

私も作品を提供している、世界のクィア・コミック・アーティストによるセクシー・ピンナップ・イラストレーションをフィーチャーしたトランプのカードセットが、アメリカで発売されます。5月にニューヨークで行われるLGBTQマンガ家カンファレンス、Queers & Comicsのチャリティー商品で限定品。このカンファレンスには私も参加予定。
作品を提供している作家リストは、下記の販売ページで確認可能。とりあえず私が個人的に知己があるのは、ジャスティン・ホール、岩田巌、エド・ルース、モーリス・ヴェラクープ……といったところかな?
只今こちらのページで予約受け付け中。商品の発送は3月からだそうです。
よろしかったらお買い上げくださいませ。
「現代日本のエロティックアート展Vol,2」凱旋展(@ヴァニラ画廊)のお知らせ

以前こちらでお知らせしたように、昨年5月〜10月にかけてフランスはパリのエロティック博物館(Musee de l’Erotisme)で開催された、私も作品を出展した企画展『現代日本のエロティックアート展 Vol.2(Japon Erotica: La Nouvelle Generation Vol.2)』の凱旋展示が、2月9日(月)〜28日(土)まで、東京は銀座(新橋)のヴァニラ画廊で開催されます。
展示内容は基本的にパリの同展に併せたものですが、私の場合は、外性器が露出している作品の展示にいささか問題ありとのことで、パリ展に出品したものから該当作品を除き、代わりにエロティック表現に問題のない旧作を出させていただく予定です。
会期中にお時間のある方は、是非おいでください。
「現代日本のエロティックアート展Vol,2」凱旋展
ヴァニラ画廊(展示室A)
入場料/500円
平日/12:00~19:00、金/12:00~20:00、土・祝/12:00~17:00、日/不定休
ヴァニラ画廊は2014年春から6ヶ月にわたり、パリ市の「エロティックミュージアム」(※)にて「現代日本のエロティックアート展vol2」と題して、計32名の作家による日本における「エロティックアート」の現在を紹介しました。
オリジナリティに溢れた32名の作品は、その個々のスタイルから言葉を飛び越えて、新鮮な驚きを人々にもたらしました。この度、世界中のアートファンの心を鷲掴みにした作品群が東京に戻って参ります。 パリでの展覧会を記念して、ヴァニラ画廊では凱旋展を開催いたします。 誇り高い成熟した珠玉の作品群をご期待下さい。朝倉景龍
荒井良
稲垣征次
沖渉二
笠間しろう
カネオヤサチコ
鏡堂みやび
クロダミサト
小宮山逢邦
小山哲生
Saeborg(サエボーグ)
沙村広明
真珠子
須川まきこ
空山基
多賀新
田亀源五郎
たま
所伸一
中田柾志
野口由里子
林良文
春川ナミオ
泥方陽菜
ぴんから体操
福山フキオ
前田寿安
水元正也
宮西計三
室井亜砂二
森馨
山下昇平
ちょっと宣伝、『弟の夫』第五話掲載です
「映画秘宝」3月号、2014年度ベスト&トホホ10に参加しています

今年も「映画秘宝」ベスト&トホホ10に参加させていただきました。2014年に見た映画の中から、ベスト10、ベスト・ガイ、ベスト・ガール、ベスト・シーン、映画トホホ3を、それぞれコメント付きで選ばせていただいております。もう1つのアレは、今年はスルー。
何をどういう理由で選んだかは、掲載誌をご覧いただくとして、ちょうど数日前に飛び込んできた某ニュースで、「え、なんで……だったらもっと上位にすれば良かった!」なとどプチ後悔した拙10位(まぁ判官贔屓みたいな心理です)が、総合で6位にランクインしていたのは嬉しい限り。
因みに、最後まで悩んで最終的に泣く泣く落としたのは、ここいらへん。
牢獄処刑人
ハワイ
The Painting (Le Tableau)
Highway
3
In the Name Of (W imię…)
[amazonjs asin=”B00R4X7OG4″ locale=”JP” title=”映画秘宝 2015年 03 月号 雑誌”]
オマケ。前にツイートした2014年に見たゲイ映画ベスト10。
1.湖の見知らぬ男
2.チョコレートドーナツ
3.ハワイ
4.In the Name Of (W imię…)
5.Pit Stop
6.フリーフォール
7.Tha Last Match (La partida)
8.Lilting(『追憶と、踊りながら』の邦題で2015年5月〜日本公開決定)
9.Out Loud
10.My Last Round (Mi Último Round)
トークショー(1/18)出演のお知らせ〜今泉浩一監督作品アンコール上映『すべすべの秘法』+『家族コンプリート』

次の日曜日、1月18日に、渋谷のアップリンクでトークショーに出演します。
イベントは、今泉浩一監督の映画『すべすべの秘法』+『家族コンプリート』のアンコール上映(1月16日〜20日)で、私は18日(日)の『家族コンプリート』上映(15:20〜)の終了後に、今泉監督と、映画の撮影を担当した田口弘樹さんと一緒に、三人であれこれ喋らせていただく予定。
ただいま前売り券発売中。あまり広くない会場なので、今のうちに予約が吉かもしれません。チケットはこちら(アップリンクのサイト)で予約購入できます。
お時間のある方は、是非おいで下さいませ。
以下、イベントと映画の解説です。
エロスからキンキーからバイオレンスまで飛び出す、他に類を見ない怪作『家族コンプリート』、それとは対照的に、日本のゲイのリアルをさらりと描いて愛おしい『すべすべの秘法』、どちらもこの機会に是非お見逃しなく!
