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プライドハウス東京の壁面装飾画を描きました


 ラグビー・ワールドカップ・シーズンに合わせて、2019年9月20日にオープンした、プライドハウス東京の壁面装飾画を描きました。
 プライドハウス東京って何? という解説は、こちらの記事等をご参考に。
プライドハウス東京:オフィシャル・ウェブサイト
毎日新聞:LGBT理解促進施設「プライドハウス東京」 ラグビーW杯に合わせ初開設

 場所は原宿のコミュニティ・スペースSubaCO。東京メトロ明治神宮前駅の目の前です。

 オープン期間は2019年9月20日〜11月4日。
 期間中、お近くにお出での際は是非お立ち寄りください。

 拙壁面装飾画の前での記念撮影や、SNS等へのアップも歓迎です。

 写真に写っているのは、プライドハウス東京コンソーシアムの代表、松中権さんと、ニュージーランドのオープンリー・レズビアン元ラグビー選手/元国会議員、Louisa Wallさん(ニュージーランドでの同性婚合法化の法案を出した方なんだそうな)。

 以下、ちょっとした製作裏話。

 依頼を受けて最初に思い付いたのは、自分の作風の特徴を活かした、ラグビー選手たちの肉体がスクラム等で絡み合っている図像でした。そこにプライド・フラッグの6色を絡めて配置したら面白いのではないかと。
 しかし、いざラフスケッチを描いてみると、いかんせん印象が《トゥー・マッチ・ゲイ》過ぎて、プライドハウスの根底にあるLGBTQの多様性というコンセプトに合致しない。
 そこで構成人員を、男性オンリーから男女混交にしてみたんですが、今度はそれぞれに代表されるクラスタ同士が、まるで対立しているように見えてしまい、これまたLGBTQのためのセーフスペースというコンセプトに合わなくなる。
 勝負や勝敗、敵味方といった要素があるスポーツのワンシーンをモチーフに、多様性や寛容といったテーマを描くのは、思いのほか難しいものだと、作業を始めてみて改めて思いました。

 そこで、最初に浮かんだイメージは放棄して、ラグビーという競技の(自分にとっての)図像的な面白さではなく、表現しなければいけないテーマの方を優先して、改めてアイデアを練り直した結果、現在掲示されている絵になりました。
 これならばゲイ要素に偏ることもなく、また各クラスタが対立しているようにも見えず、各々が互いのプライドを尊重しつつ、一つの目標(人権問題としてのLGBTQライツの前進)に、共に走っていくというイメージが出せるのではないかという意図です。
 ただ、ここでも一つ問題に突き当たりまして、それはトランスジェンダーの図像化をどうするかということ。一目でトランスジェンダーだと分かる描き方をしてしまうと、それはそれで表現として差別的になってしまうので。
 そんな諸々を考え合わせた結果、最終的にはダイバーシティという要素は全てプライド・フラッグの6色で象徴することにして、個々のクラスタについて視覚的な説明を試みることはやめにしました。

 絵には男女がそれぞれ3人ずつ描かれていますが、誰がゲイで誰がレズビアンで誰がバイセクシャルで誰がトランスで……といったことは、観賞する皆さまのご想像にお任せいたします。
 ただ、プライド・フラッグの色を使っていることで、描かれた人々はLGBTQといった多様性を持ち合わせているのだと思っていただきたい。
 また、それ以外の色は使わず無彩色のままにしたのも、それによって肌や髪や目の色といった人種的な特徴を、固定化せずに済むという目算があったからです。
 描かれた6人の中で気になるキャラがいたら、その人がどういう個性を持つ人なのか、それを好きなように想像してみるのも面白いかと思います。
 そこに正しい答えはありません。ですから、その人がイメージしたものが、その人にとっての正解になる。そしてそれは、見る人の数に応じて、無限に多様化していくでしょう。

 そんなことを思いながら、描いた作品です。

Pixiv FANBOX始めました


 ゲイ雑誌「バディ」が休刊し、かつての「筋肉男」「肉体派」のようなマンガアンソロジーもなくなってしまった現在、商業媒体でゲイエロ絵を発表できる機会は激減してしまいました。
 その一方、プライベートではあれこれ描いたりしており、たまにTwitterなどで局部を含まない部分画像などをアップはしていますが、どうせならそこから幾ばくかの報酬を得ることができれば、自分のモチベーションもアップ&持続するだろうな……ということで、Pixiv FANBOXを始めてみることにしました。

