フランスはパリのギャラリー、ArtMenParisで現在開催中の企画展、”Super-Heros, Mutants and Monsters”に、ドローイングを数点(おそらく2点)出品しています。
詳しい出品作家の面子は良く判らないんですけど、フライヤーを見る限り、フランスやベルギーのBD、アメリカン・コミックス、日本のマンガ、コンテンポラリー・アートなどにおける、スーパーヒーローやミュータントやモンスターのドローイング展ということらしいです。私は、手持ちの旧作の中から、先方のリクエスト内容に合致するものを選びました。ターザンをイメージした責め絵と、モンスター・レイプの2点。
2日に行われたオープニング・パーティでは、ギャラリー・オーナーのコスプレ・パフォーマンスもあったみたいですけど……いったい何をしたのやら(笑)。
既にオープニングは終わってしまい、あとは予約制の閲覧になってしまいますけれど、興味と機会のある方は、ぜひどうぞ。
「ちょっと宣伝」カテゴリーアーカイブ
ちょっと宣伝、『人畜無骸』後編掲載です
昨日発売の「バディ」11月号に、人間家畜マンガ『人畜無骸』後編が掲載されています。これにて、無事終了。
左のサンプル画像、このコマだけ取り出すと、何だかファンタジー・バトル・マンガみたいですけど(笑)、中身はちゃんときっちりエロマンガです。マニアックだけど(笑)。
ずっと描きたかったネタなので、今回描いた全三話は、ほんの氷山の一角(笑)でしかないですけど、とりあえず開始当初から、ポイントは一部に絞って描こうと思っていたので、それは無事にクリアできたかな。残りの膨大なネタに関しては、またの機会をお楽しみに……ということで。
というわけでこの異色作、雑誌のバックナンバーが入手可能なうちに、ぜひ三話まとめてお読み下さい。
Badi (バディ) 2009年 11月号(amazon.co.jp)
ついでに。
この号の「バディ」、表紙上のコピーを見て、一瞬「橋幸夫?」とか思ってビックリしたんだけど、どうやら掲載インタビュー記事絡みで、本当はこっちのことだったみたい(笑)。
まぁよく考えると、幾らネタでも「バディ」に橋幸夫はないよなぁ(笑)。
何のことじゃいという方は、アマゾンで書影を拡大してご覧あれ。
『髭と肉体』カバー絵メイキング
新刊単行本『髭と肉体』のカバー絵のメイキングです。
とはいえ、メイキング用に途中経過画像を保存していたわけではないので、残っている素材やレイヤー統合前の画像を使った、簡単なプロセス解説程度ですけど。
まず最初に、編集さん(&営業さん)のラフチェック用に、スケッチを描きます。
水色の色鉛筆でアタリをとり、その上から鉛筆で形を描き起こします。
ブログ用に、トーンカーブで描線を強調して、アタリ線とフィニッシュ線の関係を見やすいようにしてみました。
ラフスケッチができたら、編集さんに見せて確認をとります。
今回は、あらかじめ表紙デザインのテンプレートをいただいていたので、スケッチと一緒に、アバウトなトリミング案も送りました。引きのA案と、寄りのB案の、二つを提案して、自分はB案の方が良いと思うが、いかがだろうかと付記。
結果、図柄は基本的にOK、トリミングはB案で決定。
ただ、営業サイドから、キャラクターをカメラ目線にしてくれというリクエストあったので、若い方のキャラの目線を、カメラに向けることで対処することにしました。
本番用の線画を描きます。
ラフスケッチを、そのまま下絵として使います。下絵をケント紙の下に敷き、ライトボックスで透かしながら、ペンとインクでドローイング。
基本的には、マンガと同じタイプの絵ですが、量感は彩色で出すので、陰影系のタッチは入れないことにしました。
ドクロのタトゥーは、輪郭線を使わないこともあり、Illustratorで作ることにしました。
下絵をIllustratorに読み込んで、ペン、ライン、ブレンドなどを使って、タトゥーの図柄を描いていきます。カラー・イラスト用ということもあり、マンガ本編で使ったデザインよりも、少々ディテールを増やしてあります。