2014年2月に渋谷アップリンクにて日本初公開された今泉浩一監督長編作品『すべすべの秘法』に前作『家族コンプリート』を加えたアンコール上映。今泉浩一は1990年よりピンク映画俳優としてキャリアをスタートさせ、並行して1999年よりインディペンデントで一貫してゲイ映画を撮り続けている。セクシュアル・マイノリティーの映像作家が極端に少ない日本において、かつドラマ性のある映像作品を継続的に制作している作家、という点で非常に特異な存在である。ごく小規模な製作チームながらその作品は国内よりもむしろ海外で高く評価され、過去の作品はベルリン国際映画祭を初めとする数多くの映画祭に招待され、各国で上映を重ねてきた。国内での上映機会が非常に限られる今泉作品の、1年ぶりの再上映企画となる。
※All movies are with English subtitles.(全作品英語字幕付、DVでの上映)
※18歳未満の方はご覧いただけません
【上映スケジュール】
2015年1月16日(金)~20日(火)
●1月16日(金)
21:00~『すべすべの秘法』●1月17日(土)
15:30~『すべすべの秘法』(上映後トークショー:マーガレット、今泉浩一)
21:00~『家族コンプリート』●1月18日(日)
15:30~『家族コンプリート』(上映後トークショー:田亀源五郎、田口弘樹、今泉浩一)
21:00~『すべすべの秘法』●1月19日(月)21:00~『すべすべの秘法』
●1月20日(火)21:00~『すべすべの秘法』
【上映作品】
『すべすべの秘法』The Secret to My Silky Skin
(2013年/カラー/81分/HDV/ステレオ/With English Subtitles)
※18歳未満の方はご覧いただけません両親と京都に暮らすリョータは東京での短期研修が決まり、「東京のヤリ友」であるイッセイの家に泊めてもらう事になった。朝はそれぞれが仕事に出かけて夜は一緒に過ごして寝る、ただそれだけになるはずの5日間。家に到着した最初の夜、イッセイはごく自然にリョータとセックスしようとするのだが、リョータは素直に応じることができない。実は彼には東京に来る前から一つ、気がかりな事があったのだった…。今泉浩一の新作長編「すべすべの秘法」はゲイ漫画家、たかさきけいいちによる短編漫画を原作とした、6本目にして自身初となる原作もの。取り立てて派手な事件も事故も起こらない「きわめてありふれた」ゲイの日常を描く、これまでにない味わいを持った作品となっている。またメインキャストに職業俳優ではないノンプロを起用する特徴的なスタイルは健在で、本作でも随所で彼らの瑞々しい姿を捉えている。本作は2013年10月に開催されたベルリンポルノ映画祭での上映を前提に、同映画祭ディレクターのユルゲン・ブリューニンクからの提案を受け制作され、日本では2014年2月に渋谷アップリンクにて日本初公開された。
出演:馬嶋亮太、本名一成、きたがわひろ、藤丸ジン太、ほたる、伊藤清美、赤岩保元
原作:たかさきけいいち(「ウラゲキ vol.4/古川書房」 2005掲載)
監督・脚本・編集:今泉浩一
撮影・スチール写真:田口弘樹
音楽・音響:PEixe-elétrico
英語字幕:川口隆夫
字幕協力:Jeremy Harley
タイトル題字:赤岩保元
制作:岩佐浩樹
製作:habakari-cinema+records
『家族コンプリート』The Family Complete
(2010年/カラー/106分/DV/ステレオ/With English Subtitles)
※18歳未満の方はご覧いただけません一軒の古い日本家屋を舞台に繰り広げられる、謎の新型ウイルスに冒されたある三世代家族を巡る悲喜劇。ミスコミュニケーションをテーマに、ゲイの恋愛とセックスを描く日本製激愛男色家族映画/R-18指定ジャパネスクハードコアホモセクシュアルホームドラマ。2010年3月、第34回香港国際映画祭で世界初公開されてから各国の国際映画祭を巡回し、渋谷アップリンクでは今回で通算4度目の上映となる。
出演:神羽亮祐、ほたる、藤丸ジン太、村上ひろし、川合亮、松之木天辺、大木裕之、伊藤清美、今泉浩一
