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Photoshopによるマンガ原稿の仕上げ動画


 先日、ふとした拍子に「Mac OS Snow Leopard以降のQuickTime Playerでは、PCの作業画面の動画キャプチャができる」ということを知って、なんか試してみたくなったので、いつもやっているマンガのPhotoshop上での仕上げ作業をムービークリップにしてみました。
 いざ録画した素材を編集する段になって、ようやくPCの壁紙がちょっとアレなことに気づき、う〜む、もっと無難なものに変えておいた方が良かったか……などと思いましたが、もう後の祭り(笑)。というわけで、画面の真ん中でこっちを睨み続けるヴィクラム様が気になるかもしれませんが(因みに映画『Raavanan』のスチル)、まあ気にしないでください(笑)。

 基本的には、マンガ1ページ分の作業をそのまま丸々録画して、それを4倍速と8倍速を織り交ぜて再生したものです。
 但し、普段ならアクションとバッチを使って、複数ファイルを一度にまとめて処理している作業(この場合は【スキャン画像補整>2値化>セル化>ゴミ取り準備】まで)や、ファンクションキーを割り振ったアクションで、ボタン一発で処理している作業(【グレー画像の網点化】や【完成画像のグレースケールから白黒2値への変換】)などは、そのままだと何が起きているのかちょっと判りにくかったので、この動画クリップ制作用に、後から改めてアクションを使わずに再作業したものを録画した部分もあります。
 また、最後に出てくる完成画像には、キャラクターの上腕にタトゥーが入っていますが、作業動画にはそれが含まれていません。
 というのも、このキャラがタトゥーを入れているということを、すっかり失念して数ページ作業を進めてしまい、気づいたときには既に作業画面の録画も終えてしまっていて……という事情がありまして(笑)。なんか、それ用にわざわざ再作業するのもアレだよなぁ……ってな感じで、そこはそのままにしてしまいました。
 いちおうここで補足しておきますと、タトゥーはベクター画像のパスデータを、Photoshopのカスタムシェイプに登録しておき、それを自由変形とワープを使って形を整えて貼り込んでいます。

 動画制作に関しては、QuickTime Playerでの録画は【ファイル>新規画面収録】で行えます。
 再生スピード変更はQuickTime Proを使って、【ファイル>書き出す>イメージシーケンス】で目的の再生スピードに合わせてコマを落とし、それを再度【ファイル>イメージシーケンスを開く】で動画に戻しています。編集も、これは時系列で繋げばいいだけなので、QuickTime Proの【コピー>ペースト】で大概は済ませています。
 こうして出来た作業動画を、iMovieに読み込み、頭の写真と最後の画像を足し、BGMやテロップを付けています。
 BGMは昔GarageBandで作った曲を使用。Logic Expressでブラッシュアップしたフルコーラス版は、ここにアップしています。

