『アポカリプス 黙示録』

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『アポカリプス 黙示録』(2002)ラファエル・メルテス
“San Giovanni – L’apocalisse” (2002) Raffaele Mertes

 DVDのジャケはパニック映画みたいなノリになってますが、実際は地味でマジメな聖書モノ。
 新約聖書の「ヨハネの黙示録」絡みのTV映画なんですが、それをまんま映像化しているというわけでもなく、いちおうメインのストーリーは、別にあります。
 一世紀のローマ帝国、迫害を受けるキリスト教徒を支えていたのは、十二使徒の最後の生き残り、ヨハネからの手紙だった。ローマ側はキリスト教徒の精神的支柱を断つために、キリスト教徒側は救いを求めて、手紙の発信元であるパトモス島の監獄に、それぞれ使者と間者を差し向ける……ってのが、おおまかな流れです。
 で、その合間に、ヨハネが幻視する黙示録の光景や、ローマ人青年とキリスト教徒の娘の恋愛なんかが、描かれていく。

 映画オリジナルのドラマ部分に関しては、キャラクターさばきは上々だし、心理ベースのドラマを上手く使ったり、タイムリミットを使ったイベントで、クライマックスに向けて盛り上げたり……と、作劇的な工夫があって、けっこう面白いです。
 ただ、基本的に「キリスト教のPR映画」もしくは「信徒用の教育映画」なので、どうしても、非キリスト教徒には退屈な部分もあり。
 また、黙示録の視覚化という点では、これは期待しない方が吉。イメージ自体が、可もなく不可もなしといった感じの凡庸さだし、VFXも安っぽい。これだったら、ケン・ラッセルの『アルタード・ステーツ』(黙示録風の幻覚シーンがあります)の方が、ずっと上出来。
 史劇として見ると、話自体がいささか地味に過ぎるものの、セットや衣装、役者さんなどは、そこそこ佳良なので、それなりの雰囲気は味わえます。

 というわけで、まあ特にオススメという程でもないんですが、個人的には、けっこう「ツボ」な要素がありまして、まあ、特定趣味層限定なら、オススメできるかな、と。
 ……はい、もうお判りですね(笑)。

 まずこの映画、ほとんどパトモス島の監獄(っつーか、強制労働キャンプ)の中だけで、話が進むんですな。
 つまり、薄汚れた半裸の男どものが、汗まみれヒゲぼうぼうで、鎖に繋がれてウロウロして、虐待されているシーンが、延々と続く(笑)。
 で、ご期待(誰のだよ)通り、責め場もちゃんとあります。
 フロッギングと
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 ケイニング。
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 特に、後者の被虐者はこーゆー感じでツボのタイプなので、かな〜り得した気分(笑)。
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 あと、ヨハネが幻視するキリストの笞刑や磔なんかもあるし、
ま、私と同じ趣味をお持ちの方だったら、お楽しみ要素もイロイロあるのではないかと(笑)。
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