監督・脚本・編集:今泉浩一
撮影・スチール写真:田口弘樹
音楽・音響:PEixe-elétrico
英語字幕:川口隆夫
字幕協力:Jonathan M Hall
タイトル題字・灯り制作:赤岩保元
制作:岩佐浩樹
製作:habakari-cinema+records
謹賀新年
世界の史劇映画傑作シリーズ DVD-BOX Vol.1
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先日発売された『世界の史劇映画傑作シリーズ DVD-BOX Vol.1』の収録作を全て見終わったので、個々の感想をまとめてアップ。
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『キング・オブ・キングス』(1927)セシル・B・デミル
“The King of Kings” (1927) Cecil B. DeMille
キリストの後半生を描いた、セシル・B・デミル監督の1927年サイレント版。
いちおう福音書に則って描いた内容ではあるものの、独自アレンジあり、スペクタクル場面もバッチリ、通俗娯楽性もガッツリ……と、いかにもデミル作品という感じで楽しい大作。
もうのっけから、マグダラのマリアを高級娼婦という設定にして、豪奢で退廃的な宴会で肌も露わな衣装で豹と戯れたりしているところに、最近自分をお見限りのイスカリオテのユダが、イエスとかいう乞食宗教者の元に出入りしていると聞いてオカンムリになるという、独自すぎる導入部。
そしてマグダラのマリアは、イエスが盲人を治癒しているという話に「それよりアタシの魅力で目が見えなくなった男の方が多いわ!」なんてビッチな台詞をはき、ヌビア王にプレゼントされたシマウマの馬車(!)で、ユダを取り戻すためにイエスの元に乗り込むというフリーダムさ。
でもっていざイエスと対峙したマグダラのマリアは、そこに何かを感じて怯むんですが、そこでイエスが「汝は清められた」と言うと、半透明の不気味な人間の形をした《七つの大罪》が、オカルト映画の除霊よろしくマグダラのマリアから離れていく……って、これもう面白すぎでしょう(笑)。
まぁ残念ながら、ここまでフリーダム展開なのはこの導入部だけで、後はだいたい福音書のエピソードの抜粋になるんですが、それでも福音記者マルコをイエスに足を治癒してもらった少年キャラにして付き従わせるとか、映像という視覚言語を駆使してエピソードに判りやすさを追加するとか、色々と面白い。
また、映画的な娯楽性を踏まえてエピソードをツギハギしたり入れ替えたりしていて、例えば、イエスが神殿から商人を追い出したところに、ユダの先導によるエルサレム入城時のホザンナを持って来て、それと平行してサタンによる荒野の誘惑が描かれたりするので、そういった工夫も面白い。
映像という視覚言語による表現という面では、最初しばらくイエスの顔は出さないでおいて、盲目の少女が奇跡によって癒され、初めて光を見る少女一人称カメラ視点で、初めてイエスの顔が画面上に登場するなんて演出は、「これは上手い!」と感心させられたり。
あと、イエスに被せる茨冠の茨をどこから持って来たのかとか、ユダの首つり縄がどこから持って来たのかとか、そういった具合に、良く知られた図象やエピソードに、ちょっとした理由付けや前振りが加わってるあたりも面白い。とにかく「判りやすく、面白く、無理のなく」という配慮がいっぱい。
配慮というと、反ユダヤ色が出ないように気をつけたのか、大祭司カイアファを物欲にとらわれた悪党という設定にして、イエスの逮捕から処刑に至る責任を、その悪党一味のみに負わせ、ユダヤ教やユダヤ人の総意とは全く無縁のものとして描いているあたりも興味深かった。
スペクタクル性では、エルサレム神殿の門のデカさとか大勢のモブとか、要所要所でスケール感タップリの見せ場が。そして磔刑の後の天変地異が、これまたハンパないディザスター描写で、いやぁ受難劇の天変地異でここまで派手なのは初めて見たかも。そのまま世界が滅びそうな勢い。
と言う具合に、色々と面白い要素が盛り沢山。これ系の映画にありがちな退屈さは、独自のアレンジで巧みに回避して、最後にはなんか力業で感動っぽいところに持っていく……と、ホント「デミル映画!」って感じで面白かったです。