カセットテープのデジタル化計画〜GarageBand編

【この記事、ブログ人サービス終了にともなうブログ移行時に、手元のバックアップデータが見つからなかったために、画像がありません】

 昨日、ここで「後日書くかも」と書いた、ION AUDIO TAPE EXPRESS をGarageBand(以下ガレバン)と組み合わせて使う際の、図解入りHow To記事です。
【準備】
 まず、Tape Express(以下プレイヤー)とMacを付属コードで繋ぎ(電源がUSB供給なので、Mac本体のUSBスロットに繋いだ方がいいかも。電源供給なしのHUBだと動かないかも知れません)、プレイヤーのイヤホンジャックを外部スピーカーと繋ぐか、もしくはイヤホンを差すかして、再生するテープの音をモニタできるようにします。
 これで準備は完了。
【録音】
 カセットをプレイヤーに入れて、ガレバンを起動し、録音用に新規プロジェクトを作ります。
 まず、プロジェクトの種類を選ぶメニューが出てきますが、デフォルトの「Piano」のままでOK。
 続いてプロジェクトのファイル名を決めるウィンドウが出てくるので、自分の判りやすいタイトルを付けて保存します。
 カセットを1本丸々録音してから、後で必要部分のみを切り出していくという場合は、カセット全体(アルバムとか)の名称をファイル名にすると判りやすいでしょう。そうでなく、一曲一曲こまめにファイルを分けて録音するのなら、曲名=ファイル名にするのがベスト。
 下の方にある「テンポ/拍子記号/キー」等のメニューは、今回の作業には全く関係ないので、デフォルトのままでOK。
 すると下図のようなウィンドウが出てくるので、ウィンドウ左下の「+」マーク(1)をクリックして、新規トラックを作成します。
Gb0
 新規トラックのメニューから「リアル音源」を選んで「作成」。
 すると下図のようになり、上から二番目に(1)の新規トラックが出来ています。このトラックに、これからテープの音を録音していきます。
Gb1
 まず、下図の(1)、右下の「入力源」から、「ステレオ1/2 Pup Audio Device」を選びます。
 次にプレイヤーでテープを、音をモニタしながら再生します。すると、テープの音と合わせて、左上(2)のインジケーターが光りながら動きます。
 インジケーターを見ながら、右下(3)の「録音レベル」をドラッグして、録音する音量を調整します。インジケーターの黄色がたまに点滅し、しかし一番右の赤ランプは点灯しないくらいを目安にします。
Gb2
 これで録音準備は完了です。
 テープを巻き戻して、下図の(1)、中央下の赤い録音ボタンをクリックすれば、録音がスタートします。
 デフォルトでは、録音と同時に「カチ、カチ…」とテンポを刻む音が聞こえて耳障りかも知れません。これはメトロノーム機能がデフォルトではONになっているからです。このメトロノームの音は、実際の録音には入らないので問題ないんですが、気になるようなら消しましょう。「コントロール」から「メトロノーム」を選んでOFFにするか、もしくは「command+U」で消すことが出来ます。
 テープの音が録音されていく様子が、(2)の帯のようなもの(リージョン)がどんどん伸びていくことで、リアルタイムで視認できます。
 中央下のウィンドウ内の青い文字(3)は、デフォルトでは音符マークになっていて、その右側に表示されている数字は小節数になっています。この音符マークをクリックして時計マークに切り替えれば、表示される数字も小節から時間に変わります。
 録音を止めたいときは、(1)の録音ボタンをもう一度クリックします。
Gb3
 録音に関しては、これで全部。終わったら保存するのを忘れずに。
【編集】
 録音済みのファイルを編集して、不用な部分を消去したり、必要な部分だけ切り出して、それをiTunesに書き出す方法の解説です。私の場合、まずカセットを1本分丸々録音してしまい、それを作業用のマザー&バックアップファイルとして保存してから、改めてそこから一曲ずつ切り出し、そのファイルを別名保存してiTunesに書き出す、というやり方をしています。
 録音が終わったファイルは、下図の(1)のように、紫色の帯(リージョンといいます)になっています。
tTrim01
 このリージョンをダブルクリックします。するとリージョンの色が濃くなって選択状態になり(1)、下部に「オーディオリージョン」という拡大ウィンドウ(2)が出てきます。
 ここでは、曲の頭に入っている不必要な無音部分を消去したいので、(3)の三角形をした再生ヘッドをクリックして、オーディオの波形を見ながら、曲の開始位置へとドラッグします。中央下の再生ボタン(右向きの三角形)をクリックすれば、録音されたファイルを聞くことができるので、目と耳で確認しながら頭出しの位置を決めるといいでしょう。
