“Force”

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“Force” (2011) Nishikant Kamat
(インド盤DVDで鑑賞→amazon.com

 2011年制作のインド/ヒンディ映画。警察と麻薬カルテルの闘いにロマンスを絡めて描いた、ジョン・エイブラハム主演のアクション映画。
 もともといい身体をしていたジョンだが、更にバルクアップしていてえっらいマッチョになっててビックリの一本。

 主人公ヤシュは警察の麻薬対策班。3人の仲間と共に潜入捜査をして、麻薬組織に大打撃を与える。
 捜査の最中にヤシュは偶然、同じ若い娘と何度かでくわす。マヤというその娘は、最初は見るからにギャング然としたヤシュを敬遠するのだが、彼が実は警察官だと知って心が動き始める。ヤシュは最初からマヤに惹かれているのだが、これまで友人以外には特に愛する人間もいなかった彼は、その気持ちを押し隠す。しかし次第に快活で積極的なマヤに押されていき、ついに彼女の方から愛の告白をされるに至り、自分の気持ちに正直になり彼女との結婚を決める。
 そんな中、壊滅的な打撃を受けた麻薬組織のボスの、若い弟で今まで海外にいたヴィシュヌが帰国し、組織は海外の麻薬カルテルとも組んで、これまで以上に活発に動き始める。
 次々と発生する新たな麻薬事件に、ヤシュたちのチームも情報屋を使って反撃を始める。そしてついに、組織のボス自ら赴いた取引現場を押さえることに成功するのだが、その際にボスを逮捕するのではなく、正当防衛で射殺したことで人権査問委員会にかけられ、ヤシュたちのチームは全員停職処分にされてしまう。
 そんな折り、ヴィシュヌは殺された兄の復讐を誓い、まず裏切り者の情報屋を一家諸共惨殺し、同様にチーム全員とその家族の殺害と、ヤシュに予告する。そして予告通り仲間の一人が、停職中で無防備だったところを、一緒にいた恋人と共に殺されてしまい……といった内容。

 まあこれは何というか、主演のジョン・エイブラハム(の筋肉)を愛でるだけの映画です(笑)。
 話としては良くありがちなB級クライム・アクションといった感じで、それ自体は別に悪くはないんですけど、正直エピソードの組み方など、お世辞にも上手いとは言えない作劇。正義とは何だとか、法の限界とか、愛とか、男たちの絆とか、あれこれ盛りだくさんではあるんですけど、あまり上手く捌き切れていないので、話としてはどうにも取っ散らかった印象に。
 だったらいっそ、クリシェ通りの痛快アクションにしてくれればいいんですが、後半のハードな展開とかウェットな要素とかが邪魔になって、全体の爽快感はイマイチ。ラストも「う〜ん、こんな形で伏線を回収されても……」と後味が悪い。
 個々のアクションとかの見せ場はそこそこ面白いし、シャープでスタイリッシュな映像のテイスト自体も悪くないんですが、演出として見せるまでには至らず。
 ただ「うぉ〜、ジョン・エイブラハムかっけぇ!」というポイントだけに絞って見る分にはオッケー。前述したように以前と比べてえっらいバルクアップしていて、“Dostana”の頃と比べるとビックリするくらいに筋肉モリモリになっています。 ^^
 そんなジョンが、ギャング風のいでたちで殴り合ったり、重そうなバイクを持ち上げて相手に投げつけたり(笑)、はたまたオシャレな装いでヒロインとロマンチックに絡んだり、銃弾打ち込まれて崖から突き落とされたり、悪漢と取っ組み合ったり……と、ジョンを愛でるという点では見所はいっぱい。
 でもって、悪役のヴィジュット・ジャムワル(?)という人も、これまたなかなかのハンサム&マッチョガイ。
 そしてクライマックスではこの二人が、戦っている間にまずジョンの服がキレイに破けて(笑)上半身裸になり、続けて悪役の服も同様に破けて最後は裸に……ってな楽しい展開に(笑)。笑っちゃったけど、でも正しい演出(笑)。

 というわけで、残念ながら映画の出来そのものはイマイチですが、こんなジョンと、
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こんな悪役が、
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こんな風に対決する映画なので、
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個人的にはそこだけでも充分オッケーでした(笑)。
 ジョンのファンやインディアン・マッチョが見たい方なら、お楽しみどころありです。
 ”Force”予告編。

 インド映画ですが制作にはFOXが入ってます。
 制作サイドが推す見所もやはりジョンの肉体美らしく、プロモ映像もこんな感じ。