判りやすいように、線を赤にして塗りをなしにしてありますが、実際に使ったファイルは、線をなしにして塗りを黒にしたものです。
タトゥーの図柄を、本番のペン画と位置を併せ、Photoshopに書き出してマスクとして保存します。
Painterで背景の壁を描きます。
描き方は簡単。まず、壁の基本色にグラデーションで明暗を付けた、複数の画像を用意しします。次に、本番画像のクローンソースに、そのグラデーション画像を指定して、カラーをクローンソースにしたスポンジツールで、テキトーにポポポポポンと塗っていけば、この画像の出来上がり。
次に、新規レイヤーを作って、壁のひび割れや剥落を描き込みます。それがこの画像。
次に、また新規レイヤーを作って、合成モードをフィルタか乗算にして、そこに寒色系で影を描きます。
背景はこれでオシマイ。
Photoshopで、パスを使って彩色用のマスクを作ります。
使ったパスとマスクの数は、ご覧の通り。
再びPainterに戻って、さっきの彩色用マスクを選択範囲として読み込みながら、フィギュアを彩色していきます。
彩色が一通り終わったら、残りの作業はPhotoshopで行います。
タトゥーを入れます。
肌のレイヤーを複製して、Illustratorで作ったタトゥーのマスクを選択範囲として呼び出し、選択範囲を反転させた後、タトゥー以外の肌を消去します。
そうして作ったタトゥーの肌のベースレイヤーに、レイヤー効果のベベルとエンボスを使って、うっすらと皮膚の盛り上がりを作ります。わざとらしくならないように、最終的に判るか判らないかくらいの、ギリギリのラインを狙います。
その上に乗算レイヤーを作り、同じタトゥーの選択範囲を使って、ノイズを加えたダークグレーでタトゥーの色を入れます。
全体を同じ濃さにしてしまうと、肌の立体感から浮いてしまうので、ライト部とシャドー部ではグレーの濃さを変えます。具体的には、肌レイヤーをグレースケールに変換したものを、マスクおよび選択範囲として使って、肌の明暗とタトゥーの明暗を揃えています。
フィギュアの下半分に、新たな乗算レイヤーを使って、シェードを入れます。
最後に、調整レイヤーを使って、全体の色調を整えます。
単行本のカバー用イラストなので、ちょっと派手めがいいかと思い、彩度とコントラストを高めにしてみました。
以上。
ちょっと宣伝、単行本『髭と肉体』発売です
明日9月12日、最新マンガ単行本『髭と肉体』が、オークラ出版さんから発売です。
今回は短編集。主にアンソロジー「肉体派」掲載作を中心に、「G-men」掲載作も一本収録。
因みに、オフィシャルの英題”FLESH + BEARD”は、1985年制作のオランダ映画”FLESH + BLOOD”(邦題『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』、監督はポール・ヴァーホーヴェン。……お願いだから、どっか日本盤DVDを出して!)のパロディ&オマージュ。
内容は、かなりバラエティに富んだものになりました。
どのくらいバラエティに富んでいるかというと、例えばメイン・キャラクターを列記するだけでも、一流企業の重役、イケメンホームレス、明治末期の蛮カラ学生、その後輩の優男、日露戦争時の白ヒゲ将校、馬賊、美形ロシア貴族、中世フランク王国のヒゲ熊騎士、記憶喪失の刑事、ガチムチ巡査長、連続強姦犯のマッチョ囚人、下着女装のサラリーマン、高野聖に鬼に妖怪……といった塩梅。
ストーリーの方も、ラブあり鬼畜あり、ほのぼのありSM調教あり、現代ものから時代もの、西洋ものから近未来ものまで……といった具合の盛り沢山さ。
収録タイトルは、『神経性胃炎』『稚児』『長夜莫々』『汗馬疾々』『晒し台』『DISSOLVE 〜ディゾルブ〜』『ECLOSION』『「マゾ」』『雨降りお月さん』の、計9本。
描き降ろしは、表紙や目次カット等のイラストの他、本編加筆あり、制作裏話アレコレなんかもあり。
装丁は、ブラックにゴールドを効かせて、カッコ良く作っていただきました。表紙と裏表紙のコントラスト(っつーか、イメージ・ギャップとゆーか)も見所かも。