 再生ヘッドを動かすときに、動きがカクカクして狙った位置に止めることができない場合、それはコントローラーが「グリッドに沿う」という設定になっていて、グリッド(この場合は拍単位の区切り)以外の場所には止まらないようになっているからです。それを解除するには「コントロール>グリッドに沿う」を解除するか、「command+G」を押せば、どこでも狙った場所に再生ヘッドを配置できるようになります。
Trim02
 曲の始まりの位置を決めたら、「編集>分割」を選ぶか、「command+T」を押します。
 すると(1)のように、再生ヘッドの位置で、リージョンが前後2つに分割されます。この分割されたリージョンの、前の部分が不要部分なので、これから消去します。
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 まず、リージョン以外の、濃いグレーの背景部分をクリックします。すると下図のようにリージョンの色が薄くなり、選択が解除されます。
Trim04
 次に、消したいリージョンをクリックします。クリックしたリージョンの色が濃くなり、選択状態になります。
Trim05
 この状態でdeleteキーを押すか、「編集>削除」を選べば、選択したリージョンを消すことができます。
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 残ったリージョンをクリックして、タイムラインの開始位置までドラッグします。これで、不要部分を消去して曲の頭出しができました。
Trim07
 頭出しをしたのと同じ要領で、今度は曲の終了部分を見つけて、切りたい位置に再生ヘッドを持っていきます。
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 そして、同じ手順でリージョンを分割し、不必要な後半部分を消去します。
Trim09
 これで一曲分の切り出し作業は終わりましたが、このままだとiTunesに書き出したとき、後半の消去した無音部分まで延々と書き出されてしまいます。そこで、書き出しの終了位置を指定します。
 まず(1)のスライダーを、一番右まで持っていきます。すると右上に(2)のような三角形があります。これがファイルの終了部分を示すマーカーです。
tTrim10
 この終了マーカーをクリックして、そのまま左にドラッグし、紫色のライン(1)が先ほど切り出したリージョンの終了部分にくるようにします。
Trim11
 これで曲の切り出し作業が完了したので、ファイルを別名で保存します。ガレバンからiTunesに曲を書き出す際、「ガレバンのファイル名=iTunesの曲名」になるので、このファイルの名前も曲の名前にします。
 iTunesへの書き出しは「共有>iTunesに曲を送信」を選びます。
 すると下図のようなダイアログが出てきます。この情報はそのままiTunesに反映されるので、アーティスト名やアルバム名など必要な内容をタイプして、共有をクリックします。
Trim12
 すると、下図のような「ミックスダウンを作成中」というメッセージと共に、進捗状況を示すバーが現れます。曲の送信が終わると、自動的にiTunesが立ち上がり、やはり自動的に今書き出した曲が再生されます。
Trim13
 これで完了。
【応用1】
 録音ファイル時間が長いと、リージョンも左右に長く伸びるので、曲の切れ目を探したり、終了マーカーをドラッグするさい、延々と画面を左右にスクロールしなければいけなくて、大変だったりします。
 そんなときは下図の(1)のツマミを左にドラッグします。左にドラッグすればタイムラインやリージョンの左右の幅が縮まり、右にドラッグすれば伸びます。
Ouyoa1
 例えば、さっきまでの説明画面では、ウィンドウ左右一杯でタイムラインの経過時間は20秒強しかありませんでしたが、上図のタイムラインを縮めた状態だと、同じ幅でも表示されているタイムラインは約25分もあります。
【応用2】
 元のテープの状態が悪いと、無音部分にもノイズが入っていたりしますが、トラック音量を調整すれば、それをフェードアウトさせることもできます。
 下図の(1)の三角形をクリックすると、三角形の向きが下に変わり、音声トラックの下に「トラック音量」というラインが出てきます。
Ouyob1
 これは折れ線グラフのようにして、トラックの音量をコントロールすることができます。ラインの上をマウスでクリックすると、変更点を示す丸印が出来ます。それを下図の(1)のような形にすれば、音量がだんだん小さくなるフェードアウトになります。
Ouyob2
 もっと懲りたければ、トラックに様々なフィルタやエフェクトを追加して、低音を強調するとか高音をカットするとか、お好みでアレコレいじったりもできますが、まあ、そこいらへんはDAWソフトとしての使い方になってしまうので、興味のある方は調べて色々と試してみてください。
【オマケ】
今日もこれを録音中にネット検索して…
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…これを発見したよ!(笑)
สามโทน (3 Tones) “โป๊ง โป๊ง ชึ่ง (Pong Pong Sueng)”

