Poser 5とかVue 5 Espritとか(3)

 春頃から仕事の合間にちまちま作っていた、Poser 5とVue 5 Espritを使った3DCGムービーが、ようやく3分(笑)ほどの長さになったので、本家サイトの方にアップしました。
 まあ、本来なら本家のコンテンツはアダルト向けなので、このBlogでは紹介しないようにしているんですが、今回アップしたムービー、出来たのはまだイントロ部分だけなんで、困ったことに(笑)エロくも何ともない。だから、これならこっちでも紹介しちゃってもいいかな、と。
 興味とお時間のおありの方は、見てやってつかあさい。下の画像をクリックすると見られます。
 あ、movファイルなので、見るにはQuick Time Player(バージョン6以上)が必要です。それと、サウンド付きなのでご注意をば。
dd_act01
Act 1 (01:40) – 3.4MB
dd_act02
Act 2 (02:04) – 4.4MB
 制作手順としては、衣装や小道具などは六角大王 Super 4でモデリングし、六角大王やフリーのUV MapperとPhotoshopなんかを組み合わせてマッピング。
 それらをobjファイルでPoser 5にインポートし、ダイナミック・クロスなどの設定をして、フィギュアと組み合わせてから、キャラクター・アニメーションやクロス・アニメーションを作成。フィギュアはどちらもDAZのMichael 2。主人公のカツラとヒゲもDAZ製で、それぞれWedge CutとMillenium Beardというヤツ。
 Poseのアニメーション・ファイルが出来上がったら、それをVue 5 Espritにインポートして(その際にMover 5というプラグインを使用)、砂漠や岩山や雲といった背景を配置。カメラワークや大気アニメーションを組み合わせて、シーン全体のアニメーションを設定、レンダリング。
 レンダリングされたQuick Time Movieを、iMovieにクリップとしてインポート。
 この作業を必要カットごとに繰り返し、ワン・エピソードが揃った時点で、iMovieで編集。
 映像の編集ができたら、GarageBandでカットの尺にあわせたBGMを作成。音が出来たらiTuneに書き出し、再びiMovieにインポートして、映像に合わせて編集。
 ……ってな工程です。
 では、作ってみて気になったor気付いたことを幾つか。
 ダイナミック・クロスですが、Poser上では何の問題もなかったにも関わらず、それをVueにインポートしてレンダリングすると、たまに挙動がおかしいことがある。例えば2秒のアニメーションを作るとして、おおかたは何の問題もないんですが、その中の1、2フレームだけ、クロスがフィギュアに追従しきれずに、フィギュアがクロスを突き破ったりすることがある。
 これに関しては、原因を推察して、回避しようといろいろ試みたんですが、最終的には原因も解決法も見つからず断念。今回アップしたムービーでも、ところどころクロスが破けてしまっているのが、判ると思います。
 Vueのレンダリングは早いですが、ちょっとでもボリュメトリック・ライトなんかを使うと、やはりいきなり重くなる。今回は、目が光るシーンで使いましたが……いや〜、たったこれだけなのに、えらい時間がかかった(笑)。これで大気もボリュメトリックにしたり、ソフトシャドウを組み合わせたりしたら、いったいどうなることやら。やらないけど(笑)。
 Vueのモーションブラーは、最終レンダリング品質にしても、妙に粒状感が目立って、あまり自然には見えない。レンダリング品質を更に上げれば良いのかもしれないけれど、そうなると私の環境では時間がかかりすぎて、趣味のアニメーション制作という意味ではストレスが大きすぎる。けっきょく今回は、モーションブラーはいっさい使いませんでした。
 まあ、気になった点はこのくらいで、あとは至極快適でした。まあ、上を見ればキリはないんでしょうが、少なくとも以前、G4 350MHz + Poser 4でアニメーションを作っていたときよりゃ、何倍も快適です。
 ただ、Vueをかませることで「できること」が増えてしまった分、変にあれもこれもと色気を出して、結局はちょっと中途半端になっちゃったかな、という感もあり。前のように、フィギュアと必要最小限の小道具のみで、あとは地面も背景もないマックロケで、ストーリーも演出もヘッタクレもなく、ひたすら「ヤル」だけのムービーの方が、映像的には面白かったような。BGMを付けるのも、付くとちょっとマジっぽくなっちゃって、「シャレですよ、シャレ」といったユルい感じが薄れちゃったかも。
 あと、私にとっての3DCGアニメーションの面白さって、多分にパペット・アニメーションやグランギニョルやピグマリオニズムといったものの魅力に近いので、変にリアルっぽくなっちゃうのも考えもの。ハイパーリアルな3DCGって、「すごい」とは思うけど「面白い」とは思わないし。そこいらへん今のハリウッドって、リアル系は実写の補助的役割に集中して、キャラクター・アニメーション系はマンガや人形的なデフォルメ世界を志向する、と、はっきり別れているようで、批判はいろいろあるんでしょうけど、個人的には素直に感心しちゃいます。
 とまあ、いろいろあれども、けっこう楽しく作ってきたんですが、はてさて、続きが出来るのは、いったいいつになりますやら(笑)。