本体表紙もゴールド系の特色で、カバーイラストの下絵を使って、これまたカッコ良く仕上げていただいております。ご購入の際には、ぜひ一度カバーを外して、中身もご覧あれ。
なお、出版社のサイトには、期間限定でここだけでしか見られないメッセージ・カードもアップされていますので、こちらもよろしかったらぜひご覧あれ。
というわけで皆様、お買いあげ心よりお待ちしております。
『髭と肉体』田亀源五郎(amazon.co.jp)
つれづれ
いよいよ今週末発売になる、新しいマンガ単行本『髭と肉体』ですが、ぼちぼちネットショップとかで、予約可能になっているようです。
当然のことながら、だいぶ前に無事全て校了済みなので、あとは本が届くのを待つばかり。
詳しい内容紹介(を兼ねた宣伝)とかは、それから改めてアップしますが、せっかくなので今回は予告を兼ねて、校正紙の画像なんぞを初公開。こんな感じの校正紙の山に、編集さんと協力してそれぞれ赤を入れて、マズい部分を直していくわけであります。
以前、アクリル絵の具とかで描いたカラーイラストを、原画やポジでアナログ入稿していた頃は、色校正の段階で色調が極端に転んだ(赤味とか黄味とかが、色調がヘンに強く出たり偏ったりすること)りして、「アカ版洗う(マゼンタ版を文字通り「洗って」網点を小さくする=赤味を抑えるということ)」とか、「シアン盛る(印刷時にシアンインクを多めに盛る=青味を強めるということ)」なんていう、今から思うとビックリするくらいアナログな指示入れて戻したりして、それでも直らなくて出来上がりに泣いたりしましたが、デジタル入稿にしてからは、そうそうビックリするような色調の転びとかはなくなったので、それはホントにありがたい。
というわけで、今回の単行本のカラーも、とってもキレイに出していただきました。
さて、単行本作業も終わり、雑誌用の原稿もアップしたところで、新規のクライアント(一般系)さんと、近所の茶店で初顔合わせ&打ち合わせしてきました。
一般系の編集さんとお会いするときは、自分が日頃あまり馴染みのない業界事情とか、大物マンガ家先生の逸話なんかをお聞きできるのが楽しみなんですが、今回もまた、昔から好きだった大物先生の話を聞けて、喜びつつも逸話の破天荒さに目が点。
どんなお仕事かは、時期が来たときに、また改めてお知らせします。
その帰り道、本屋に寄って何冊か購入。
帰宅後、さてどれから読もうかと楽しみに袋を開いたら、買ったのはほとんど資料用のものばかりで、趣味的な本は雑誌『芸術新潮』1冊だけだったことに改めて気付き、ちょいガックリ。
その『芸術新潮』で、現在パリで「ターザン展」をやっていると知り、うが〜、見に行きたいと地団駄。
アテネで新装オープンしたという、新アクロポリス博物館にも行きたいなぁ。しかし、パルテノンの破風彫刻、い〜かげんギリシャに返せよな、大英博物館。
因みに、同じくアテネの国立考古学博物館にある、アルテミシオンのポセイドン像は、私のフェイバリット彫塑作品の一つなので、アテネに行ったとき(これまで3回行ってます)には、かならず「会って」きます(笑)。
来週から始まるという、「和田三造展」の広告も載っていて、これも行きたいんだけど、う〜ん、姫路市立美術館かぁ……遠いなぁ。因みに和田三造ってのは、ホモならみんな教科書で目が釘付けになったはず(笑)の、あの『南風』の作者です。まあ、『南風』だけ見るんだったら、いつもは上野の国立近代美術館にあるから、東京在住の私には気軽に行けるわけで、そう考えると、姫路が遠いとかヌカしてるのは、ただのゼイタクってもんですね。
そういえば、昔、晩三吉先生と御一緒して上野に美術展を見に行ったとき、同美術館のミュージアム・ショップで、晩先生がこの『南風』のポストカードを何枚も購入なさっていましたっけ。「そっち系の知り合いに手紙を出すときに使うから、いつも一定枚数ストックしている」んだそうで、それを伺って、「ああ、そーゆーのも粋でいいなぁ」、なんて思ったことを覚えています。