日本盤DVDは、画質は佳良だしピアノ伴奏も画面に合っていて、これだけを独立して見る分には何の文句もないんですが、米クライテリオン盤DVDだと、日本盤と同じ後にリカットされた112分版と一緒に、オリジナルの155分版の両方をレストアしたものが収録されているので、それと比べると残念。
あと、米クライテリオン盤では、オリジナルの二色テクニカラーになる部分が、そのまま収録されているんですが、日本盤は全編モノクロなので、これもやっぱり、比較してしまうと、ちと残念。
……って、今、米盤DVDのスペックを確認しに米アマゾンの商品ページを確認したら、ちゃんと「貴方このDVDを2004年×月×日に買ってますよ!」という注意書きが出たので、ビックリしたw というわけで、10年ぶりの鑑賞だったみたいです。時の流れが早い… …。
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『ノアの箱船』(1928)マイケル・カーティス
“Noah’s Ark” (1928) Michael Curtiz
ノアの方舟の物語を描いたアメリカ映画。第一次大戦勃発時に欧州にいたアメリカ青年とドイツ娘のすれ違いラブロマンスに、劇中の挿話としてノアの方舟のエピソードがスペクタクル史劇的に描かれるという、パートトーキー作品。
面白かった。まず一次大戦パートの方。オリエント急行に主要登場人物が乗り合わせ、それが事故に遭うと同時に戦争勃発という導入から快調。他にもあれこれ見せ場を挟みながら、戦場を舞台にしたすれ違いロマンス劇が展開。キャラも良く立っていて、クリシェながらも面白く見られる。
そして、一次大戦パートと同じ俳優が演じるノアの方舟パート。フルスケールのセットとすごいモブには圧倒されるし、ミニチュア特撮も楽しい。ノアの方舟の話に、サムソンとデリラや十戒の名場面も混ぜちゃいましたみたいな展開には、ちょっとビックリしちゃいましたが、そのぶん娯楽性もタップリ。
2つのパートの接続には、正直かなり無理があるんだけれど、それを通じて言わんとしたかったことは明解。そして現代の視点で見ると、第一次大戦を指して「このような戦争は二度と繰り返すまい」というメッセージが、その10年後には早くも破られてしまったという事実にも考えさせられます。
ヒロイン役のドロレス・コステロという女優さんが、メリル・ストリープが美人になったみたいな感じで、とっても魅力的だなぁ……と思って見ていたんだけど、この方、ドリュー・バリモアのお祖母ちゃんなのね。びっくり。
スペクタクル好き&特撮好きだったら、古代パートだけでも見る価値大。いや〜満足、満足。
『ノアの箱船』再公開時の予告編
[amazonjs asin=”B00NMVPK6I” locale=”JP” title=”世界の史劇映画傑作シリーズ 暴君ネロ DVD”]
『暴君ネロ』(1932)セシル・B・デミル監督
“The Sign of the Cross” (1932) Cecil B. DeMille
タイトルバックで早くもローマが炎上していてビックリしたのだが(笑)、原題は「十字架のしるし」で、別にネロを描いた話ではなく、ネロ治世下のキリスト教徒迫害を描いた、『クォ・ヴァディス』みたいな話。
というわけで、メインとなるのは美しいキリスト教徒の娘と、彼女に恋をしてしまったローマ軍人(しかも名前はマーカス)の話で、それをネロの后であるポッパエアが嫉妬し、クライマックスは闘技場…って、もうまんまクォ・ヴァディス。でもって最後だけ『聖衣』みたいになる話でした。
そういうわけで、内容的にはクォ・ヴァディスのバッタもんという感が否めないし、しかもペトロニウスがいないクォ・ヴァディスなもんだから、まぁ何とも薄っぺらいこと夥しいんですが、それを抜きにすれば、いかにもデミル作品らしい派手な見所が横溢した、楽しい一本。
美術や衣装はゴージャス感たっぷり、巨大セットやモブはスケール感ばっちり、判りやすくエモーショナルな表現もあれば、エログロ見せ場もバッチリ。良くも悪くも通俗的で扇情的な見せ場の積み重ねで、観客をグイグイ引っぱっていく。