これは、個人でクリエイターの創作活動を支援できるシステムで、ファンが作家を有償支援することで、それに応じてリワード(支援の謝礼。私の場合は、FANBOX限定ゲイエロ絵の公開が、その謝礼に相当します)を受け取れるという仕組みです。
 具体的な支援コース(現状では1種類のみ)とリワードの内容は、下記リンク先の全体公開記事(非支援者でも見られる記事)をご参照ください。

PIXIV FANBOX始めます

「そもそもPixiv FANBOXって何?」という方は、こちらをどうぞ。
Pixiv FANBOX:よくある質問

 第1回目のリワードは、既に支援者限定記事として9/1にアップしました。

祖父の奴隷 – Grandpa’s Slave Boy – 2019年9月のイラスト – Illustration on September 2019

 それでは皆さま、ご支援よろしくお願いいたします。

『僕らの色彩』14話掲載&単行本2巻10月11日発売!



 8月24日発売の「月刊アクション」10月号に、マンガ『僕らの色彩』第14話「ジェット・ブラック」掲載です。
 夏休みを使って、カフェの壁に絵を描き始めた宙。しかしそこに、思いもよらぬ来訪者が……。
 というわけで物語は急転回、いよいよ佳境に入っていきます。
 是非お買い上げ&お読みください!

《Kindle版》

 そしてお待たせしました、単行本第2巻が10月11日に発売です!
 まだ書影は出ていませんが、既にアマゾンでは予約できます。
 Kindle版も同日配信。
 確実な入手のため、ぜひアマゾン他、お近くの書店さんなどでご予約ください!

《Kindle版》

同人アンソロ参加、おじいちゃん受けゲイエロマンガ描きました


 夏コミケあわせの同人ゲイ・コミック・アンソロジー「社長と部下」に、新作おじいちゃん受けゲイエロマンガ描きました。
 タイトルは『融資』、内容はこんなの(下図参照)。

 アンソロ「社長と部下」は、市川和秀さん、菅嶋さとるさん、ミナモトカズキさんとの合同誌。
 全体の内容はこんな感じ(下図参照)。

【入手方法】

①同人誌イベントで……私個人での頒布予定はありませんので、各イベントでの市川和秀さん、菅嶋さとるさん、ミナモトカズキさんのスペースでお求めください。

②ゲイショップ店頭で……BIG GYMさんなど有名ゲイショップの店頭でも販売中。詳しくはお使いの各店舗様にお問い合わせください。

③通販で……BIG GYM ONLINEさんと、Rainbow Shoppersさんで注文購入できます。

 それでは皆様、よろしくお買い求めお願いいたします。
 豪華執筆陣(笑)から、揃ってお願い♪

『僕らの色彩』第13話掲載です


 告知が遅くなりましたが、7月25日発売の「月刊アクション」9月号に、マンガ『僕らの色彩』第13話「描く」掲載です。
 カフェの壁に絵を描くことを引き受けた宙だったが、それを一緒に手伝う奈桜との関係を、母親に《男女の仲》だと誤解されてしまい、絵の世界に逃避をし……といった内容で、ストーリーもいよいよ核心に近づいてきました。ここのところ毎回毎回、頭をぎゅうぎゅう絞りながらネームをきっております。
 密度と読み応えは保証しますので、是非お買い上げ&お読みください!

Kindle版もあります。

単行本第1巻発売中!