アート&海外絡みでは、いつものパリのギャラリーから、今度やる企画展用に出品して欲しいとの打診あり。ちょうど条件に合う作品も見つかりそうなので、前向きに検討すると返事。
もう一件、イギリスから、こっちは出版物用に作品提供の依頼あり。協力すること自体はやぶさかではないんだけど、条件的に合うものがあるかどうか、ちょい微妙なところなので、摺り合わせが必要な感じ。
海外ネタで、もう一つ。
前に一度お会いしたことがある、シンガポールのカメラマン、ワイ・テイク氏から、「今年のミスター・シンガポール・ボディビル大会で、85kg級のチャンピオンになったよ」と、YouTubeのアドレス付きでメールがきたので、せっかくだからご紹介。
こういうバキバキの彼も、もちろんカッコイイんだけど、何てったってご本人がチョーいい男(←もちろん右側の人ですよ)なので、私としては、ご本人が「ちょっとたるんだ」と嫌がるオフのときの方が、やっぱりステキに見えるなぁ(笑)。
まあ、そもそも私は、コンテスト時のパンパンに膨らんだボディビルダーの身体は、ちょっと趣味から外れる部分もありまして。彼と会ったときも、彼が「何でもっと血管を描かないんだ」と聞くから、「ボディビルダーの血管って、何だかキャベツみたいで、あんまりセクシーじゃないから」と答えたら、はたかれそうになりました(笑)。
映画は、DVDで『ガンマン大連合』を鑑賞。
ひゃ〜、チョー面白かった! 燃えるわ、泣けるわ、考えさせられるわ。
マカロニ・ウェスタンには疎い私は、セルジオ・コルブッチの映画って、ソード&サンダルの『逆襲!大平原』と『闘将スパルタカス』くらいしか見たことなくて、この映画も、フランコ・ネロとトーマス・ミリアンが見られりゃ、それでいいか、ってな軽い気持ちだったんですが……しまったなぁ、こんな面白いヤツ見ちゃうと、ハマってしまいそうだ(笑)。とりあえず、『続・荒野の用心棒』と『殺しが静かにやってくる』にトライかなぁ。
で、前にブログでも「脱ぎっぷりも責められっぷりもいい」と書いたトーマス・ミリアンですが、やっぱこの映画でも「脱いで責められる」のね(笑)。
あと、主題歌がチョーかっこよかったので、観賞後は即座にサントラ盤を注文。その主題歌が聴けるイタリア版予告編が、YouTubeにあったので、それも下に貼っときましょう。
この「♪ヴァモサマタ〜、ヴァモサマタ〜、コンパニェ〜ロ〜!」ってフレーズ(「殺っちまおうぜ、同志!」って意味だそうな)、サイコーです。
いいかげん長くなったので、最近聴いている他のCDに関しては、また後日まとめて。
ちょっと宣伝、『人畜無骸 中編』掲載です
21日発売の雑誌「バディ」10月号に、人類家畜化ファンタージー漫画『人畜無骸』の中編が掲載されます。
今回は、家畜といったら、やっぱアレでしょう、ってな、定番ネタが登場します。マニアック路線、ばく進中(笑)。
Badi (バディ) 2009年 10月号(amazon.co.jp)
因みに、その「バディ」10月号ですが、今回の表紙は、かなりカッコイイ。
加えて漫画も、小日向先生、犬義先生、前田ポケット先生、大久保ニュー先生といった、いつものレギュラー陣に加えて、今月から、あの野原くろ先生の新連載がスタート。
う〜ん、相変わらずイモゴツ系の男を描かせると、も〜たまらないモノがゴザイマス。しかも第一話に『ミルク』のあのキャラもカメオ出演してるよ、ウホホ。この子、『ミルク』の登場人物の中で、一番タイプだったんだよな〜。嬉しい嬉しい(笑)。
余談ですが、先日の「肉体派」で掲載ページがお隣りだった水樹凱先生が、この「バディ」でも、小説挿絵なんですけど私のマンガとコラムを挟んでお隣どうし。因みに水樹先生ご本人とも、ほんの数日前に、他社の編集さんを交えて、お食事を御一緒したばっかだったりします。その節は、ありがとうございました(……って、こんなところでお礼を言ってどうする)。
ちょっと宣伝、異色(?)読み切りマンガ描きました&来月単行本が出ます
8月18日発売の「肉体派 vol.14/擬人化漢全攻略」に、読み切りマンガ描きました。
どんな内容かと言うと……え〜、異色作(笑)です。
主要登場人物だけで、9人登場!