特にクライマックスで延々と続く闘技場の見せ場は、ここはほとほと感心。セットやモブのスケール、闘技場で繰り広げられる見せ物的な見せ場の数々はもとより、そこに移動撮影やカットバックで集う観客の小芝居も見せ、ここいらへんは本当に上手いな〜と思う。
で、その見せ物の方も、剣闘士なんてほんの前座。罪人の処刑で象に踏みつぶされるわ、全裸に花綱という姿で縛られた女性に複数のワニが忍び寄るわ、ピグミーという設定の黒塗りの小人軍団 VS アマゾネス軍団の戦いはあるわ……これでもかこれでもかの釣瓶打ちに、もうホント感心。
ヒーローとヒロインに人物造形的な魅力がないのが難点ですが、そのぶんクローデット・コルベール演じるポッパエアと、チャールズ・ロートンが付け鼻で演じるネロの面白さが、出番はさほど多くないにも関わらず、ぐっと引き立っています。
コルベールはミルク風呂入浴というお色気見せ場もあり。ポッパエア(ポッペア)のミルク風呂というと、私はどうしても沼正三の『ある夢想家の手帖より』を連想してしまうんですが、流石にあんなマゾ展開はないにせよ、猫がピチャピチャやってたりして、しかもだんだん猫の数が増えたりするのが楽しい。
というわけで、内容自体は薄っぺらいですが、スペクタキュラーな見せ物としては、それを補って余りある面白さ。ラストはいかにも強引ですが、それでもその前段では、ちょっとグッとくる場面なんかもあり。史劇好きなら見て損はなし。
[amazonjs asin=”B00NMVPIW4″ locale=”JP” title=”世界の史劇映画傑作シリーズ ファビオラ DVD”]
『ファビオラ』(1949)アレッサンドロ・ブラゼッティ
“Fabiola” (1949) Alessandro Blasetti
1949年のイタリア/フランス映画。ディオクレティアヌス帝時代のローマで、皇帝をも凌ぐ財力を持つ家の娘ファビオラと、ガリアから来た剣闘士レアールの恋に、やがて始まるキリスト教大弾圧を絡めて描いた大作史劇。
お見事。ヒロインとヒーローが共にキリスト者として成長していくというプロットと、キリスト教徒の増加に脅威を感じている支配層の巡らす陰謀、分裂したローマ帝国の混乱、更には聖セバスティアヌスの殉教など、実に盛り沢山な内容。
その分、正直あちこち描き切れていない感があったり、判りにくい部分なんかもあるんですが、そこは上手いこと殺人を巡るミステリー的な興味や、個々のキャラクターが良く立った群像劇的な魅力、そして画面のスケール感やスペクタクル性で上手い具合に牽引してくれるので、面白さはバッチリ。
画面のスケール感やゴージャス感は、これは本当に大したもので、近景だけを切り取ったり遠景を書き割り的に配置するのではなく、手前から奥まで《史劇らしい風景》が続いているのを見せるシーンはわるわ、セットはデカくてゴージャスだわ、モブはすごいわ……と、文句なし。
スペクタクル性の方は、またもや闘技場でのキリスト教徒大虐殺大会を、仕掛けも人員もたっぷり使って、これでもか、これでもかと見せる系。『暴君ネロ』と比べると、見せ物要素は控えめですが、それでもやっぱりスゴい見せ場。
あと、ヒーローのレアール(アンリ・ヴィダル)とセバスチャンことセバスティアヌス(後で調べたらマッシモ・ジロッティだったのね……気付かなかった)が、共に時代を考えると良い肉体で、しかも胸毛フサフサなのが、個人的には嬉しかったり(笑)。
テーマ的には宗教色が色濃いですが(調べたら、原作は19世紀中頃にローマ・カトリックの枢機卿によって書かれた『ファビオラ 或いはカタコンベの教会』という歴史小説だそうな)、キャラクター・ドラマ自体が面白いので、さほど押しつけがましさや強引さが感じられないのもマル。
というわけで、史劇好きなら一見の価値ありの一本。因みに相棒は、私以上に絶賛。タイトル・ロールのミシェル・モルガンも綺麗でした。
マッシモ・ジロッティ演じる『ファビオラ』の聖セバスティアヌス

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『豪族の砦』(1953)ハロルド・フレンチ
“Rob Roy: The Highland Rogue” (1953) Harold French