Kindle版

手塚治虫トリビュートマンガ『新・刑事もどき ゲイボーイ』(後編)掲載です


 7月5日発売の書籍「テヅコミ vol.10」に、一般向け新作マンガ『新・刑事もどき ゲイボーイ』(後編)が掲載です。
 先月掲載の前編に引き続き、手塚治虫作品へのトリビュートマンガ、これにて完結。

 前回書いたように、中断してしまった作品の「もっと続きが読みたかった!」という気持ちを動機として、そこに自分の味付けとして「あったかも知れない、語られなかったゲイ(風俗)史」の要素を加え、その上で、原典で自分が好きだったキャラクターたちの関係性の「ちょっと先」を描ければ、面白いものに仕上がるのではないか……などと考えて描いた作品。
 というわけで、トリビュート作品ではありますが、それと同時にこれもまた、最近の私が一般向け作品で取り組んでいる、《社会とゲイ/社会の中のゲイ》というモチーフを含ませたもの。お楽しみいただければ幸いです。
 巨匠・手塚治虫の胸を借りる形で、この試みを行うことができました。機会をいただけたことを、心から感謝しております。
 単行本収録は現時点では望み薄なので、是非お買い上げ&お読みください。

 以下、ちょっとネタバレ込みの余談。
 お嫌な方は読まないでくださいね。

 後編で主人公の一人、段袋刑事が、ゲイバーのママさん(女装男性)とキスをするシーンがあります。
 これ、ちょっとこだわって描いてみたかった場面。
 こういうシチュエーションが描かれる際、特に昔のマンガだと、同性とキスする羽目になった主人公が「げ〜っ」という反応を見せたり、或いは滑稽さを強調した女装の男性を描くことで、「笑い」に繋げるというパターンが多いように感じていたので、ちょいとそのアンチテーゼ的な形の、ノンケ男性と女装男性のキスシーンを描いてみたかった。
 とは言え、美青年と美しい中性的な男性、もしくは完全な異性に見える男性とのキスのような、耽美方向にも振りたくなかった。
 ホモフォビックな笑いでもなく、美的に描くのでもなく、ただ「普通にもっさいオッサンと、決して似合っているとは言えない女装男性のキスシーン」を、ニュートラルな形で描いてみたかったのです。
 難しいかもしれないけれど、段袋刑事というキャラならこなしてくれるのでは……と思い、そして実行。
 ママさんの造形やら、段袋刑事の反応やら、いろいろ考えながら工夫してみました。
 さて、結果は如何に。

「CDジャーナル」に特集&インタビュー掲載


 6月20日の雑誌「CDジャーナル」2019夏号で、特集記事&インタビュー掲載されました。
 ダブル表紙ということで、裏表紙にも絵がドドンと載ってます。Twitterでは「表がキンプリで裏が田亀って……」とか、「絵の股間にモーニング娘。の文字が……」といった反応が見られましたが、私だって自分じゃなければきっと驚いていたと思います(笑)。

 というわけで、こういう大胆で攻めの姿勢の特集を組んでいただけるとは、ありがたい限り。
 ロング・インタビューでは、大英博物館のマンガ展のことに始まり、『弟の夫』や『僕らの色彩』のこと、ゲイ・エロティック・アートのこと、日本と海外での反応の違い、プライド(自尊心)についてなど、質問されるままにいろいろ幅広く答えています。
 それプラス、私が最近ヘビロテのCDだとか、記憶に残る舞台といった、「CDジャーナル」という媒体に相応しいあれこれや、ゲイエロ作品も含めた単行本ブックガイドなんかも載っています。

 ここ数年、私も媒体露出が増えてきましたが、エロと非エロ、両方の仕事ぶりを同時に扱っていただける記事は、日本の媒体ではけっこう珍しい例かも。
 是非お買い上げ&お読みください。

手塚治虫トリビュートマンガ『新・刑事もどき ゲイボーイ』(前編)掲載です


 6月5日発売の書籍「テヅコミ vol.9」に、一般向け新作マンガ『新・刑事もどき ゲイボーイ』(前編)が掲載です。
 この「テヅコミ」という本は、手塚治虫生誕90周年を記念したもので、手塚さんのマンガのリメイク、カバー、オマージュ、パロディなどを、様々なマンガ家さんたちが描いているもの。雑誌のように、毎月1号ずつ発売中です。
テヅコミ特設サイト

