無事帰国

 ベルリンから無事帰国しました。
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 個展は無事終了。急なスケジュールな変更などもあり、ほとんど在廊できませんでしたが、それでも幾つか、面白い出会いあり、取材あり。

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 サイン会も無事終了。書店も出版社も、当初の想像以上の集客だったと喜んでくれたので、おそらく成功といって良いかと。上の写真は、書店前のポスターとショーウィンドウ。
 時期的にイースター(ベルリン・レザー・ウィークエンド)だったこともあり、かつてフランスの個展等で会った方々とも、何名か再会。色んな方が来てくれましたが、一人ものすごくタイプの大男がいまして、もう惚れ惚れと顔や身体を眺めてしまったくらい。イベントを手伝ってくれていた女性書店員も「絵から抜け出したみたい!」と驚いたほど。
 そしてこの女性が差し入れてくれた、近所のアイスクリーム屋のアイスが激ウマ! なんかミルクとジンジャーが入ったやつと、酸味のあるベリー系のやつの二段重ねだったんですが、さっぱりめなんだけど実に美味しかった。特にジンジャーが絶品!

 サイン会をやった、このPrinz Eisenherzという書店なんですが、何でも去年この場所に引っ越したばかりとのことで、明るくてクリーンでスペースはゆったりとしていて、奥にはギャラリー・スペースもある、とても素敵なお店でした。なんでも歴史は古く、おそらくヨーロッパで一番古いゲイ・ブック・ストアだとのこと。
 サイン会に来てくれた人の中には、例によって自分の蔵書を持って来てくれた方もいて、今回出た”Endless Game”や”Gunji”の他にも、日本語版やフランス語版単行本にもサインしました。中でも個人的に印象的だったのが、ベルリンのゲイ・ミュージアム、Schwules Museumのスタッフが、同館所蔵の拙単行本二冊、『嬲り者』と『柔術教師』にサインを入れて欲しいとやってきました。
 そうそう、会場に来られなかった方たちのための、お取り置き分へのサインというのもあって、今回のサイン会を知って、わざわざカナダから注文してくれた方もいたりして、ありがたい限りであります。

 ベルリン滞在中、大小あれこれミーティングなどがあったので、フルのオフ日はなく、結果観光などはあまりできず。とはいえ、昨年に主だったところはだいたい廻っていたので、それもさほど苦ではなし。
 前回行きそびれていた場所では、前述のSchwules Museum(ゲイ・ミュージアム)に、今回は行くことができました。すると、以前からネット等の情報で気になっていた、19世紀末に同性愛を公言しながら社会的なステータスも得ていたドイツの画家、サシャ・シュナイダーの展覧会をやっていたので大喜び。
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 売店には、以前探したときにはなかった画集などもあったので、これもホクホクして購入。
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 展覧会自体は、どうやらニューヨークのレスリー・ローハン・ゲイ・ミュージアムから廻ってきたらしく、ベルリンでは6/30まで開催。貴重な機会だと思うので、期間中に在ベルリンの方は是非どうぞ。ペインティングやドローイングといったオリジナルはもちろんのこと、複製された挿絵作品の精緻なウッド・エングレーヴィング(木口木版。ギュスターヴ・ドレの『神曲』などと同じ技術です)にも眼を奪われること必至。

 Bruno Gmünderから出た二冊の英語版単行本の方は、おかげさまで売れ行きも良いらしく、特に去年の暮れに出た”Endless Game”の方は、同社にとって日本のゲイマンガの翻訳出版は初めてだったということもあり、比較的おさえた初版部数だったんですが、発売一ヶ月で売り切れて第二版を刷ったそうな。
 まだ実際に本が出ていなかった去年のミーティング時よりも、今回はより良い手応えといった感じがあり、今後のあれこれなどについても色々と打ち合わせしてきました。果たして何がどれだけ実現するかは判りませんが、上手くいったら色々と面白いご報告ができそうです。
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 上の写真は、同系列のゲイ・ショップBrunosの店頭にあるブルーノベアと、お店のショーウィンドウ。二枚目の写真で私と一緒に移っているのは、Bruno Gmünderアートブック部門チーフエディターのミーシャ。

 後は、以前からメールやFacebookでコンタクトがあった、ベルリン在住のフェティッシュ系の写真家ユーリ・リヒターと会って、とても良い時間を過ごせたとか、ちょうど滞在中にオープニングがあった春川ナミオさんの個展に行ったとか、そのオープニング会場で私をナミオ先生だと勘違いしたお嬢さんがいたとか、そのギャラリー・オーナーからマヴァド・シャロンのジンを貰って大喜びしたとか、
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 ちょうどベルリンで大規模なアイウェイウェイ(艾未未)の展覧会をやっていたせいで、街中でアイ・ウェイウェイと勘違いされたり(しかも二回)、私のサイン会ポスターにデカデカと顔が出ていたせいか、駅やらバスの中やら道端やらでいきなり見知らぬ人から「田亀源五郎さんですか?」と声を掛けられたり(計三回)、色々と楽しい体験がありました。
 そこいらへんはツイッターであれこれ呟いていたので、興味のある方はそちらでご確認を(笑)。