英語版単行本第二弾”Endless Game”発売です

EndlessGameENcover
 拙英語版単行本第二弾”Endless Game”、12月上旬に発売です。
 版元はBruno Gmünder。ドイツを拠点にして全世界向けに英語その他の書籍をリリースしている、おそらくゲイ出版関係では世界最大手の会社。様々なメールヌード写真集や画集、海外作家のゲイ・コミック本の他にも、有名どころではゲイ向けトラベルガイド”Spartacus”なんかも出しているところで、ゲイ・アートに興味のある人だったら、一度ならずこの出版社の本は目にしていたり、手元にあったりするのでは。
 私はこれまで、同社のテーマ別アートブック等に作品を提供したことは何度もありましたが、単著のマンガ単行本としてはこれが初めて。話が動き出したタイミングから察して、おそらく春に出た”The Passion of Gengoroh Tagame”の好評が追い風になったのだと思いますが、表紙画像右下にBruno Gmünder Gay Mangaとあるように、この新レーベルを立ち上げて日本のゲイマンガの英語訳出版を継続していきたいと考えている模様。先日のベルリンでのミーティングでも、そこいらへんのことを色々と相談されました。
 収録作品は、2011〜12年にかけて「バディ」で連載した長編(168ページ)『エンドレス・ゲーム』一本。日本でもまだ単行本にはなっていないので、本としてのリリースは世界初ということになります。
 実は過去にもこういったことはありまして、たとえば『軍次』シリーズや『闘技場〜アリーナ』はフランス語版単行本の方が先ですし、その他の短編色々なんかも、日本で単行本が出るよりも先に、フランス語版やイタリア語版の作品集に収録された例があります。

 マンガ以外の収録コンテンツは、自作解説を兼ねた後書き(英語です)と、あと造本がちょっと変わっていまして、右の写真でお判りになると思うんですが、表紙と裏表紙が折り込み加工になっているので(フラップというんだそうです)、その部分にカラーイラストを4点収録。
EndlessGameENflap
 マンガ本文の方も、雑誌掲載時の扉ページやロゴ用に空白にしていた部分に手を入れ、コマを描き足したりページ丸々描きおろしたり、仕上で満足がいかなかった部分に手を入れたり……といった、新規加筆修正作業をしております。まぁこれは、日本で単行本が出るときにも、多かれ少なかれ毎度そういう作業はしているんですが。
 版型は、B5(マンガ週刊誌サイズ)よりもちょっとだけ小さい、縦23.6×横16.8センチ。サイズが大きめな分、マンガもイラストも迫力倍増。
 書き文字の効果音に関しては、いつものように私の方から、欧文に置き換えるために取り払うことも、そのまま残すことも両方可能と提案。結果、先方さんの判断で、日本語の書き文字を残したまま、その上に欧文を小さめに入れるというスタイルになっています。
 日英翻訳を手掛けてくれたのは、”The Passion”と同じくアン・イシイ。既に良く知っている仲ですし、担当編集者のセミョンともベルリンで会ったのが功を奏して、東京とベルリンとニューヨークの三角形でメールをやりとりしながら作業。いやはや、便利な世の中になったもんです(笑)。
 そして海外版なので、もちろん無修正。下のサンプル画像は、ブログ掲載用にモザイク入れてありますが、実際の本はモロ見え。こういう感じで自分の作品が、海外でしか完全な形で発表できないというのは、毎度のことながら複雑な気持ちになりますね……。
EndlessGameENcont01EndlessGameENcont02EndlessGameENcont03EndlessGameENcont04

 入手方法は、残念ながら”The Passion”のときと違って、日本のアマゾンでは取り扱いがないので(Bruno Gmünderの本はいつもそうです……)、海外から直接個人輸入という形になるかと。
 とりあえず、アメリカとイギリスのアマゾンの商品リンクを貼っておきますので、よろしかったらご利用ください。

 具体的な発売日は、出版社がドイツに拠点を置き、それをワールドワイドにリリースという形のせいなのか、国によってまちまちで、さきほど確認したところ、いずこもまだステータスはプレオーダー状態でしたが、発売日に関してはエディター氏が「クリスマスに間に合うスケジュールにする」と言っていたので、じきに発売中に変わるのではないかと。
 ともあれ、初の英語版単行本出版から一年未満(約八ヶ月)という、嬉しいスピードでの第二弾発売となりました。
 第一弾”The Passion”が、版元やブックデザインや序文や解説等の面子などが、サブカルチャー/オルタナティブ・コミック寄りだったのに対して、この第二弾は王道のゲイ出版系というのも、個人的には良い感じの展開に感じております。
 よろしかったら是非お買い上げくださいませ!