 私もお声掛けいただき、描かせていただくことになった次第ですが、手塚さんの膨大な作品の中で、どれにしよう……と、考えて選んだのが、『刑事もどき』というシリーズ。
 1973年にスタートしたものの、諸般の事情で2作だけしか描かれなかったシリーズです。
 以前からこのシリーズが好きでして、そして2作しか描かれなかったというのがとても残念で……。
刑事もどき|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 そして「テヅコミ」さんからお誘いを受けたときに思ったのが、まず、パロディにはしたくないということ。そもそも私、パロディを得意とする作家ではないし。
 リメイクも、あまりやりたくなかった。同じ内容で、絵と演出が私のスタイルになっただけのものは、読者的にもそんなに面白そうだとは思えなかったので。
 あと、翻案……リ・イマジネーション系もパス。私、手塚作品に関しては、けっこう原理主義者的なところがありますので(笑)。
 そんなこんなで思い付いたのが、『刑事もどき』の《続き》を描くということ。これなら自分の、「もっと続きが読みたかった!」という気持ちを活かして、のびのびと描けそうでしたし、自分の作風にも合っていそうだし、自分なりの味付けができる目算もあったし。オフィシャルな形で描けるというのも魅力でした。

 というわけで描きました『新・刑事もどき ゲイボーイ』(前編)、是非お買い上げ&お読みください。

 そしてオリジナルの『刑事もどき』は、こちらに収録されていますので、よろしかったら是非。

 この「テヅコミ」関係で、以前、手塚プロダクションからインタビューを受けまして、ウェブで公開されています。
手塚治虫生誕90周年記念企画 スペシャルインタビュー 第7回 田亀源五郎さん【前編】
手塚治虫生誕90周年記念企画 スペシャルインタビュー 第7回 田亀源五郎さん【後編】
 前編では手塚マンガの想い出や『弟の夫』のこと、後編で手塚マンガとLGBT表象や『刑事もどき』のことなどを喋っております。
 興味とお時間のある方、是非お読み下さいませ。

大英博物館展示記念、『弟の夫』『僕らの色彩』複製原画販売のお知らせ


 大英博物館のマンガ展で、『弟の夫』が展示された記念に、『弟の夫』と『僕らの色彩』の直筆サイン入り複製原画が、双葉社さんから発売されます。
 ラインナップは、『弟の夫』のカラー4種(単行本各巻のカラー扉ページ)、モノクロ4種(大英博物館で展示されているのと同じ本文ページ)、『僕らの色彩』のカラー1種(単行本一巻表紙イラスト)。
 価格はカラーが税込各1万2960円、モノクロが税込各1万800円。完全受注生産で、全て私の直筆サインが入ります。
 以前の「『弟の夫』の世界展」のときに制作されたものとダブリがない、完全新作ラインナップですので、ご希望の方はこの機会に是非どうぞ。
 申し込みは6月30日までになります。
双葉社オンラインストア:田亀源五郎複製原画
コミックナタリー:「弟の夫」田亀源五郎の複製原画販売、大英博物館で展示中の原稿と同じデザインも

 またウェブサイト日刊大衆さんにも、関連記事&インタビューが掲載されましたので、そちらもよろしく。
 今回のイギリス渡航の印象や、『弟の夫』『僕らの色彩』について色々と喋っております。
日刊大衆:『弟の夫』漫画家・田亀源五郎「イギリス上陸と同性愛を語る!」大英博物館に展示された複製原画が手に入る!?

大英博物館のマンガ展&ロンドンでトークイベント


 イギリスの大英博物館で、2019年5月23日から8月26日まで、日本のマンガ文化の展覧会が開催されます。
 その中で私の『弟の夫』も展示されます。
 聞くところによると、日本国外で開催されるマンガ展としては過去最大規模だということなので、会期中にロンドンにお出での方は、是非お見逃しなく!
 展覧会の詳細は、下記リンク先でご確認ください。
コミック・ナタリー|大英博物館で国外最大規模のマンガ展、「ゴールデンカムイ」ほか約70タイトル
British Museum | Manga exhibition

 さて、この大英マンガ展の内覧会に、私もちょっくら出掛けてきます。
 そして5月22日の夕方、Japan House Londonで開催されるトークイベントに登壇します。こちらも、お時間のある方は是非。
 イベントの詳細は、下記リンク先でご確認ください。
Japan House London | ‘My Brother’s Husband’: Manga Artist TAGAME Gengoroh in Conversation with Book Curator HABA Yoshitaka