趣味のアニメーションとか

 先日のアニメーションもどきは、ちょっとアレな内容だったので、3年ほど前に趣味で制作した、健全(笑)なヤツもYouTubeにアップしました。
 淋しい白熊のアニメーション。

 使用ソフトはPoser(キャラクター・アニメーション)、Vue(風景アニメーション)、ArtMatic(光などのエフェクト・アニメーション)、Paiter(手描き部分原画)、Photoshop(手描き部分原画)、AnimeStudioぜんまいハウス版(2Dアニメーションとコンポジット)、iMovie(編集)。
 アニメクリエイターことSmithMicro版AnimeStudioは、このアニメーションには使用していません。
 音楽は、例によってGarageBandとLogicExpressで制作。

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。

 元旦に相応しく「越天楽(今様)」の主題をもとに、管弦楽系の変奏曲を作ってみました。
 中央の三角形をクリックすると、音楽の再生が始まります。徒然のお慰みにどうぞ。
 再生用Flash mp3プレイヤーは、 mixwidgetを使用。
 音楽の制作は、基本となる打ち込みをGarageBand、ブラッシュアップとミックスダウンをLogic Expressで制作。
 使用音源は、主にJam Pack Symphony Orchestra(Apple)。部分的に、Miroslav Philharmonik(IK Multimedia)とJam Pack World Music(Apple)を併用。

古代ローマ遺跡の写真など

 単行本『ウィルトゥース』発売記念……ってなわけでもないですが、古代ローマつながりで、春にカルタゴに行ったときに撮った、ローマ遺跡(とフェニキア遺跡)の写真を、スライドショー仕立てにしたムービーをアップいたしませう。遺跡とか旅とか歴史とかに興味のある方、よろしかったらご覧くださいませ。

 例によって、ビデオ編集と音楽も手作りでゴザイマス(笑)。
 古代ローマ帝国の遺跡というと、本家本元のローマには、もうかれこれ20年以上前に一度行ったきりなんですが、初めての海外旅行だったせいもあって、コロッセオのスケールには圧倒されたし、フォロ・ロマーノを散策したのがすごく楽しかったことは、今でも良く覚えています。
 イタリア本国以外では、トルコで見たベルガマ(ペルガモン)の円形劇場が、山の斜面に作られていて、急勾配の上に反対側には何にもないもんだから、今にも転がり落ちてしまいそうで超怖かったのと、同じくトルコのエフェス(エフェソス)のやはり円形劇場が、もう余りの巨大さにカメラのフレームにもぜんぜん収まらなかったことなんかが印象深いです。
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 そのとき撮った写真。左がペルガモン、右がエフェソスです。
 あと、ヨルダンのジェラッシュに行ったときは、とにかくどこもかしこも柱だらけで、何だか建物を建てるために柱を立てたんじゃなくって、まるで柱を立てるために建物を建てたみたい……なんて思ったっけ(笑)。
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 左がジェラッシュの列柱通り、右が大神殿(……だったかな?)
 カルタゴのように、ローマに滅ぼされた遺跡や、あるいはローマの支配下にあった遺跡というと、これはやはりシリアのパルミラとヨルダンのペトラが最高だったなぁ。ただ、パルミラでは、砂漠のド真ん中だというのに雨に降られてビックリしました(笑)。
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 これは、二枚ともパルミラ。右の写真、雨で路面が濡れています。
 ペトラは、何と言ってもエル・カズネが有名なので、お目当てはもちろんそれでしたけど、いざ行ってみたら、その奥にまだまだ山ほど遺跡があり、山の上に上るとエル・カズネよりもずっと巨大なエド・ディルなんてものもあるし、山頂から周囲の山々を見回すと、砂漠のあちこちの岩壁に、風化して半ばとろけたような岩窟遺跡が点在してるわで、そのスケールに大興奮しましたっけ。
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 左から、有名なエル・カズネ、その奥の遺跡群、エド・ディル、山頂から見た遺跡群。
 あと、ここいらへんをウロウロしていたときは、私は貧乏気ままなバックパッカーだったもんですから、遺跡とかでボケ〜ッとしていると、現地の人たちに声を掛けられて、ひととき仲良くなったりもするんですな。で、パルミラに行ったときも、そんな感じで、地元のトラック野郎の集団に声を掛けられて、お昼ご飯(アラビアパンと何かの実の漬け物だった)をごちそうしてもらいました。
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 これがそのシリアのトラック野郎どもなんですが、確か「お前の仕事は何だ」と聞かれて、「画家だ」とテキトーに応えたら、「俺の顔を描け」「俺も描け」ってな具合で、こいつら全員の似顔絵を描かさる羽目になってしまった。で、アラブ人って似たような顔つきだから、描きわけが難しくってねぇ(笑)。
 しかし、こうして改めて写真を見ると、自分の若さと細さの方がビックリですな(笑)。誰だこりゃって感じ(笑)。まぁ、まだ20代だったし、体重に関しても、このときは長期の貧乏旅行のおかげで、日ごと自己最低体重を更新してましたから。
 因みに、一番右の写真で私が頭にかぶり物をしているのは、これはこの中の一人が、自分の頭のやつを解いて、「お前もかぶってみろ」と巻いてくれたんです。