しかも全員、最初から最後まで全裸!
クライマックスには、3DCGも!
後はまあ、実際にお読みください……としか(笑)。
「肉体派 VOL.14/擬人化漢全攻略」(amazon.co.jp)
それと、同号に広告が出ていますが、来月、9月12日にオークラ出版から単行本が出ます。
主に「肉体派」掲載作を集めた中短編集(あ、因みに、このvol.14掲載作は収録されません)で、本のタイトルは『髭と肉体』。
こちらも、お楽しみに。
ちょっと宣伝、イギリスで出版された世界のエロティック・コミックスの本
“Erotic Comics: vol. 2: From the 1970s to the Present Day” Tim Pilcher
去年、イギリスのジャーナリストだというティム・ピルチャーから取材を受けたんですが、それが無事に出版されたということで、謹呈本が届きました。
う〜ん、これも1月には出ていたものが、送られてきたのは半年遅れ……まあ、ちゃんと送ってきただけマシか(笑)。
「エロティック・コミックス グラフィック・ヒストリー vol.2 70年代から現在まで」という本で、版元はILEXというイギリスの出版社。デジタル・ペイントのHOW TO本やDTPなどの素材集、ポップ・カルチャーのアート・ブックなんかを出している会社のようで、カタログにはタトゥーのクリップアート集(CD-ROM付き)なんてのもあって、これはちょっと欲しいかも(笑)。ってか、表紙の男が好み(笑)。
で、この「エロティック・コミックス vol.2」は、ポップ・カルチャーのガイド的なアート・ブックです。
内容は、「USAのポルノ」「ゲイ&レスビアン・コミックス」「ヨーロピアン・エロティック」「乳首と触手:日本の実験」「オンライン・コミックス」という五つの章に分かれており、私の作品は「日本の実験」の章に数点掲載されています。
英語のコミックスを中心に、それにヨーロッパの作家などを加えた、全ページフルカラー、大きな図版をふんだんに使って、様々なエロティック・コミックを紹介する内容。
収録作家は、私も知ってるメジャーどころだと、まず序文からしてアラン・ムーアだったりします。因みに、著者のピルチャー氏とやりとりしていたとき、ちょうどその話が決まって、大コーフンしてるメールを貰ったのを、良く覚えてます(笑)。
ロバート・クラムも載ってますし、アラン・ムーア&メリンダ・ゲビーの『Lost Girls』、サイモン・ビズレーの描いたエロ絵なんてのもある。
エロティック・コミックの大御所では、私が勝手に「お尻の神様」と呼んでいる、イタリアのパオロ・セルピエリ。とにかく、女性のお尻を描かせれば天下一品なアーティストなんですが、実は男の肉体やチ○コも激ウマで、嬉しいことにアナル・ファックされている男の絵なんてのも描いてくれるので、私も二冊ほど画集やコミック本を所有しています。
ゲイ系では、トム・オブ・フィンランド、パトリック・フィリオン、ラルフ・コーニッヒ、ハワード・クルーズ、雑誌『Gay Comix』や『Meatmen』の作家たち、などなど。レスビアン・コミックスが幾つか見られたのも収穫。
他にも、個人的に気に入ったものを幾つか列挙しますと、『ロケッティア』のデイブ・スティーブンスが描くベティ・ペイジや、マーヴェルものとかを手掛けているフランク・チョーのエロティック・コミックスは、流石の洗練された描線が魅力。
『Cherry』や『Omaha, the Cat Dancer』といった、カートゥーン系のエロティック・コミックスも、日本では見られないタイプなので、なかなか新鮮。特に、デフォルメはカートゥーン系なんだけど、塗りがコテコテなので何とも言えない「濃さ」がある、『SQP』という70年代の本なんて、実にヨロシイ。
日本の肉弾エロ劇画みたいな画風の『Faust』や、表紙デザインもカッコよければ中の絵もカッコいい『Black Kiss』は、入手可能なんだったら、ぜひ本を買いたいところ。他にも、アメリカのオルタナティブ・コミックとかイギリスのアンダーグラウンド・コミックとか、面白い絵が多々あります。
ただ、日本に関しての章は、正直、ちょっとアレだな〜、と思う部分アリ。それに関しては、まとめて後述します。
版形は、LPジャケット・サイズのハードカバー。ページ数は190ページ強。前述したように、全ページフルカラーで、紙質や印刷も上等。
幸い、日本のアマゾンで購入可能です。ポップ・カルチャー、エロティック・カルチャー、サブカルチャーなんかに興味のある方だったら、問答無用に楽しめるはずなので、そういう方にはオススメです。私の絵も、無修正でドカ〜ンと載ってますんで(笑)。
“Erotic Comics: vol. 2: From the 1970s to the Present Day”(amazon.co.jp)
表紙違いのアメリカ版もあるみたい。
先日紹介した、『エロスの原風景』と御一緒に、いかがでしょう?
