しかしマルタは、この地での夫の変わり様に戸惑う。ローマにいた頃とは見違えるように生き生きとして、トルコの地にも溶け込んでいるような夫を見て、彼女は一人取り残されたような気持ちを味わう。
 そんなある晩、マルタがふと目覚めると、自分の隣で寝ていたはずの夫の姿がない。そして彼女は、改装を終えた夜のハマムで、裸になった夫とメフメットが、互いに愛撫しあっている姿を見てしまい……という話。

 ヨーロッパ文化におけるオリエンタリズム的な興味をキャッチとして使いつつ、イスタンブールという街とハマムという場所を寓意的に重ね合わせて、個々の人間の人生というドラマに落とし込んでいく構成は、なかなかお見事。
 前半をフランチェスコの、後半をマルタの視線で描くという切り替えも上手い。
 映像表現や人間描写の繊細さという点では、同監督が後年に撮った『向かいの窓』(2003)や『あしたのパスタはアルデンテ』(2010)などと比較すると、まだちょっと荒い感は否めません。特に心理面での掘り下げは、もうちょっと欲しかったところ。
 ストーリーもちょっと作りすぎの感があり、特にクライマックスが、何というかキャラクターにとって都合が良すぎるという気も正直。まぁ、表現自体が丁寧で繊細なので、鼻白むまではいかないんですが、でもちょっとギリギリかなぁ……というのが、個人的な印象。
 ただ、これがデビュー長編ということを踏まえれば、やはり充分に佳良です。
 映像もおそらく美しいっぽいんですが、DVDのマスターがあまり良い状態ではなく、あまり酔えなかったのが残念。
 伝統音楽にエレクトロニクスを絡めた、ちょっとエスノ・トランス〜アンビエント系の音楽(Trancendental)もなかなか魅力的で、サントラ盤を買いました。
 作家性という面では、主人公より前の世代の逸話や、異邦人、同性愛といった要素が、ストーリーに有機的に絡んでくるのが、前述した2作とも共通していて興味深いところ。監督の背景を考えると、パーソナルな要素が色濃く出ている感があります。

 そんな感じで、モチーフ的に興味のある方ならば、充分以上に見る価値のある佳品かと。

Steam (Hamam: The Turkish Bath) - Original Motion Picture Soundtrack Steam (Hamam: The Turkish Bath) – Original Motion Picture Soundtrack
価格:¥ 1,408(税込)
発売日:1999-01-19
向かいの窓 [DVD] 向かいの窓 [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2007-10-13
あしたのパスタはアルデンテ [DVD] あしたのパスタはアルデンテ [DVD]
価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2012-03-02