AnimeStudio II とかアニメーションとか

farruca
 先日のFLASHのハナシに引き続き、趣味でシコシコ作ってみたアニメーションの話なんぞを。
 今年の春頃、大きな仕事が一段落したときに、ふと「そういえば、Painterのムービー機能って、一度も使ったことがないなぁ」と思い、ちょいと何か作ってみようかと思ったのが最初のきっかけ。思い立ったが吉日で、幸い時間もあるし、さっそくPainterのマニュアル片手に作業を開始。
 前にも書いたように、切り絵風なら比較的手早くできそうだったので、レイヤーをセル代わりに使って制作開始。しかし、Painterのムービー機能はけっこう制限が多く、動きの仕上がりをテストしたりとか、一度作ってからタイムラインを遡って修正したりとか、そういった細かな調整ができない。
 そんなこんなで、頑張って全体の3/4くらいまでは作ったものの、そこで挫折しちゃいました。
 で、何かアニメーション制作に特化した手頃なものがないかと、探して行き当たったのがぜんまいハウスの AnimeStudio というソフト。これを使えば、やってみたいことは一通りできそうだったので、思い切って購入してみました。
 このAnimeStudioは、パソコン上でセル・アニメーションを制作するためのソフトで、ワークフローも一般的なセル・アニメーションの手順に準拠しています。つまり、動画用のセルを用意して、それをタップにセットし、カメラで撮影するという概念。
 単純な歩行アニメーションを例にとると、まずPhotoshopのレイヤーを使って、歩行の動作に必要な枚数の画像を用意して、それをAnimeStudioにセルとして読み込む。で、タイムラインに沿って、一つのタップ上に各々のセルの表示順番を割り振れば、同一地点で動き続ける基本的な歩行モーションになる。で、その歩行モーションを、セルをセットしたタップごと左に動かせば、キャラクターが画面右から左へ歩行する……ってなわけです。
 後はこの応用で、セルやタップやカメラを必要なだけ追加して、それぞれ目的に従った別々のモーションを振り分けていけばよろしい。セル・アニメーションの概念を把握していれば、ソフトの機能の把握や操作自体は、かなり簡単で馴染みやすい。また、マルチ撮影みたいにフォーカスを外したり、透過光合成なんかもできるし、乗算やスクリーンなどPhotoshopでお馴染みの合成モードもあります。
 また、ムービーファイルを読み込むことも可能なので、単純なセル・アニメーションだけではなく、例えば実写のムービー上にキャラクターを合成して動かすなんてこともできます。インポートやエクスポートも、標準的なフォーマットはカバーしているし、別アプリケーションへのデータの受け渡しも問題なし。因みに私の場合、iMovieでは合成機能が足りない場合、FinalCutを購入するかわりにAnimeStudioを使ったりしてます(笑)。
 このソフト、かなり気に入りました。
ぜんまいハウス AnimeStudio(amazon.co.jp)
 そして、中断していたアニメーション制作を、AnimeStudioを使って再開、残りの1/4を仕上げました。あと、Painterで作ったものの、イマイチ納得がいかなかったカットを、AnimeStudioで手直ししたり作り直したり。
 そんなこんなで、できあがったアニメーションがこれ。
QuickTime版
WindowsMedia版
 長さは5分54秒、秒5コマ(笑)くらいの、パタパタ切り絵アニメーション。
 QuickTimeはバージョン7。WindowsMedia版は、それ用のデータを作るのは初めてで、しかもWindowsマシンがなくて動作確認ができないので、もし上手く再生できなかったらゴメンナサイ。
 ところで、最近になって、アメリカで同じAnime Studioという名前のソフトがあることを知りました。
 もとは「モーホ」とかゆーちょっとイヤな(笑)名前のフリーソフトらしいんですが、これが2Dにボーンを仕込んで動かせるらしく、「あらやだ、じゃあ切り絵アニメにはうってつけ?」と興味シンシン。
 リリース元は米 e frontier なんだけど、イーフロから日本語版も出るのかなぁ?

