『田舎医者/ポチ』表紙絵メイキング

 本日、一般書店&ネット書店でも『田舎医者/ポチ』発売になりました!

田舎医者/ポチ 田舎医者/ポチ
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2012-04-13

 というわけで、発売記念に表紙絵のメイキングなんぞを。

●下絵
wakare01-draft
 B4のコピー用紙に鉛筆で下絵を描きます。今回の狙いは《レトロモダンなテイスト》なので、いつもの絵とは少し形の取り方を変えています。具体的には、形を少しリアルから装飾系に振って単純化し、線も減らしました。

●白描
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 下絵をライトボックスで透かしながら、墨と筆でドローイングします。線に若干の粗さや力強さ、木版画的なぎこちなさといった味が欲しかったので、通常使う紙より目が粗い、普通の画用紙を選び、筆も小学生用の安い水彩筆を使ってみました。

●スキャニングと補正
 下絵と白描は、それぞれ位置や形を合わせて、スキャナーでパソコンに取り込みます。白描のみ、紙白を飛ばして透明セル状にし、細かなゴミを取るなどの補正をしておきます。

●マスク作成(背景)
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 下絵をIllustratorで開き、それをテンプレートにして形をとっていきます。これも木版画風のシャープな感じにしたいので、鉛筆ツールを使って一発描きでガシガシ描いていきます。
 本番の彩色時には、レイヤーの透明度をロックして彩色用マスクと兼用したいので、パーツごとにレイヤーを分けておきます。色は後から調整するので、この段階では適当に。
 画像は左から、実際の作業画面、アウトライン表示した状態、レイヤー構成……になります。

●マスク作成(人物)
wakare04-maskFigure
 今度は白描をIllustratorで開き、それをテンプレートに形をとります。こちらはドローイングの線とぴったり合わせる必要があるので、ペンツールを使います。

●色彩設計
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 背景用と人物用マスクを、それぞれレイヤー構造を維持したままPSD(350dpi)で書き出し、Photoshop上で合成し、更に白描のレイヤーも読み込んでから、全体の最終的な色彩設計をします。決まったら、レイヤーを結合せずにそのまま保存。これがそのまま彩色用の本番ファイルになります。

●彩色
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 彩色用ファイルをPainterで開いて、さきほど決めた色彩設計通りに、スポンジツールを使ってカスレや色ムラを出しながら塗っていきます。
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wakare09-wave1
wakare10-crest1
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 奥から手前へ、レイヤー構成通りに、ただひたすら塗ります。レイヤーの透明度をロックしているので、はみだしなども気にする必要なし。デジタルでステンシルをしているようなもので、実はかなり楽チンな手法(笑)。
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wakare13-figure

●そんなこんなで、けっこうあっという間に完成(笑)。
wakare14-finish