カラヴァッジオ画集 “Caravaggio: The Complete Works”

 昨年暮れにTASCHEN(タッシェン)から出た、カラヴァッジオ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ)の大判画集のご紹介。

Caravaggio: The Complete Works “Caravaggio: The Complete Works”

 書名に「コンプリート・ワークス」とあり、TASCHENのサイトでも”entire oeuvre”と謳われているように、現存しているカラヴァッジオ作と確定されたペインティングを全て収録した内容です。
 カラヴァッジオというと、私が現在の作風に至るにあたって、大いに影響された歴史的な画家の中でも、その筆頭的な存在(ホント、これとかこれとか、どれだけ影響されたことか)ですので、先日の外遊から帰国後に、すぐ注文しました。
 で、先日それが届いたんですが、画集としての作りは、これはもう問答無用で素晴らしい。

 まず、その版型の大きさからして素晴らしい。どのくらい大きいかというと、このくらいデカい(笑)。
Caravaggio01
 厚みもタップリ4センチ。もちろんハードカバーで、造本や印刷精度も文句なしの品質。

 図版もぜいたくに掲載されており、基本的にはこういった具合に、全体像が丸々掲載されているんですが、
Caravaggio02
それと同時に、作品によってはこんな感じで、寄りのディテールもしっかり見せてくれる。
Caravaggio03
 こういったクローズアップに関しては、TASCHENのサイトに「この画集のために原画からの複写を新たに行っている」と書かれているように、それこそ画家の筆裁きまで生々しく感じられるような、素晴らしいクオリティ。

 また、それらの中には、見開き全体やフォルド(折り込み)を使ったものもあり、もうこんな感じで、そのド迫力ったらない。
Caravaggio04

 カラヴァッジオ作品以外にも、その源泉である先達の作品や、後続画家による模写などのヴァリエーション違いの作品を、小さい図版ながらもフルカラーで、解説文(テキストは英語)と共に多々収録。
 ただし、カラヴァジェスキやテネブリズム全般までを抑えているわけではないので、そこいらへんも好きな私としては、もうちょっと範囲を拡げてくれたら、もっと嬉しかったのに、なんて思いはあります。
 そういうわけで、それなりのお値段でもあるので、カラヴァッジオに興味がない方だと、あまり縁のない本ではありますが(まぁ画集ってのは基本的にそうか)、カラヴァッジオ好きにとっては、これはもう「マスト!」と言える一冊だと思います。
 というわけで、私は大喜びでして、暇があるとペラペラ捲っております。
 ただ、デカくて本棚に入らないので、どこにしまおうか置き場所に難儀中(笑)。