FLASHとかアニメーションとか

 FLASHてのは、私にとって「興味はあるんだけど触りそびれている」アプリケーションだったんですが、ひょんなことから「体験版は30日間無制限で使用可」だと知って、これ幸いとダウンロードして使ってみることにしました。
 アニメーション好きな人間の例に漏れず、私も趣味のアニメーションを作ってみたいな〜、なんて想いはありまして。で、動画を一枚一枚描くのは、技術的にも時間的にもハードルが高いけれど、切り絵みたいな手法ならば、比較的短期間で作れるかも知れない。
 また、ウェブ上で見られる各種のFLASHアニメーションには楽しませていただいているし、テレビでやっていた『アークェとガッチンポー』もけっこう好きだったし、そんなこんなでFLASHは、一度いじってみたいアプリケーションだったわけです。
 というわけで、何か一本作ってみたいと考えていたところ、ちょうどその頃、趣味で作った音楽で、自分で聞いていて「何だかコブタがキーキー騒いでるみたいだ」と思った曲があったんで、よし、これにコブタのアニメーションを付けてみようと思い付いた。
 で、出来上がったのがコレ。
pig_icon
 上のブタさんをクリックすると、別ウィンドウが開いてアニメーションがスタートします。
 ま、内容はブタが走り回ったり飛んだりするだけですけど、画面構成のシンプルさとテンポの良さにはこだわったつもり。自分では、ちょっとオスカー・フィッシンガーの影響があるかもと思ってます(どこが!)。
 MTV風にしたかったので、曲との同期を優先しましたから、CPUのパワーによってはコマ落ちする部分もあるかも知れませんが、そこはご容赦を。因みに私の環境だと、1.42GHzのMac miniでは問題なかったんですが、350MHzのPower Macだと部分的にコマ落ちしちゃいました。
 因みに曲の方は、ハイテンションでミニマル・ミュージック風味のテクノです。

GarageBand Jam Pack World Musicとか

 前にここで「もう絶対に買っちゃうもんね」と書いたGarageBand Jam Pack World Music、だいぶ使い慣れてきたんで、使用感のレポなんぞを書いてみませう。
 まず、収録音源のリスト。

Bass〜ラテン・ベイビー・ベース/ギタロン/バラライカ
Choir〜南アフリカのクワイア/南アフリカのクワイア(ヴォイス・エフェクト)
Guitar〜月琴/ウクレレ/ブズーキ/中世のリュート/フラメンコ・ギター/ウード/サズ
Mallet〜カリンバ/アフリカン・マリンバ/ガムラン/チベットのシンギング・ボウル
Piano & Keyboard〜アフロ・キューバン・アップライト・ピアノ/ポルカ・アコーディオン/タンゴ・アコーディオン
Strings〜ハンマー・ダルシマー/ケルティック・ハープ/二胡/古箏/シタール/フィドル/琴/サントゥール
Woodwinds〜ティン・ホイッスル/笛子/洞簫/バグパイプ/バンスリ/シャナイ/尺八/中世のリコーダー/ネイティブ・アメリカン・フルート/パンフルート
Drum〜アフリカン・キット/アジアン・キット/ヨーロピアン・フォーク・キット/インディアン&ミドル・イースタン・キット/ラテン・キット