1953年のイギリス/アメリカ映画。スコットランドの義賊ロブ・ロイを、気軽に見られるアクション・アドベンチャー風に描いたものだが、製作がディズニーということもあり、雰囲気はファミリー映画や児童向け翻案小説のような感じ。
キャラクターやストーリーや背景事情は、極めて単純化されており、史劇的な味わいは希薄。アクション・アドベンチャーとしても、ファミリー映画風味や主演男優の地味さもあって薄味な感じ。ただし、全体的に手堅く纏まってはいるし、尺が短くテンポも良いので、そこそこ楽しめる内容。
というわけで、これはジュブナイルだと思って見るのが吉。ヒロイン役(ロブ・ロイの新妻)の女優さんが、『メリー・ポピンズ』のバンクス家のお母さん(グリニス・ジョンズ)の若かりし頃だった。まだ娘々した雰囲気だけど、あの特徴的なペチャッとした声は変わらず。
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『悲恋の王女エリザベス』(1953)ジョージ・シドニー
“Young Bess” (1953) George Sidney
アメリカ映画。戴冠前の若きエリザベス1世の要素を、ドロドロ要素は控えめに、少女の成長&トマス・シーモアへの恋情などを軸に描いたもの。
ロマンティック史劇として手堅い出来映え。
エリザベス(ヤング・ベス)にジーン・シモンズ、キャサリン・パーにデボラ・カー、ヘンリー8世にチャールズ・ロートン……と、いかにも適材適所な感じの配役が効果大で、例え予定調和的ではあっても、それぞれがしっかり魅力的な演技を見せてくれるのが良かった。
基本的に女性映画のような作りなので、スペクタクル的な見所はないけれど、セットや衣装のゴージャス感はバッチリ。色彩もなかなか。
前半部ではユーモラスな描写もちょくちょく入り、けっこう笑ってしまった。《はい再婚→はい斬首》というブラックな笑いが、特にツボ(笑)。
善悪ハッキリ&物事を単純化というパターンながら、少女の成長というジュニア小説的な軸がしっかりしているので破綻もなく、映像的なクオリティも高いので楽しめる一本。
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『邪悪なイゼベル』(1953)レジナルド・ル・ボーグ
Sins of Jezebel (1953) Reginald Le Borg
旧約聖書列王記を元にした史劇……なのだが……安っ!(笑)
セットも衣装も小道具も何もかもが安っぽくて、きっとすごく低予算。もう宮殿の石壁とか、模造紙にマジックでレンガ状の線を引いただけみたいに見えるくらい(笑)。
当然スケール感も滋味も皆無。主演ポーレット・ゴダードも、それを保たせることはできず。
ただ、時系列を短縮してロマンス要素を入れることで、イゼベルへの同情的な視点も加えているアレンジは、ちょっと興味深かった。あと、物語の枠外から見ると、宗教に基づく不寛容について考えさせられるあたりは、旧約聖書ものを見ていて良く感じるパターン。
しかし、低予算史劇はそれなりに見ているけれど、ボディービルダー主演のイタリア製B級史劇なら、まぁ話の内容自体が高級ではないので、そこそこ楽しく見られるんですが、こういう、内容は本格系なのに画面が度を超して安いというのは、見ていてかなり辛いものがあるなぁ……と新発見です(笑)。
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『ポンペイ最後の日』(1950)マルセル・レルビエ、パオロ・モッファ
“Gli ultimi giorni di Pompei” (1950) Marcel L’Herbier, Paolo Moffa
1950年のフランス/イタリア映画。同じタイトルでも内容は全くオリジナルだった35年のアメリカ版とは違お、こちらは一応リットン卿の同名小説がベース。
ストーリーとしてはロマンス+陰謀+天災+宗教というパターンで、ロマンス比重が高め。陰謀の方をあまり上手く盛り上げてくれないので、男女の恋愛パート(五角関係くらい)がやけに目立つ感じながら、セットやモブのスケール感やゴージャス感はなかなかのもの。