では、前述した、ちょっとアレな日本に関する章について。
まず気になったのは、私の絵は「SHONEN-AI」と「YAOI」の章で使われていていて、それ自体、ちょっとどうよと思うんですが、更に困ったことに、この二つの章に掲載されている図版が、私の絵以外は「小説June」の表紙画像だけ。
ただ、これに関しては、筆者のピルチャー氏が、やおいとゲイを混同している、というわけではなかったりします。
じっさいテキストを読むと、例えば「SHONEN-AI」の章では、SHONEN-AIというジャンルは少女マンガのフォーマット内のもので、竹宮惠子の『風と木の詩』に端を発し、青池保子の『エロイカより愛をこめて』や吉田秋生の『BANANA FISH』が生まれたが、今日ではその言葉は既に廃れており、Boy’s Loveという言葉にとってかわられた、と説明したうえで、そのBoy’s Loveには、かつてのSHONEN-AIの要素が含まれるが、ロマンスだけではなくセックスの要素も含まれており、それがYAOIである、などと続けられる。
そして、次の「YAOI」の章では、こちらもまたBoy’s LoveあるいはBLの源流を、雑誌「June」のmale/male “tanbi” romanceとして、それが「ヤマなし、オチなし、イミなし」の同人誌文化との相互作用を経て、「性的にも直截的なホモセクシュアル・ストーリー」という、現在の形になったとしているので、こうした説明は、決して間違っていないと思う。
また、私の図版についているキャプションを見ると、私がカバー絵を描いたアンソロジー『爆男』を、ちゃんと「ゲイ・コミック」と明示しているし、拙作『雄心〜ウィルトゥース』を、「ゲイ・コミックとやおいコミックの中間に位置するもの」と解説しているので、これまた正確(ま、これは私本人に取材しているんだから、当たり前なんだけど)。
一方、やおい寄りの視点からも、本文中には、「ボーイズラブのマーケットは女性や少女をターゲットにしているが、一部のゲイやバイセクシュアルの男性にも読まれている」とした上で、「こだか和麻のような日本のBLマンガ家たちは、西洋の読者に自分たちの作品を説明する際、ゲイではなくやおいなのだと、慎重に区別している」と書いてある。
というわけで、テキストをちゃんと読めば、筆者はちゃんと、ゲイマンガとやおいマンガを、混同していないということが判るんですけど、でも、だからといって、この二章の図版が、ほぼ私の絵だけだってのは……誤解も生みそうだし、私自身、居心地が悪い(笑)。
私のところにきた取材も、ゲイマンガ家としてでしたし、質問内容もそういうものだったんですけどねぇ……。
やおいマンガに関しては正確な論考があるのに、ゲイマンガに関する章はなく、なのに私の絵だけが載ってるってのは、ちょっとモヤモヤ。
ひょっとすると、権利関係の問題なのかもしれませんね。図版の使用許可をとれるところが、見つけられなかったのかも。
ピルチャー氏は日本語ができないっぽいし(少なくとも、私とのやりとりは、全て英語でした)、彼に限らず、海外の出版社なりジャーナリストなりが、作家とコンタクトをとりたくて、あるいは、何らかの権利関係をクリアにしたくて、日本の作家やマイナー系出版社に英語でメールを出したんだけど、返事が来ない、みたいな話は、私も何度か耳にしたことがあります。
ただ「YAOI」の章には、YAOIは既に西洋でも広く知られており、2001年にはサンフランシスコでYAOI-Conも開かれ、出版する会社もここ数年で増えた……なんて書いてあるんだから、海外ルートからでも何とでもなりそうなのに。