 ……とまあ、これだけの音源がマルチサンプルで収録(つまり、好きなように演奏できるってことね)されていて、加えてループも3000以上入っていて、それで\10,800というのは、いつものことながらコストパフォーマンスは良いのでは。
 それぞれの音源は、ベロシティの強弱やモジレーションで奏法が変化するものが多いです。
 自分がよく使う楽器を例にとると、バンスリはモジュレーションでビブラートの有無、スライドアップ、フラッター・タンギングといった奏法が制御でき、シャナイはモジュレーションで音の長短、ベロシティで音の揺れやトリルなどが変化する……といった感じ。ここいらへん、上手く使うとけっこう生っぽい「味」になるので、ソフト同梱のPDFマニュアルは目を通しておいた方がいいでしょう。
 ドラム・キットはそれぞれパーカッションもセットなので、例えばアフリカン・キットにはジェンベやトーキング・ドラム、インディアン&ミドル・イースタン・キットにはタブラやドゥンベック(ダルブッカ)などが、キーの違いや奏法のバリエーションも含めて、キーにマッピングされています。
 音色はさほど押しが強くなく、存在感はいささか控えめではありますが、逆に極端に浮くこともないので、アンサンブルとしては使いやすいです。ただ、強烈なリードとして欲しい場合は、ちょっと物足りない場合も。
 また、Jam Packシリーズは一様にそうですが、本来の楽器の出せる音域を越えて、低音から高音までくまなく音が入っています。楽器本来の音域を意識して使わないと、音が不自然になってしまう場合もありますが、それを逆手にとって、現実にはありえない楽器として使うのも面白いかも。例えば、ウードをうんと高音にしてみたら、エキゾチックなギターともハープともつかない音になって面白かった。
 楽器によっては、キーの高低で音色そのものが異なってマッピングされているものもあります。例えば、南アフリカのクワイアでは、高域は女声、低域は男声に振り分けられていますし、ガムランでは高域はガンサ、低域はレヨンゴングになっています。
 というわけで、全体的には「安価・使える・いじれる」と、三拍子揃った好印象。
 ループも、リアル音源に加えてソフト音源も多く、後者はピアノロールや楽譜表示を見れば、どういう楽器がどのような使われ方をして「それっぽさ」を出しているのか、目で確認することができるので、なかなか楽しいし参考にもなる。もちろん、違う楽器に演奏させることも可能。
 まあ、それでもぜいたくを言い出せばきりがないもので、例えばフィドルの音は、ちょいと擦弦感というかギコギコ感に乏しいのが物足りないし、ガムランもこれだと必要最低限でしかなく、例えばゴン・クビャールとドゥグンとグンデル・ワヤンとかの違いは出せない。
 楽器の種類も、これだけあってもまだまだ欲しいものはあるのが人の性で、例えば笛ものだと、アラブのナイやアルメニアのドゥドゥクやインドネシアのスリン、弦ものだとアラブのカーヌーンやミャンマーのサウンなんかが欲しい。アンクルンやジョゲッ・ブンブンやジェゴグやパッタラーといった、竹素材のマレットものも、何か一つ欲しかった。あと、日本の笙かタイのケーンも。
 まあ、そんな無い物ねだりはともかく、GarageBandやLogicのユーザーで、ワールド・ミュージック系のインストゥルメンツのコレクションを何か一つというんだったら、充分元を取れておつりもくる内容ですから、最初の購入物としてオススメです。
 で、せっかくなので、自分の手による使用例も一つ。
“Steppe” (MP3 file / 4.4MB)
 この曲で、Jam Pack World Music収録の音源のうち、パーカションのアフリカン・キット、アフリカン・マリンバ、ウード、チベットのシンギング・ボウル、カリンバ、ケルティック・ハープ、ティン・ホイッスル(登場順)を使っています。
 お暇とご興味がおありの方、よろしかったらお聴きください。