構成要素が複雑なわりには尺が比較的コンパクトなので、テンポは早めながらあちこち描き足りない感もあり、エモーショナルな面はあんまり盛り上がらない感はあるけれど、ラストの火山爆発スペクタクルはかなりの迫力と見応え。
主演のジョルジュ・マルシャルは、もうちょっと後の『ロード島の要塞』くらいしか見たことなかったんだけど、若い頃はギリシャ彫刻風のハンサムだったのね。ちょっとジャン・マレーを思い出させる感じ。

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ちょっと宣伝、『弟の夫』第4話掲載です
「映画秘宝」2月号に『ホビット 決戦のゆくえ』のレビュー書きました

本日発売の雑誌「映画秘宝」2015年2月号の、特集「『ホビット 決戦のゆくえ』徹底大総括」に、恒例(汗)の作品レビュー(という名前の感想文)を書かせていただきました。これで、『ホビット 思いがけない冒険』、『ホビット 竜に奪われた王国』、そしてこの『ホビット 決戦のゆくえ』、三部作それぞれのレビューを書かせていただいたことになり、ありがたい限りであります。
いつものように特集内容自体も濃ゆい内容。映画と原作(『ホビットの冒険』のみならず、『指輪物語』追補編や『シルマリルの物語』『終わらざりし物語』”The History of Middle-Earth”なども含めた大系全体)それぞれを踏まえながら、読み応えのある記事がずらり。中でも特に、添野知生さんの第一次世界大戦をキーにした論考は、読んでいて目からウロコ。あと、戦術史がベースの宮永忠将さんのコラムも面白かった。
というわけで、映画も私の感想もこれで最後になりますので、皆様ぜひご鑑賞&お買い上げくださいまし。
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ちょっと宣伝、『奴隷調教合宿』最終話です

12月20日発売の雑誌「バディ」2015年2月号に、連載マンガ『奴隷調教合宿』最終話掲載です。
終わってみれば全14回、224ページと、当初の想定よりはだいぶ長くなりました。別に話が膨らんでしまったというわけでもなく、描き始めたそもそもの動機だった「若めのイケメン系キャラで本格SMを描きたい!」というヤツが、いざ描きだしてみたら、「あんなのも描きたい、こんなのも描きたい」という具合に、描きたい責め場がどんどんどんどん増えていって、その結果この長さになったという感じ。
ここんところ描いた中長編マンガは、『エンドレス・ゲーム』にしろ『冬の番屋』や『長持の中』にしろ、テーマがSM抜きのハードコアだったり、ロマンティシズムだったり、暗黒童話だったり……という感じで、いわゆる王道のゲイSMポルノとはちょっと外れていたので、この『奴隷調教合宿』は、何だか久しぶりにガッツリSMものを描いた気がします。やっぱ楽しいですね、SM描くの(笑)。
単行本化は、ポット出版さんから出させていただいている単行本のフォーマットには、ちょっとページ数が足りない感があるので(一般的なマンガ単行本なら、だいたい160〜200ページくらいなので、既に充分一冊以上のページ数はあるんですが、ポット出版刊の拙単行本は、一冊につきそれぞれ260〜400ページもあるんですよ)、もう少し作品が溜まってからということになると思います。
また、この後ちょっと「バディ」さんには、充電を兼ねてマンガをお休みをいただきたいとお願いしてあるので(たぶん三ヶ月くらい)、新作ゲイエロマンガをお届けできるのは、少し先のことになりそうです(月刊アクションの『弟の夫』は、毎月続けますけど)。
というわけでそれまでの間、「バディ」のバックナンバー共々、無事完結した『奴隷調教合宿』を是非お楽しみください。最終話には私としては珍しく、デブキャラの責め絵も出てきますよ!
[amazonjs asin=”B00QJ06ZMW” locale=”JP” title=”Badi (バディ) 2015年 02月号 雑誌”]
【オマケ/これまでブログにアップしてきた『奴隷調教合宿』第1話〜13話の宣伝画像ギャラリー】



