それ以外でも、日本のエロティック・コミックに関しては、前述したようなテキストと図版の齟齬が目立ち、例えば、「LOLICON」の章なんかも、テキスト部分には吾妻ひでおの『海からきた機械』や同人誌「シベール」、内山亜紀、藤原カムイ、雑誌「レモン・ピープル」なんて名前が見られるのに、図版は水野純子の作品や、アメリカで出版された、昆童虫の『ボンデージフェアリーズ』や、唯登詩樹の単行本の書影だけ。
まあ、ここいらへんは出版コード的に、内山亜紀とかを載せるのが、難しいせいかも知れませんが。
他に図版で見られるのは、天竺浪人、ふくしま政美、士郎正宗、大暮維人、うたたねひろゆき、玉置勉強、などなど。
テキストでは、前述したようなモチーフ的な特異性以外にも、日本の出版におけるセンサーシップについて等も書かれており、「松文館裁判」の件が詳細に紹介されていたりします。
ちょっと宣伝、人間家畜マンガ描きました
21日発売のゲイ雑誌「バディ」9月号に、新作マンガ掲載です。
タイトルは『人畜無骸(前編)』。「じんちくむがい」と読みます。……駄洒落じゃん(笑)。「前編」とあるように、全三話の予定。
内容は……え〜、ちょっとヘンな話です。人類が、異種族によって家畜にされている世界の話。
個人的には、こーゆーのは好きな妄想ですし、このテが好きな方というのも、そこそこお目にかかったりはするんですけど……一般的にはどうなのかなぁ。「ドワーフ」だの「獣人」だのが出てくるだけで、拒否反応を起こす方もおられるだろうし(笑)。
まあ、ファンタジーっちゃあファンタジーなんですけど、ちょっと思うところあって、設定を完全に西部劇風に描いています。だから、ファンタジー好きって人の趣味とも、ちょっと違うような気がする。これで、貴重なマニア層の票も、獲りそびれてしまうかも(笑)。
今のところ、早売りの雑誌を読んだ方からの良い反応が、ちょくちょく入ってきています。普通、ここまでスピーディな反応は、あんまりないんですけどね。
これは、マニアックなネタゆえの強さでしょうね。海外のファンからも、「こーゆーの待ってました!」という声があるし。
ただ、ウチの相棒なんかは、このテの素質がないというか免疫がないというか(笑)、そーゆー系統の普通人なので、消しゴムかけしてくれたときも、反応はサッパリでした(笑)。脱糞シーンで喜んだくらい(笑)。
で、おそらく世間にはそーゆー「普通」の人の方が多いと思うんで(笑)、マニアの同志でマンガが気に入った方は、ぜひアンケート葉書を出してくださいな。「バディ」さんのアンケート葉書は、郵便代もいらないんで。
Badi (バディ) 2009年 09月号(amazon.co.jp)
では、来月号の中編もお楽しみに。
ノンケSM系からの取材 in ベルギー
ベルギーのVVSM Village vzw(Vereniging Voor SadoMasochisme)というBDSM組織(非ゲイ)から、インタビュー取材を受けました。
記事は、同組織の会報に掲載されるようです。画像は校正用に送られてきた、PDFの表紙画像。とはいえ、テキストは読めないんで、例によって校正のしようがないんですけど(笑)。
それと並行して彼らのサイト上でも、紹介ページがアップされました。私のサイトには未掲載の作品とか見られますし、もちろんベルギーだから無修正ですので、よろしかったらご覧あれ。こちら。
さて、後は無事に、この会報のコピーが送られてくるかどうか……です。
実はこのテの取材って、あらかじめそういう約束だったにも関わらず、ちゃんと送ってくれるところは、経験から言うと、約3割程度だったりするんで……。
まったく、イギリスの某とか、ドイツの某とか、フランスの某とか、アメリカの某とか、ちゃんと送ってこいっつーの(笑)。