ホノルル美術館の20世紀日本のエロティック・アート展で単行本が展示

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 11月20日からハワイのホノルル美術館(Honolulu Museum of Art)でスタートする、20世紀日本のエロティック・アート展(Modern Love: 20th-Century Japanese Erotic Art)に、私のマンガ単行本『髭と肉体』が展示される予定です。

 この話、美術館やキュレーターから直接ではなく、単行本の出版社と、今はもうなくなってしまった編集プロダクションの二つを経由して、私の元に展示許可の打診がきたという経緯だったので、正直な話、私自身も細かいところが良く判っていないのですが、何でも、同美術館が開催している日本の春画展シリーズの第三弾として行われる展示で、主旨は「春画よりも日本美術で表現された日本の性文化に焦点をあてる(メールより引用)」ということなんだそうです。
 以下、サイトにあった日本語序文からの引用。

性の革命

鎖国の後、国際貿易のために港を解放した19世紀後半の日本では、指導者や市民は、はかりしれない自己喪失の恐怖に襲われた。新たに登場した西洋社会の価値や野心をどの程度まで取り入れるべきか、また西洋文化の独自性に対して日本人としての誇りをどの程度まで保つべきか?アメリカ人やヨーロッパ人の尊敬を得ようとした多くの人々は、過去300年に日本人絵師によって描かれた明らかに性的なものを描いた木版画や版本などの春画は、恥ずかしいほど時代遅れの性的快楽主義を表現していると感じた。当時は人気のジャンルであった春画の制作は、20世紀初頭には劇的に減少し、1990年代には春画の複製も厳しく検閲されるようになった。

それと同時に20世紀前半は、政府役人が国家のイメージを良くしようと努力したにもかかわらず、日本美術における「性」とは、表現方法を変えていきながら依然として人気のテーマであった。

「モダンラブ:20世紀日本のエロティックアート展」は伝統的な春画に触発された日本の近代、現代美術を探求しています。この展覧会では、木版画家、橋口五葉(1880−1921)のスケッチ、荒木経惟(1940年生)と米原康正(1959年生)の写真、安野モヨコ(1971年生)の漫画や、ハワイで活躍している日本人アーティスト、寺岡政美(1936年生)や小田まゆみ(1941年生)の作品などを展示しています。

「モダンラブ:20世紀日本のエロティックアート展」は、ホノルル美術館による日本の性文化に焦点を当てた展覧会であり、三回シリーズのうちの今回は最終回となります。17世紀と18世紀の作品に焦点をあてた2012年の「閨房の芸術:日本の春画展」、そして 2013年の「笑い絵:19世紀日本の春画展」から続いているシリーズです。

 おそらく私の単行本は、春画文化がマンガに与えた影響の、バリエーションの一つ(ゲイマンガ)のサンプルとして展示されるのではないかと。

 会期は、2014年11月20日〜2015年3月15日。
 期間中にハワイにお出かけの方は、是非お立ち寄りください。
http://honolulumuseum.org/art/exhibitions/14518-modern_love_20th_century_japanese_erotic_art/
http://shunga.honolulumuseum.org/