PoserとかVueとかGarageBandとかLogic Expressとか新しいJamPackとか

 前にここで書いた趣味の3DCGムービー制作、ようやくact 3が完成。これで、トータル6分45秒……って、短っ(笑)。
 今回はちょいエロ入ってきたんで、こっちにはリンク貼りませんが、近々本家サイトにアップしますんで、18歳以上で興味のある方は覗いてみてください。
 で、今回のムービーで今までと違うのは、BGMであります。前回まではGarageBandを使っておりましたが、今回はLogic Expressを使用。
 何が一番違うかというと、Logic ExpressだとQuickTimeムービーを読み込めるので、映像と音のシンクロが容易になったこと。
 iMovieで映像の編集が終わったら、低解像度のQuickTimeムービーで書き出し、それをLogic Expressで読み込む。すると、Logic Expressにムービーのトラックが出来る。ムービー・トラックとオーディオ・トラックはリンクしているので、ムービーのカーソルを音を入れたいタイミングのフレームに動かして、そのまま任意のオーディオ・トラックにリージョンを作り、ロケーターの位置にノートを打ち込めば良いわけです。
 で、これがかなり楽。
 前にBGMをGarageBandで作っていた時は、iMovieで映像のアバウトなタイミングを、ストップウォッチや電卓で調べておき、それを元にGarageBandでアバウトな長さのBGMを、モチーフごとのブツ切り状態で作る。そうやって素材が揃ったら、iTunes経由でiMovieにインポートして、二つあるオーディオトラックに交互に配置して、タイミング修正とかフェードアウトやトリムをしていく……って手順だったわけです。
 しかし、いかんせんGarageBand上ではアバウトな作業しかできず、いざiMovie上で映像と合わせてみると、ちょっと早すぎたり遅すぎたりといった不満が出て、再度GarageBandに戻ってBPM変えたりして調整……ってな作業の繰り返しで、これがけっこう面倒くさかった。
 これがLogic Expressを使うようになってからは、BGM制作はムービーとシンクロさせながら作って一発で完了、それをバウンスしたものを、やはりiTunes経由でiMovieに取り込み、そのままオーディオトラックにペッタリ貼り付ければ、もう完了です。微調整の必要や、再度Logic Expressに戻る必要は、いっさいなし。
 という具合で、今回は映像と音のシンクロも、前2回に比べると、ずっとバッチリ合わせられました。しかも、ずっと簡単に。
 Logic Express様々であります。
 ……ってなことを書こうと思ってたんですよ。
 でもね、つい昨日だったか、新しく出たiLife ’06に入っている、新しいGarageBand 3の詳細を見たら、うわ、今度のGarageBandには「iMovieプロジェクトのためのスコア機能」ってのが付いてるじゃん(笑)。ってことは、GarageBand 3なら、前述のような映像にシンクロした音を作ることが、Logic Express同様にラクチンみたい。なんでぇ(笑)。
 ただ、GarageBand 3に新たに加わった機能は、このiMovie絡みやPodcastやiChat絡みのものばかりで、音楽制作的には、あまり変化はなさそう。エフェクター周りに手が入っているようだけど、テンポチェンジとかはないみたいだし。
 あと、拡張ループ&音源のJamPackシリーズから、最初に出ていたJamPack 1が消えて、新たに一つ加わっているところを見ると、別売だったJamPack 1が最初からバンドルされているのかも知れませんね。
 ンで、私的にはGarageBandのバージョンアップよりも、ずっと嬉しいニュースが、この新しく出たJamPack 5 World Musicってヤツ! 「うひょ〜、待ってました!」ってカンジ!
 実は民族楽器系では、best serviceのEthno World 3というヤツを買ったんですけど、マルチ・インストゥルメントを扱えないGarageBandで使うには重くてねぇ。もっぱらLogic Express専用でしか使っていなかった。
 あと、AMGのExpansionPack for GarageBand & Logic 7ってヤツ。これに、バグパイプやユーリアンパイプやマンドリンやフィドルが入っていて、これはGarageBandでも軽いので良く使っているけど。
 というわけで、このJamPack 5 World Music、まだApple Storeでも「6週間後発送」という状態だけど、うふふ、もう絶対に買っちゃうもんね(笑)。サントゥールとバラライカとティン・ホイッスルが楽しみ。
 でも、12GBだって……。JamPackシリーズの音源やループを、外付けHDで使う方法がイマイチ不明なので、とりあえず内蔵HDのお掃除をして、空きを作らんといかんなぁ……。